2022年4月22日に日本市場発売となった、「DS 4(ディーエスフォー)」の試乗レポートをお届けします。ほんと「これはイイ!」クルマでした。
「DS」とは?
正しくは「DSオートモビルズ(DS Automobiles)」、通称「DS」は、フランスの自動車メーカー、シトロエンから派生した高級ブランドです。トヨタの派生高級ブランドのレクサスと同じようなものと考えて差し支えないでしょう。
ブランドの成り立ちについては、以下の「DS 9」の試乗レポート記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。
「DS 4」とは?
「DS 4」は、Cセグメントに属する5ドアハッチバック。DSはプレミアムブランドですから、「プレミアム・Cセグメント・ハッチバック」となります。DS 4は旧グループPSAで同じ傘下ブランドのプジョーのCセグメント・5ドアハッチバック「308」と同じプラットフォーム、パワートレインが使用されています。
DS 4は、新型現行モデルで2代目、先代は2018年まで生産されていました。先代の売れ行きは世界的にぱっとせず、生産終了となってしまいましたが、約4年ぶりに復活しました。
DS 4のボディサイズは、全長4,415mm・全幅1,830mm・全高1,495mm・ホイールベース 2,680mm。トヨタ カローラスポーツ、マツダ3 ファストバックとほぼ同じ大きさです。
エンジンは、すでに旧グループPSAのあらゆるモデルに採用されている直列3気筒1.2L「PureTech」ガソリンターボ、直列4気筒「Blue HDi」1.5Lディーゼルターボ、直列4気筒1.6Lガソリンターボ+モーターのPHEVの3種類がラインナップしています。トランスミッションは、全車アイシン製の8速AT。旧グループPSAのクルマをよく知る人にとってはおなじみのパワートレインです。
「世界で最も美しいクルマ」
2022年1月に、パリで開催された「第37回国際自動車フェスティバル」で「Most Beautiful Car of the Year 」を受賞し”世界で最も美しいクルマ”にDS 4が選ばれました。
DSブランドのラインナップは、DS 4の登場まで、ミドルサイズSUVの「DS 7 クロスバック」、コンパクトSUVの「DS 7 クロスバック」、ミドルサイズセダンの「DS 9」の3モデルがラインナップされていました。この3モデルはブランド独立後のDSのデザイン言語でつくられ、共通の意匠が数多くありました。
DS 4は、それまでのデザイン言語や世界観はしっかりと踏襲しながら、次の世代にひとつつ進んだような雰囲気があります。
インテリアでは、それまでインパネ中央部に大きなエアコン吹出口がありましたが、DS 4のエアコン吹出口は、ぱっと見どこにあるのかわからないようにうまく隠されています。ルーバーの調整つまみも、スイッチ類と並べられてクリーンなデザインで統一されています。
センターコンソールでは、それまでガングリップタイプだったシフトレバーは、前後方向のスイッチ式に代わり、センターコンソールのディスプレイにあるいくつかの機能を手元のタッチパッドで操作できるようなりました(が、正直、豊富な機能とは言い難く……ただ雰囲気は満点)。
フロントグリルとクロームメッキの「DSウイング」は、それまでの3モデルと共通のデザインですが、ヘッドライトの両サイドから下方に延びる大胆なLEDライトとヘッドライトはかなり精悍になりました。
エクステリアでは、それまでのモデルより全体的に直線が多く取り入れられ、彫刻的なプロポーションでまとめられています。
やっぱりDSは夜が似合う
筆者は広報車を借りて試乗するとき、たいていはそのクルマに合わせたロケーションや道路を選び、遠いところまで長距離を走ることを好んでいます。しかしDS 4では、どうしても夜の首都高速を走りたくなりました。
DSは夜が似合います。アバンギャルドなデザインと独創的な世界観がそうさせるのでしょう。「世界観」という言葉がしっくりくるクルマはDSぐらいではないでしょうか?
