中古車を購入するためには、案外多くのダンドリが必要です。特にはじめて中古車を買う人は、おそらく戸惑うのではないでしょうか。ダンドリがもたつけば、それだけ納車が遅れてしまいます。そうならないためにもスケジュールをしっかりと把握しておきましょう。
中古車選びから納車まで、全体のスケジュール一覧
まずは何をいつやればいいのか、全体のスケジュールを確認しておきましょう。下記の日数はあくまでも目安で、最短に近いものです。中古車や販売店、さらに購入者の事情によって変わりますが、やるべき順番としては参考になるはずです。同時並行で進めなければならないことも多いことにも注意が必要です。
1日目 | (1)予算と車種を決定 | |||
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2日目 | (2)資金の調達方法を決定 | (3)駐車場を探して契約 | (4)装備や色など、条件面の優先順位を決定 | |
3日目 | (5)印鑑証明書を用意 | |||
4日目 | (6)予算内で数台の中古車をピックアップ | (7)販売店に在庫を確認し、実車を見に行く日を予約 | ||
5日目 | ||||
6日目 | (8)気になる中古車を販売店でチェックする | |||
7日目 | (9)契約手続き | (10)必要書類を用意、作成 | (11)お金の支払い手続き | |
8日目 | ||||
9日目 | (12)任意保険の比較検討 | |||
10日目 | ||||
11日目 | (13)任意保険に加入 | |||
12日目 | (14)納車 |
このように中古車の検討から納車まで、購入者の作業は大まかに14項目あります。すべてスムーズにいけば、約2週間で納車まで漕ぎ付けることができるというわけです。
別の見方をすれば、納車までに最低でも約2週間はかかるということ。「ゴールデン・ウィークには愛車に乗りたい」など、納車時期が明確な場合は、逆算して行動を開始しましょう。
この14項目は、大きく「販売店へ行く前にやっておくこと(表の青色部分)」と「販売店で行うこと(同、緑色部分)」「納車前にやるべきこと(同、オレンジ部分)」の3つに分けることができます。
この3段階別に、14項目をさらに細かく見ていきましょう。
販売店へ行く前にやっておきたいこと
(1)予算と車種を決定
中古車購入の第一歩は、購入するための予算と、欲しい車種を決めることにあります。ここがしっかり決まっていないと、選ぶ際にどんどん目移りしてしまい、欲しい1台をしぼり切れなくなります。
上記表では1日で決めるように見えますが、「決定」するまで徹底的に下調べすることが重要です。例えば同じ車種でも、年式が異なるだけで何十万円も違ったりします。
肝心要の第一歩を踏み出すには、それなりの準備が必要なのです。
なお、自分の用途に合った車種選びについては「【STEP 1】#1 まずは自分の使い方にあったボディタイプを決めよう」で、同じ車種なのに価格が違う理由については「【STEP 1】#6 同じような中古車でも価格が違う理由」で詳しく説明をしています。
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(2)資金の調達方法を決定
お金を借りて購入する場合、どこから借りるのか早めに決めておきましょう。借り先によっては住民票等、各種書類が必要になりますから、この段階で確認しておくとスムーズです。
中古車購入のお金に関することは「【STEP 0】#2 中古車購入のときに必要なお金・諸費用」で詳しく説明をしています。また契約までに用意しなければならない書類の詳細については「【STEP 3】#1 契約までに必要な手続きと書類」をご覧ください。
(3)駐車場を探して契約
クルマを購入する場合、あらかじめ駐車場を確保しておく必要があります。購入には(自動車保管場所証明書)が必要です。賃貸の場合、車庫証明書の申請のために駐車場の所有者から保管場所使用承諾証明書を受け取っておかなければなりません。
(4)装備や色など、条件面の優先順位を決定
予算と車種が決まったら、装備や色、年式や走行距離といった条件面の優先順位を決めましょう。
(5)印鑑証明書を用意
軽自動車以外は購入時に印鑑証明書が必要になります。あらかじめ市区町村役場で印鑑証明書(印鑑登録証明書)を入手しましょう。印鑑証明書は発行後3ヵ月間有効です。実印を登録していない人はこれを機に登録しましょう。
なお軽自動車を購入する場合は通常の印鑑(認印)で大丈夫です。当然印鑑証明書も不要ですが、代わりに住民票が必要になります。
(6)予算内で数台の中古車をピックアップ
