2021年11月25日、グループPSAジャパン株式会社は、シトロエンのBセグメント・コンパクトSUV「C3 AIRCROSS SUV（C3エアクロスSUV）」をマイナーチェンジし発売したと発表しました。本記事では、C3エアクロスSUVの変更点をまとめてお伝えします。
個性豊かで使いやすいフレンチ・コンパクトSUV
2017年にグローバルローンチしたC3エアクロスSUVは、約33万台の累計生産台数を記録したとのことです。BセグメントSUVは、どのメーカーも力を入れる激戦区。ユーザーの選ぶ目も厳しくなっています。そんな状況の中、シトロエンらしい個性豊かなデザインと、ボディサイズ以上に広く感じる室内空間やスライド機構付きリアシートの採用などの使い勝手に優れるパッケージングで、多くの人に愛されています。
ボディサイズは全長4,160mm・全幅1,765mm・全高1,630mm・ホイールベース2,605mm。3ナンバーサイズとなりますが、全長4,160mmというコンパクトサイズは、日本の道路事情にもマッチしています。
エンジンは、権威ある「エンジン・オブ・ザ・イヤー」を5年連続受賞した、直列3気筒1.2L「PureTech」ターボガソリンを搭載。最高出力は96kW［130PS］/5,500rpm、最大トルク230N･m/1,750rpmを発生。コンパクトSUVにしてはパワフルなエンジンです。トランスミッションは、6速ATを組み合わせており、小気味良い走りを愉しむことができます。なお、今回のマイナーチェンジでは、パワートレインに対しての変更はありません。
シトロエン C3エアクロスは、個性豊かなおしゃれSUVだけにとどまっていないところもポイント。シトロエンは、WRC（世界ラリー選手権）に参戦しており、厳しいモータースポーツのフィールドで築き上げられた技術が、C3エアクロスSUVにも投入されています。ラリーフィールドで培った駆動力制御、車両運動制御のノウハウを市販車に落とし込んだ「グリップコントロール」を採用。路面状況に合わせて様々なアルゴリズムを組み合わせて、エンジン出力特性やブレーキをシステムが統合制御、タイヤのグリップ力を最大限にし、トラクションを最適化し悪路走破性を高める機能を有しています。
大幅なフロントフェイスリフトを実施。ついにLEDヘッドライトを装備
（CAP）マイナーチェンジ前の「C3 AIRCROSS SUV CUIR（特別仕様車）」
マイナーチェンジ前のC3エアクロスSUVは、どちらかと言えばかわいらしさがあった（かわいい、というと語弊がありそうですが…）デザインでしたが、マイナーチェンジ後は、ちょっとコワモテの印象へと大きく変わりました。
この新しいフロントフェイスは、シトロエンの新しいデザインコードを採用したもので、先にフロントフェイスリフトが実施されたBセグメント・コンパクトカーの「C3」や後日日本市場に導入される新型Cセグメント・ハッチバック「C4」も同じです。
フロントフェイスは、シトロエンのロゴとなるダブルシェブロンからサイドにV字状に延びるクロームのラインは、上がデイタイムライトへ、下側はLEDヘッドライトへとつながっています。ヘッドライトは薄型になり、LEDランプが採用されました。マイナーチェンジ前は、いにしえのハロゲンランプを採用しており、夜間のライト点灯時には、黄色みが多い光に懐かしささえ感じたものでした。
リアデザインは大きな変更が実施されていませんが、リアクォーター部のベネチアンブラインド風の装飾が変更され、ルーフレールがブラックアウトとなって、全体的にシックさを強調したデザインへと路線変更されています。
また、アルミホイールのデザインも変更され、よりフレンチ・コンパクトSUVらしさが増しています。
内装は質感が向上。より快適になったアドバンストコンフォートシートに
基本的なインテリアデザインは変更されていませんが、質感の向上を図った小変更が加えられています。なお、C3エアクロスSUVの醍醐味といえる、「アドバンストコンフォートシート」は大きな改良が加えられています。
「アドバンストコンフォートシート」は、大きめのシートにたっぷりとしたクッションを用いて至高の乗り心地、座り心地を追求したもので、シート生地裏に特別なフォームを配しています。座り込むんだとき、柔らかなシートへの“当たり”感（グループPSAジャパンのプレスリリースの表現をそのまま流用）をよくしたもので、C5エアクロスSUVに初採用、続いてC3に採用されて好評を博しているものです。
今回のマイナーチェンジでは、シート生地裏のフォームをそれまでの2mmから15mmへと大幅にアップ。これまでにない、ふっかりとした高級ソファのような座り心地を実現しています。また、このやわらかなシートは、疲労につながる車体の微細な振動を吸収し、長時間ドライブの快適性を大幅に向上しています。
これに合わせて、シートのデザインも一部変更され、フロントシートのショルダー部分にベージュのアクセントラインと、ダブルシェブロンを並べたようなホワイトのアクセントステッチを入れています。
また、インパネにはシート生地と同じ杢グレー（霜降りグレー）のファブリックが張り込まれ、Metropolitan Graphite（メトロポリタングラファイト）と名付けられた質感の高いカラーリングで居心地の良さと、シックで現代的な雰囲気を演出しています。
さらに、センターコンソールにクローム加飾を追加、手動式のパーキングブレーキは形状変更され空いたスペースにドリンクホルダーが2つ追加されました。
新しいボディカラーを追加
マイナーチェンジに合わせて、グリーンがかったシックな「カーキ グレー」とあざやかな「ボルタイック ブルー」と「ルージュ ペッパー」をラインナップに追加し、全5色の展開となりました。
また、ドアミラーとフロントスキッドプレート、リアクォーターパネルステッカーのアクセントカラーのカラーパックは、ブラックとホワイトをラインナップしています。なお、ブラックのカラーパックでは、リアクォーターガラスに施されたストライプ模様は、車両外側から見ると鏡面仕上げ、車内からはほぼクリアに見えるという特別なコーティングを採用、後席に乗る人にも明るい室内空間と、走行中の流れる景色を楽しめるように工夫されています。
グレード構成は「SHINE」のみのモノグレードへ
マイナーチェンジ前に設定されていたエントリーグレード「FEEL」は廃止となり、「SHINE」のみのモノグレードラインナップとなりました。なお、パッケージオプションとして、新しいデザインの17インチアルミホイールとグリップコントロール（ヒルディセントコントロール付き）、パノラミックサンルーフ、LEDフロント＆リアシーリングランプ、Hi-Fiスピーカー、スノーフレークマーク付きマッド＆スノータイヤ（ブリヂストン WEATHER CONTROL 215/50 R17）のセットが用意されています。
新しくなったC3エアクロスSUVの車両価格は、293万5,000円、パッケージオプション装着車が318万円となっています。
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