乗り心地も夜道をゆったりと流して走るには最適です。コンフォートな乗り味はDSの持ち味でしたが、DS 4はハンドリングの良さをプラスしてきています。
【総合評価:80点】ドイツのCセグ・ハッチバックと堂々と肩を並べる
筆者が試乗したクルマを、10項目×5段階で評価、★1個を2点として100点満点の総合評価として採点します。各項目、評価の理由をお伝えしますが、あくまで筆者のインプレッションによるものですので、ご参考としてご覧ください。
No. | 項目 | 評価ポイント |
---|---|---|
1 | 内外装デザイン | デザインの良さ、ボディカラーやインテリアカラーのバリエーションなどを評価 |
2 | エンジン・トランスミッション | パワートレインの良し悪しを評価 |
3 | 足回り | 乗り心地の良さ、操縦安定性などを評価 |
4 | 燃費・電費 | 燃費、電費を評価 |
5 | 居住性 | 室内空間の広さ、静粛性などの快適性を評価 |
6 | 装備・使い勝手 | 装備の充実度、使い勝手の良さを評価 |
7 | 安全装備・運転支援 | 予防安全技術、運転支援システムなどの先進技術装備を評価 |
8 | 価格 | コストパフォーマンスの良さ、お買い得感を評価 |
9 | 乗りやすさ | 小回りが効くなどの取り回し性の良さ、普段使いでの運転のしやすさなどを評価。 |
10 | クルマの愉しさ | スペックを考慮しないで、純粋にクルマを所有するよろこびや、ドライビング・プレジャー(走る愉しさ)を筆者の独断と偏見で評価 |
1 | 内外装デザイン | ★★★★★ | それまでDSの世界観を踏襲しつつ、さらに洗練された内外装は素敵。彫刻のようなエクステリアは見ていて飽きが来ない。インテリアの個性はそれまでのモデルより薄味になった気がするが、なじみやすい。 |
---|---|---|---|
2 | パワートレイン | ★★★ | 目新しさはないが、旧グループPSAでいい意味で使い倒されたこなれた定評あるパワートレイン。ただ、1.2Lガソリンはちょっと非力感が否めないので★3つ。ディーゼルターボかPHEVのほうが走りの質はよさそう。 |
3 | 足回り | ★★★★★ | DS 4の世界観にマッチした乗り味。文句なし。 |
4 | 燃費・電費 | ★★★ | ハイオク仕様で1.2Lガソリンの実燃費は正直いいとは言えない。 |
5 | 居住性 | ★★★★ | 悪くはないが、世界観重視で居住性よりもデザイン優先的なところがいくつか。 |
6 | 装備・使い勝手 | ★★★ | 世界観・デザイン優先なので仕方ないと割り切れるが、使い勝手に優れるというとお世辞。しかし、そこがDSの良いところ。 |
7 | 安全装備・運転支援 | ★★★★★ | DS 4に新しい技術は採用されていないが、ひととおりの先進安全装備・運転支援は用意される。旧グループPSAのADASは定評あり。 |
8 | 価格 | ★★★★ | この先、車両価格が高くなることが十分に予想されるが、プレミアムCセグとしては適正な価格の範囲内。。 |
9 | 乗りやすさ | ★★★★ | 取り回しは悪くない。乗りやすさ重視でないクルマだが、毎日乗れる気楽さもあり。 |
10 | クルマの愉しさ | ★★★★★ | 運転する愉しさなら★3つ、デザインを愉しむなら★5つ。間をとって★4つ。なにもクルマは走りだけで評価されるものではない。 |
フランス車は、ドイツ車と比べると万人受けしない個性の強さがあります。しかし、DS 4は、メルセデス・ベンツ Aクラス、BMW 1シリーズ、アウディ A2 といったドイツ勢プレミアム・Cセグ・ハッチバックと肩を並べる商品力があるクルマだと筆者は感じました。いいクルマです。
(文・撮影:宇野 智)
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※この記事は2022年7月現在の情報に基づいています。