「ホンダ フィット」が売れている理由とは?売れ筋グレードから人気ボディカラーまでの最新情報をまとめ

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ホンダの大人気コンパクトカー、フィット。はたしてなぜ売れているのでしょうか?本記事ではその理由に迫るとともに、最新の売れ筋グレードや人気ボディカラー、購買年齢層といった情報をまとめてお伝えします。

ホンダ フィットとは?販売台数ではライバルに負けるも大人気モデル

ホンダ「フィット」は、5ドア・ハッチバックのコンパクトカーとして2001年にデビューしました。フィットの先祖は「ロゴ」でしたが、セールスはイマイチ。しかし、初代フィットは大ヒットを記録しました。

現行モデルは、2020年2月に発売された4代目。それまでのスポーティーな路線から一転、実用性を重視したファミリーカー路線となりました。フィットのフルモデルチェンジとほぼ同時期に、ライバルのトヨタ ヴィッツがフルモデルチェンジし、車名をヤリスに変えてデビューしています。このとき、販売台数競争に注目が集まりましたが、ヤリスが勝ってしまいます。

この背景には、法人需要がヤリスの販売台数を押し上げたのに対し、フィットにはヤリスのような明確な法人需要対応グレードが存在しないという違いがありますが、フィットは2021年通期(1〜12月)の登録車販売台数ランキングで10位圏内が見えている人気モデルです。

フィットの2021年1〜11月の累計販売台数は、53,484台。2021年11月単月の販売台数では6,074台、登録車販売台数で8位となっています。

【フィットのグレード別販売構成比】ユーザーの選択動向は価格重視

フィットのグレード構成は5タイプ+コンプリートカーの「Modulo X(モデューロX)」。グレードの違いは、装備によるカーストではなく、ユーザーのカーライフや好みに合わせた仕様で分けた、という考え方で構成されています。このため、高級グレードやタイプ違いのものを除き、価格に顕著な開きがありません。

▼グレードごとの特徴

グレード 特徴
BASIC 文字どおりのベーシック。エントリーグレード
HOME 部屋にいるような快適性を重視
NESS
(ネス)
アクティブ派向け。LEDフォグランプや16インチアルミホイールを装備
CROSSTAR
(クロスター)
SUV風のクロスオーバー。車高が少し上げられ、ホイールアーチにはクラッディングが付けられて3ナンバーに。
LUXE
(リュクス)
ラグジュアリーモデル。本革シートなどを装備

フィットは、全グレードにハイブリッドの「e:HEV」とガソリン車の両方を設定、またそれぞれに2WDと4WDの両方を設定しており、パワートレインとグレードを合わせた組み合わせは16とおりとなります(Modulo Xを除く)。

▼グレード・パワートレイン別車両価格

ガソリン e:HEV
グレード 2WD 4WD 2WD 4WD
BASIC 1,557,600 1,755,600 1,997,600 2,195,600
HOME 1,767,700 1,965,700 2,117,500 2,315,500
NESS 1,877,700 2,075,700 2,227,500 2,425,500
CROSSTAR 1,938,200 2,136,200 2,288,000 2,486,000
LUXE 2,076,800 2,241,800 2,426,600 2,591,600

単位:円

価格設定の法則性は、以下のようになっています。

・e:HEVは、ガソリン車の約35万円高(BASICのみ44万円高)

・4WDは2WDの19万8,000円高(LUXEのみ16.5万円高)

▼グレード別販売構成比

※本記事のデータ:2021年6〜11月・累計販売台数 28,014台

グレード 構成比率(%)
e:HEV HOME 35.1
BASIC 17.4
HOME 15.7
e:HEV CROSSTAR 10.2
e:HEV BASIC 8.2
e:HEV LUXE 4.8
CROSSTAR 3.4
e:HEV NESS 1.8
e:HEV Modulo X 1.4
LUXE 1.0
NESS 0.7

フィットはコンパクトカーらしいグレード別販売構成比を示していました。最も売れているのは、ハイブリッドでベーシックグレード寄りの「e:HEV HOME」で全体の35%を占めています。

