世界中で愛されている日産のスポーツカー、フェアレディZ。2008年に登場した6代目(Z34型)は“Zらしさ”を継承しつつ、時代に沿った新しいデザインや新しいパフォーマンスを備えたスポーツカーとして開発されました。この6代目フェアレディZについて解説します。
【サマリー】逆風下に登場した希少な大排気量の国産FRスポーツカー
ミニバンやSUVが大人気だった2008年、排気量3L以上のハイパフォーマンス、しかもFRの国産スポーツカーとなるともはや風前の灯火状態でした。そんな逆風下に登場した7代目フェアレディZ(Z34型)。国内のファンの数は減ったとはいえ、フェアレディZを愛する人々は世界中に存在します。こうした人々に向け、たとえ販売台数は厳しくとも進化を続けました。2022年には新型へと無事バトンタッチを果たすことができそうです。
【外観スタイル】初代Zを彷彿させるロングノーズ&ショートデッキ
先代(Z33型)より100mmも短いホイールベースに、初代Zを彷彿させるようなロングノーズ&ショートデッキのボディが与えられています。ワイドトレッド化に伴い、先代と比べてフェンダーも大きく張り出し、力強さが増しました。オープンカーのロードスターはソフトトップが採用され、クーペ同様のスタイルを実現しています。クーペの3サイズは全長4,250mm×全幅1,845mm×全高1,315mm。
【インテリア】スポーツカーに乗っているという高揚感のあるインテリア
ドライバーとの一体感が追求されたコックピット。中央の速度計を奥へ配置してメーターパネルを多層化することで視認性を高めています。またセンタークラスターの上に3連サブメーターを配し、スポーツカーテイストを演出。上級グレードでは本革×スエードを素材とするオレンジのスポーツシートがドライバーの気分を高めてくれます。
【走り・燃費】7速ATと、シンクロレブコントロール付の6速MT
デビュー時に搭載されたエンジンは最高出力336psを発揮する3.7LのV型6気筒。これに変速時のエンジン回転数を最適に制御してくれるシンクロレブコントロール付き6速MTか、7速ATが組み合わされます。デビュー時の燃費は9.5〜9.8km/L(10・15モード)。
【安全装備】衝突被害軽減ブレーキの設定はなし
車体姿勢制御システムのVDCや運転席・助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグなどが装備されます。衝突被害軽減ブレーキの設定はありません。
【グレード構成】性格の異なるグレード、よりスポーティなNISMOも用意された
デビュー時のクーペのグレード構成は、ベースグレードとラグジュアリー系のバージョンT、スポーティ系のバージョンS、SとTの両方を兼ね備えたバージョンSTの4つ。バージョンTは7速ATのみ、バージョンSは6速MTのみとなります。
2009年6月にはオーテックジャパンが手がけたスポーティグレードの「バージョンNISMO」が追加されました。3.7L V6の最高出力が+19psとなる355psに高められたほか、ヤマハ社製パフォーマンスダンパーの採用や補強パーツ、専用エアロパーツなどが採用された、スポーツドライビングが楽しめるモデルです。
同年10月にはオープンカーのロードスターが追加されました。グレード構成はベースグレード、バージョンT、バージョンSTの3グレードとなります。
【マイナーチェンジ&改良一覧】10年以上、ずっと進化の歩みを止めなかった
先代にあたる5代目のZ33型は、マイナーチェンジなどで最終的には最高出力313psの3.5L V6エンジンが搭載されました。6代目のZ34型はその進化の歩みを止めることなく、新たに最高出力336psを発揮する3.7L V6エンジンを搭載してデビューしました。
トランスミッションは6速MTのほか、Z33の5速ATに対し7速ATが用意されました。またハンドリング向上のためホイールベースを100mm短縮。さらにZ33に対し約100kgの軽量化(安全基準を満たす装備追加で相殺)が行われました。
2009年6月にはZ33同様、スペシャルモデルのバージョンNISMOが、同年10月にロードスターが追加されました。
2010年11月に一部仕様変更が行われ、バックビューモニターが設定されました。
2012年7月:マイナーチェンジ ワイド&ロースタイルを強調
初のマイナーチェンジではワイド&ロースタイルを強調するフロントバンパーに変更されました。合わせて走行性能の向上が図られ、ショックアブソーバーにユーロチューンドサスペンションや耐フェード性能の高いブレーキパッドが採用されています。
2013年6月にバージョンNISMOの名称が「NISMO」のみに改められ、翌2014年7月にはマイナーチェンジが行われました。エクステリアデザインの変更のほか、前後のダウンフォースバランスの最適化が図られています。またインテリアでは専用レカロ製スポーツシートが備えられました。
同時に他グレードの一部改良が行われ、静粛性が高められたほか、サスペンションの改良で日常域での乗り心地や取り回し性の向上が図られています。
なおロードスターは2014年9月分の受注をもって生産が終了しました。
2015年7月以降:たびたび一部仕様変更等が行われている
2015年7月にオプションのBOSEサウンドシステムにアクティブサウンドコントロールとアクティブノイズコントロール機能が追加されました。
2016年8月には同社の純正カーナビゲーション「カーウイングス」がNISMOとバージョンST、バージョンSに標準装備されました。
2017年7月には6速MT車に踏力が軽く、半クラッチもしやすいクラッチペダルが採用されたほか、車内からバックドアを開けられるスイッチが追加されました。
【フェアレディZのおすすめモデル#1】ロードスター バージョンST
フェアレディZというクルマをどう解釈するかによって選ぶモデルが変わるでしょうが、逆にいえば、それだけ多くの人々の志向に合わせられる、懐の深いスポーツカーということ。例えば海沿いを気持ち良く走る、なんていうラグジュアリーなスポーツカーとしてもフェアレディZはピッタリはまるモデルがあります。
それがロードスター。やはり屋根の開くロードスターのほうが、気持ち良く駆けることができるはずです。中でもおすすめはロードスターの最上級グレード、バージョンST。
青空の下、海でも山でも屋根を開ければ爽快ですし、ワインディングでは思い通りのラインでアクセルを踏んでいけます。心地のいい本革シートに座ってお気に入りの音楽をBOSEサラウンドシステムで奏でれば、さらに気分が高まるでしょう。
【フェアレディZのおすすめモデル#2】6速MT搭載車
大排気量のFRスポーツカーを操る醍醐味を味わいたいのであれば、グレードを問わず、6速MT搭載車を狙ってはいかがでしょうか。
電動化が進む中、MT車はますます数が少なくなってきました。しかも大排気量でFRとなると、すでに新車ではごく限られたモデルしかありません。フェアレディZの6速MT車もそんな希少なモデルのひとつです。
シンクロレブコントロール機能の備わるフェアレディZの6速MTは、ワインディングでギアを1つ落とす度に、まるでダブルクラッチを決めたかのように「フォン!」と心地よいエンジン音が響きます。その音を聞く度に、クルマを操っているという高揚感に包まれるでしょう。
若いころはダブルクラッチの習得に時間を費やしたとか、憧れていたけれどなかなかできなかったなぁ、なんて人にはうってつけだと思います。
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【まとめ】大排気量FRスポーツカーとしての功績は語り継がれるべき
一時は消滅も危惧されたフェアレディZですが、間もなく新型へとフルモデルチェンジを果たせそうです。10年以上、国産の大排気量FRスポーツカーとしての重責を担ってきた同車の功績、進化の歩みは、後年きっと語り継がれるはず。そんな今後の名車を今のうちに手に入れてみませんか。