購入車を決めるためにも、必ず複数台を比較検討するようにしましょう。「あっちのほうがよかったかも」と後悔をしないためにも、「このクルマが一番いいな」と納得するためにも、複数台比較することをオススメします。
(7)販売店に在庫を確認し、実車を見に行く日を予約
気になる中古車が訪問可能なエリアであれば、必ず販売店に在庫を確認してから実車を見に行く日を予約しましょう。何の連絡もせずに直接販売店に行くと、「先ほど商談が成立しました」なんていう無駄足を踏むことになりかねません。
それに予約しておけば、販売店によっては店頭の中でも見やすい場所に移動してくれていたり、何かとスムーズにチェックしたりできるようにしてくれます。
最近では中古車サイトの情報も充実してきたので、遠方の中古車を買うことのハードルが以前より下がりました。実車を見ることができない場合は、WEB上ではわかりにくい部分、例えば外装の細かい傷や内装の匂いなど、気になることをしっかりと伝えましょう。WEBでの販売店とのやり取りについては「【STEP 2】#2 候補車の詳細・不明点は問い合わせ・確認しよう」の記事に詳しく書いています。
販売店で行うこと
(8)気になる中古車の詳しい状態を販売店でチェックする
実車を見に行って、クルマの状態を確認しましょう。大切なのは、アラを探すつもりでチェックするのではなく、「この状態でこの価格」に納得できるかどうか、という点です。アラを探せば、新車ではないのですから必ず出てきます。自分の譲れるポイント、譲れないポイントをしっかりと決めておきましょう。
遠隔地の販売店などにWeb上で問い合わせをしてクルマの状態を確認する場合は、納車後のトラブルを避けるためにも気になることはメールなどの文面に残すことが大切です。
最終的に、数台に絞ったら本体価格以外の費用もすべて含まれた見積書を取り寄せ、お店によって異なる販売手数料、保証制度などをしっかり確認しましょう。詳しくは「【STEP 2】#3 候補車の見積り内容をチェックしよう」の記事をご覧ください。中古車の保証については「【STEP 1】#4 いまや中古車にも保証は当たり前」で詳しく説明をしています。
(9)契約手続き
購入したいクルマが決まったら、販売店に購入意思を伝えて契約手続きを行いましょう。手続き自体は販売店がリードしてくれるので、それに従えばスムーズに運ぶはずです。なお契約書を結ぶ際の注意点は「【STEP 3】#2 契約書でチェックすべきこと」を参照ください。
納車前にやるべきこと
(10)必要書類を用意、作成
購入に必要な書類は、たいてい契約時に販売店が用意してくれますが、車庫証明書など自分で作成しなければならない書類もあります。販売店の説明に従って作成・用意しましょう。なお契約前後に必要な手続きと書類については「【STEP 3】#1 契約までに必要な手続きと書類」で詳しく説明をしています。
(11)支払い手続き
現金払いなら販売店の指定する口座へ振り込みます。販売店が用意したローンなら、審査申込みの手続きなどが必要となります。金融機関等から借り入れて支払う場合は、借り先の指示に従いましょう。
(12)任意保険の比較検討
自賠責保険(いわゆる強制保険)だけでは、万一の際に補償が足りず、大きな経済負担を背負うことが多々あります。また事故の際に、任意保険に入っていないとみずからが相手(または相手の任意保険会社)と交渉しなければならず、時間も手間も取られがちに。
そうならないためにも、任意保険のへ加入は現在では必須といえるでしょう。保険料はもちろん、付帯するサービス・特約等も保険会社によって異なりますから、比較検討して決めるようにしましょう。
(13)任意保険に加入
任意保険に入るには、登録後の車検証に記載されている情報が必要になります。販売店が登録を済ませたら車検証のコピーをもらうようにしましょう。
(14)納車
晴れて納車です。契約時に納車前の修理や、タイヤなど部品の交換を依頼していた場合は、それらが完了しているか納車時に確認しましょう。納車時に必要なチェックについては「【STEP 4】#1 納車時の確認ポイント」で詳しく説明をしています。
「(9)契約手続き」時には保証の検討を忘れずに
楽しいカーライフを送るためにも、保証制度に入ると安心です。新車にはメーカーによる保証が備わりますが、中古車の場合、販売店が用意してくれる無償・有償の保証を頼ることになります。しかし新車と比べれば期間が短く、また販売店よって保証内容も異なります(詳しくは「【STEP 4】#2 購入後に故障などのトラブルが起きたら」)を参照ください)。
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(イラストレーション:桔川シン)
※この記事は、2022年11月時点での情報で執筆しています。