つづいて、ガソリン車の「BASIC」「HOME」と続くことなどから、価格が重視された売れゆきと言えます。

▼パワートレイン別販売構成比率

エンジンタイプ

パワートレイン 構成比率(%)
e:HEV 62
ガソリン 38

駆動方式

駆動方式 構成比率(%)
2WD(FF) 84
4WD 16

パワートレインは、e:HEVが約6割と過半数を占めていますが、ガソリン車も一定数売れていることが特徴的です。

4WDの比率は、積雪地帯に住む方の購買比率とほぼ同等と考えてよいでしょう。

【人気ボディカラーTOP3】

フィットのボディカラーバリエーションは、以下のボディカラーをラインナップしています。

▼ボディカラーラインナップ(単色)

プレミアムサンライトホワイト・パール(有償色 55,000円高)A

プレミアムクリスタルレッド・メタリック(有償色 55,000円高)B

プラチナホワイト・パール(有償色 33,000円高)C

ルナシルバー・メタリック D

メテオロイドグレー・メタリック(有償色 33,000円高)C

エアライトブルー・メタリック

ミッドナイトブルービーム・メタリック(有償色 33,000円高)

クリスタルブラック・パール F

サーフブルー E

プレミアムグラマラスブロンズ・パール(有償色 33,000円高)

ローズゴールド・メタリック(有償色 33,000円高)

※末尾の英字は、以下の2トーンカラーが設定されています。

A:オレンジ(95,000円高)とブラック(90,000円高)の2種類の2トーンカラー

B:ブラックの2トーンカラー(95,000円高)

C:オレンジ(75,000円高)とブラック(70,000円高)の2種類の2トーンカラー

D:オレンジ(55,000円高)とブラック(50,000円高)の2種類の2トーンカラー

E:ブラックの2トーンカラー(55,000円高)

F:ブラックの2トーンカラー(50,000円高)

人気ボディカラーTOP3

ボディカラー 構成比率(%)
プラチナホワイト・パール 19
ルナシルバー・メタリック 17
プレミアムサンライトホワイト・パール 9

フィットの人気ボディカラーは、売れ筋グレードと対照的に有償色が上位に入るいっぽう、追加料金なしのシルバーがしっかりTOP2に入るというコンパクトカーらしい結果になっています。

CAP/HOME プラチナホワイト・パール

フィットの購買年齢層は子育て終了世代が主体に

年齢 構成比率(%)
60代 27.0
50代 24.2
70代以上 18.6
40代 14.9
30代 8.4
20代 6.5
20歳未満 0.5

フィットの購買年齢層は高めとなっています。子育てが終わった夫婦で乗るといった需要を大きく取り込んでいる結果といえるでしょう。

フィットはなぜ売れるのか?

現行モデル、4代目フィットは、アットホームな室内空間と親しみやすいデザインで作られました。このため、コンパクトカーにしては十分に広い室内空間を持ち、かつウィンドウが大きく開放的で快適な空間がフィットのウリとなりました。特に、後席の広さはライバルを凌ぎます。

また、エンジンと電気モーターのいいとこ取りをしたハイブリッド「e:HEV」は、低速域ではモーター駆動、高速域ではエンジン駆動と使い分け、低燃費と走りの良さを両立しているところもウリ。

ライバルのトヨタ ヤリスでは販売台数では差を付けられてしまっていますが、パーソナルユースの性格が強くなったヤリスでは後席の使い勝手が悪い、と感じた方がフィットを選ぶというケースが多いと聞きます。

さらに、多彩なグレード構成と豊富なボディカラーラインナップも、フィットの魅力。販売構成比の結果としては、無難なセンに落ち着いていますが、選択肢が多いからこその結果とも言えるでしょう。

加えて、子育てが終わった世代の方が、ミニバンからのダウンサイジングでフィットを選ぶというケースも多いことも、販売台数を下支えしているひとつの要因となっています。

筆者は、価格と実用性の両方を重視する方にフィットをおすすめしています。コンパクトSUVでは、ちょっと車両価格が高いし、SUVの必要性を感じていないという方、軽自動車では乗車定員やエンジンパワーなどが物足りない、もうひとクラス上のクルマが欲しい、といった方にはベストチョイスとなるでしょう。

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