自動車の安全な走行において、タイヤの状態は非常に重要です。そのことを認識しているドライバーの方の割合は少ないのではないでしょうか。タイヤは適切な空気圧によってクッションとしての役割を果たし、それによって快適に運転することができます。言い換えれば、適切な空気圧で走行しなければ運転に悪影響を及ぼし、酷い場合にはバースト事故などの原因にもなります。
ではタイヤの空気圧はどのように管理すればいいのでしょうか?この記事では、タイヤの空気圧による運転への影響なども併せて解説いたします。
タイヤの空気圧(車両指定空気圧)とは
タイヤの空気圧は、タイヤ内の圧縮空気量を意味します。「車両指定空気圧」とも呼ばれ、車両の運転席ドアの開口部や給油口の蓋の裏などに添付されたシールに記載されています。同じ車種でもタイヤサイズや積載時の重量バランス、乗車人数、高速走行時などによって異なるケースがあります。
また、空気圧は時間とともに減っていきます。タイヤのトレッド面の溝、サイドウォールなどへの損傷の有無は走行前に点検するのが望ましいでしょう。このほか、空気圧と残り溝の点検は月に1度以上が推奨されています。空気圧に関してはエアバルブに取り付けるTPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)を使えば、任意のタイミングで確認することができます。
(引用元:https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-inspection/subcategory-tire/faq203)
タイヤが適切な空気圧でなければ何が起きる?
タイヤは、ホイールの外周に取り付けられたゴム製のクッション層になります。そしてそのクッション性(柔らかさ)を決めるのが空気圧です。つまり空気圧の差によってタイヤによる走行性能や特性が変化することになります。
空気圧が低すぎる場合
空気圧の低すぎによる影響はおもに4つです。
第1にハンドルが取られやすくなることです。空気圧が低くて柔らかい状態のタイヤは横方向へ変形しやすくなります。また小さな凹凸に対して、変形し高いグリップ力を発生させます。横Gや片輪だけ何かに乗り上げた際に大きく姿勢を乱し、ハンドルを取られてしまいます。
第2に発熱によるタイヤの劣化です。タイヤは回転するたびに曲げ伸ばしの変形が発生します。この曲げ伸ばしによりゴムの組織が摩擦熱を発するようになり、空気圧が低くいほど曲げ伸ばしの幅が大きくなるため発熱し、この熱によってゴムが劣化します。
第3にパンクしやすくなります。発熱によってタイヤが劣化することで脆くなり、空気圧が低くてタイヤが柔らかい場合、尖ったものに乗り上げた際にタイヤが変形しめり込みやすくなるため、パンクのリスクが上がります。また、高速走行において、タイヤが変形し波打つ「スタンディングウェーブ現象」が発生し、バーストするリスクが上がります。
最後は燃費の悪化です。タイヤが変形しやすくなるということは、タイヤの接地面積が広がることを意味しています。これにより、通常以上のグリップ力が発生します。グリップ力は地面との摩擦抵抗でもあるため、抵抗が増えた分燃費が悪化します。
空気圧が高過ぎる場合
空気圧が高過ぎる場合はどうなるでしょうか?高過ぎる場合の影響はおもに3つです。
第1にクッション性低下による乗り心地の悪化です。タイヤが必要以上に硬くなるため、小さな凹凸に対しての変形量も少なくなり、その振動や衝撃(ゴツゴツ感)が車内に伝わり、乗り心地を悪化させます。
第2にタイヤの寿命の低下です。タイヤはゴムでできています。高い空気圧を加えると膨らむ形で変形します。タイヤの接地面は中央が飛び出した状態になり、走行時はこの中央部だけを使用して走行することになり摩耗(タイヤがすり減ること)も速まります。また、狭くなった接地面積だけで走行することになるのでグリップ力の低下にもつながります。空気圧過多による偏摩耗が「センター摩耗」、逆に空気圧不足による偏摩耗が「両肩べり摩耗」となります。中古車を見るときには、タイヤの偏摩耗があるもの=適切な整備を怠った車両、と判断できます。
第3にタイヤが傷を受けやすくなります。クッション性が無い=柔軟性が失われている、ということです。サイドウォールへの接触に対しても柔軟な変形をすることはできません。変形して避けられなかった分、結果としてゴムが削られてしまい傷になります。
自分のタイヤの空気圧を点検する方法
空気圧点検はタイヤが冷えた状態で指定の空気圧かどうかを確認します。タイヤは走行することで変形し発熱します。温められたタイヤ内の空気は熱で膨張して圧力が高まるため、この状態では正確な空気圧として計測できません。また、車両によっては先に述べたTPMSによって空気圧を計測し、異常があった場合に知らせてくれるシステムもあります。
エアバルブのキャップを外し、エアゲージで測定
まず現状の空気圧を測定します。通常であれば、指定空気圧より若干低い程度です。
指定空気圧と各タイヤの空気圧測定結果の比較を行い、明らかに低い数値となったタイヤがある場合、パンクやエア漏れしている可能性があります。
メーカー指定の数値の+10%以内にとどめる
タイヤへの圧縮空気は、ガソリンスタンドなどで専用のコンプレッサーを使用し、充填します。近年ではスペアタイヤの代わりに応急用パンク修理キットが搭載されており、その中にシガーソケット電源で動くタイヤ用エアコンプレッサーもあります。
入れる空気の量ですが、特に理由が無ければ指定空気圧+10%の範囲内にします。上述した通り、空気圧が高すぎてもデメリットが発生するためです。
エアバルブのキャップを取り付けて完了
空気を充填したら、最後はエアバルブのキャップを付けて終了です。ちなみにバルブもゴムでできているので、劣化によるヒビ割れによってエア漏れを起こすことがあります。パンクやバルブからのエア漏れに関しては、タイヤごと水槽に付けて気泡が出てくるかを確認する方法があります。
ですが、パンクと疑わしい場所がある程度分かっている場合や、バルブのみを確認したい場合、その場所に石鹸水を塗って新たな気泡が出てくるかをチェックすることでエア漏れを確認することができます。
セルフメンテナンスが難しいときはプロに相談を
タイヤの空気圧を含めた点検というのは日常点検の項目の一つであり、ドライバーであれば点検しておきたいところです。しかし実際には、エアゲージやエアコンプレッサーが必要となるため、そういった工具を揃えるのは手間がかかります。また、日常点検の項目はタイヤ以外にもあるため、プロに任せるのが安心です。
そこでおすすめなのが、「カープレミアガレージ」です。
「カープレミアガレージ」は、国家整備士が国産全メーカーの全車種に対応しており、中古部品を利用したエコ修理もご提案しています。タイヤの空気圧は給油時にSSで点検してもらうことが一般的ですが、その他の気になる箇所の確認も一緒にできる点も魅力のひとつです。
まとめ
違和感なく走行できてしまうため、タイヤの空気圧を気にしない人も多いですが、タイヤの空気圧は確実に減っていきます。また、空気圧調整が面倒だからと多めに入れすぎてしまうこともあります。
タイヤの空気圧は過不足どちらにもデメリットが存在するため、プロに依頼することをおすすめします。特に空気圧不足による燃費悪化は2~4.5%程度あり、これは150円/Lのガソリンをさらに4~7円高く買っているのと同等です。
タイヤの空気圧は日常点検で月に1度程度、他の点検項目も含めてまとめてプロに依頼し、アドバイスをもらうのがおすすめです。「カープレミアガレージ」なら、国家資格を持った整備士が点検整備を実施するため安心です。ぜひ、ご検討ください。