1970年にデビューした軽自動車のオフロード四駆、ジムニーは、現在に続くスズキSUVの祖といえるモデルです。また、1988年登場の初代エスクードは、副変速機を備えた本格4WDながら、タウンユースでも使いやすいライトクロカン、現在でいうクロスオーバーSUVというジャンルを作り上げました。そんな歴史あるスズキのSUVの中から、手頃な価格で買える中古車3台を挙げてみました。
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No.1 コンパクトSUV「スズキ エスクード」3代目 後期型 2012〜17年式
ビルトインラダーフレームを採用した3代目エスクードは2005年に発売されました。初期モデルは直列4気筒の2Lと2.7Lの5ドア(のちに1.6L 3ドアを追加)でしたが、2008年のマイナーチェンジで2.4L 直4と3.2L V6を搭載。ボディは5ドアのみとなりました。駆動方式は全車フルタイム4WDで、パートタイム4WDだった2代目から走行性能が大きく向上。また、先代の丸みを帯びたデザインから直線的で張りのある面構成に変更。全車3ナンバーのワイドボディ(全長4,300〜4,420mm×全幅1,810mm×全高1,695mm)を採用したのも特徴です。
今回おすすめするのは、2012年にリリースされた後期型になります。理由は、上質さと迫力を増したフロントマスクに変更され、バックドアのスペアタイヤを廃止したことで現在のSUVに近いスタイルになったからです。エンジンは166馬力/22.9㎏mの2.4L直4、グレードはXGのみというシンプルな構成ですが、専用の内外装を採用し装備も充実させた特別仕様車、Xアドベンチャーやランドブリーズもリリースされました。中古車相場は50万円程度から150万円オーバーまでと幅がありますが、100万円前後の車両も少なくないので探しやすいと思います。
フルタイム4WDながら副変速機やセンターデフロック機構を備え、5速MTも用意されるなどクロスカントリー4WDとしての性能も持つSUVは今や希少。燃費はそれなり(JC08モード燃費で9.6〜10.6km/L)ですが、最新SUVとはひと味違う、硬派な乗り味をぜひ楽しんでみてください。
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No.2 コンパクトSUV「スズキ SX4 Sクロス」2代目 2015〜20年式
2007年に登場した初代SX4は1.5L直列4気筒エンジンを搭載したコンパクトクロスオーバーモデルで、ハンガリーで生産される輸入モデルでした。2015年に発売された2代目はSX4 Sクロス(以下、Sクロス)に改名しボディを拡大。エンジンも1.6Lとなり、居住性も向上したCセグメントのSUVに成長しました。なお、Sクロスも初代同様ハンガリー生産車です。
ボディサイズは全長4,300mm×全幅1,765mm×全高1,575mmで、3代目エスクード後期型と比較すると全長は同一、全幅は45mm狭く全高は120mm低いものでした。ちなみに4代目エスクードはこのSクロスと基本ボディを共用しているため全幅と全高は近い数値になります。駆動方式は、オートとスポーツ、スノー、ロックの4モードを備えた4WD、オールグリップを採用。雪道などではクラストップレベルの走破性を発揮します。ボディが1,210kgと軽量なこともあり、117馬力/15.4kgmの1.6Lエンジンと7速マニュアルモードを備えるCVTによる軽快な走りも魅力です。
初期型のSクロスがおすすめの理由は、スタイリングはややおとなしく、立派なグリルを持つ後期型と比較し中古車価格が抑えられているため。燃費はJC08モードで17.2〜18.2km/Lとまずまずなので、普段使いもしやすいでしょう。コンパクトSUVながら多少の悪路なら難なくこなす頼もしい1台ですが、人気の高いモデルではなかったので中古車のタマ数は少なめ。相場は70万円程度から150万円ほど。100万円前後の車両が比較的多いようです。
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No,3 軽SUV「スズキ ジムニー」3代目 後期型 2004〜18年式
初代の登場以来、世界最小のクロスカントリー4WDであり続けるのがジムニー。1つのモデルを長く生産するため、50年以上が経過した現行モデルはまだ4代目です。発売以来人気が高い現行型は中古車価格も高騰しているため、おすすめするのは先代の3代目。中古車の台数が多く、100万円以下でも過走行でない車両を見つけられるでしょう。
64馬力/10.8kgmを発揮する658cc直列3気筒ターボエンジンを搭載し、トランスミッションは5速MTと4速ATを組み合わせていますが、JC08モード燃費は13.6〜14.8km/Lと30km/Lを超えるセダン系モデルと比較して、かなり劣るのはしかたのないところ。4WDはパートタイム式で、2004年の改良でトランスファーの切り替えがレバーからスイッチ式のドライブアクション4×4になりました。悪路や雪道以外では4WDを使う機会は少ないでしょうがより使いやすくなったため、この2004年の改良モデル以降がおすすめです。なお、悪路走破性は今でも一級品ですが電子制御によるアシストはないため、運転者の腕が試されます。
軽自動車ということもあり前席の居住性は現行型と大きな差はありません。ただし後席はやや狭めで、荷室の使い勝手も劣ります。一方、インテリアの造形は現行型よりも乗用車ライクなもの。丸みを帯びたエクステリアは今でも個性的で、角張った現行型とは違う個性があります。古さを感じさせないのも魅力といえます。
おすすめする2004年以降のモデルの中古車相場は、20万円台から200万円オーバーと幅があります。ただし高価格なモデルはカスタムが施されているものが多いので、ノーマルの車両は100万円台前半くらいまでとなるようです。
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筆者のおすすめの一台はこれだ!
コンパクトSUV「ジムニーシエラ」3代目 2014〜18年式
3代目ジムニーのフェンダーを広げ、大型バンパーを装備し、88馬力/12.0kgmの1.3L直列4気筒NAエンジンを搭載したのがジムニーシエラです。居住性やドライブアクション4×4の悪路走破性はジムニーと変わらず、動力性能や燃費(JC08モードで12.6〜13.6km/L)の差も小さいのですが、トレッドを広げたおかげで乗り心地、安定感ともに高められています。
ジムニーシエラをおすすめする最大の理由は、2014年の改良でESP(横滑り防止装置)やトラクションコントロールが標準装備されたから。軽のジムニーにはない装備で、普段使いするのであればついていてほしい安全機能です。
この2014年以降の中古車相場は100万円前後から200万円ほどですが、ジムニー同様カスタムされた車両も多いので、ノーマルに近いモデルなら100〜160万円ほどのようです。なお、流通量はジムニーのように豊富ではなくよりマニアックなモデルなのですが、そのレアさもまたおすすめの理由の1つといっていいでしょう。
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【まとめ】数は少ないが好みにあったものを選べる
車種こそ多くないものの、歴史あるクロスカントリー4WDを持つスズキ。SUVと呼ばれるようになっても、ジムニーは独自の路線を貫いています。一方でエスクードの最新型は、共通のプラットフォームを採用するSX4 Sクロスを含め、世界的に人気のSUVに進化を遂げました。走破性を重視した硬派なジムニーか、街乗りで快適なSX4 Sクロスか、その中間的な先代エクスードか……それぞれの乗り味がありますので、好みに合った1台を見つけてください。
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※この記事は、2023年2月時点での情報で執筆しています