クルマの購入費用を抑えるために、割安な価格の「修復歴車」に興味のある方も多いでしょう。しかし、修復歴車とはどのような意味なのか、しっかり理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回は、修復歴の定義や購入のポイントを紹介します。リスクも解説するため、購入の前にしっかり確認しておきましょう。最後には、修復歴のない安全な中古車をお得に購入する方法も紹介します。
「修復歴あり」とは？
中古車における「修復歴」とは、骨格（フレーム）部分を交換・修復（修正・補修）した記録であり、修復歴のあるクルマを「修復歴車」と呼びます。これは自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会、日本中古自動車販売商工組合連合会による統一された基準です。ここでの「骨格」とは、サイドメンバー・クロスメンバー・ダッシュパネルなど8ヵ所を指します。
引用元：Step08【修復歴の考え方】 (jaai.com)
つまり、修復歴車＝事故車ではありません。例えば事故が起きても、塗装やフロントバンパーの交換のみで修復できた場合には、修復歴には該当しないためです。一方で同じ規模の事故でも、上記の骨格部位を修理している場合には修復歴車となります。
中古車を買取査定に出す際は修復歴を伝える義務があり、修復歴を隠すと告知義務違反として瑕疵担保責任を負うことなることがあるため注意しましょう。また、販売店も修復歴を公開する必要があるため、中古車を購入する際には、修復歴の有無と程度をしっかり確認することが大切です。
費用を抑えるなら軽度の修復歴車を検討
修復歴車を選択肢に含めることで、人気の車種を安い価格で購入できる可能性があります。ただし、修復歴の度合いは車体によって大きく異なるため、価格だけを見て購入しないようにしましょう。
修復歴車選びのポイントは、骨格の損傷の程度を見極めることです。事故による骨格の損傷がひどい場合には、修理をしていても安全性が劣ることがあります。最近の修理技術は向上しているものの、修復歴のないクルマと比べると安心感は劣るでしょう。
一方で、走行性能や安全性に影響の少ない部位の修復で済んでいる修復歴車であれば、多少リスクは減ります。
修復歴車を購入する場合には、販売店とのコミュニケーションが重要となります。事故や修復の程度について明確な表記があり、販売店にとって都合が悪いことでも説明してくれる業者を選びましょう。特に、修復された箇所が原因で起きる不具合の可能性について説明をきちんとできるかどうかは重要な判断ポイントです。修復歴の表示があいまいだったり、質問への明確な回答を避けられたりなどした場合は避けた方が無難です。価格の数字だけに惹かれて購入しないようにしましょう。
修復歴ありのクルマは購入しない方が安心？
リーズナブルな価格に惹かれて修復歴車を検討している方も多いでしょう。しかし、先述の通り価格だけで修復歴車を購入するのは走行性能や安全性能の低下などの不安要素があるためリスクが高くなります。修復歴車を購入するメリットとデメリットを確認しておきましょう。
修復歴車を購入するメリット・デメリット
修復歴車には、メリットとデメリットがあるため、両面を見てから検討しましょう。
メリット①購入価格を抑えられる
修復歴車は、同じ年数が経過した同様の車種に比べると、数万円～数十万円ほど価格が下がります。状態の良い修復歴車が見つかれば、リーズナブルな価格でワンランク上の車種に乗れる可能性もあります。
デメリット①走行性能や安全性能に不安がある
1つ目のデメリットは、走行性能や安全性能に関しての不安要素が多いことです。修復歴車とは、先述の通りクルマの動きを支えたり、搭乗者を守ったりする骨格部分を修理したことのあるクルマです。例えば、足回りなどの複雑な部品に対して修理を行った場合、ダメージが残っていて走行性能が低下している可能性は十分あり得ます。修復歴車とはいえ、車検残のあるクルマを除けば、販売店や車検時の安全基準を満たすクルマのみが販売されていますが、修復歴のないクルマと比べると不安要素が大きいです。修理技術は向上しているものの、ハンドルをとられることや足回りからの異音などが発生するリスクは高まるでしょう。
事故による修復歴の内容は、販売店が明記する必要があります。また、最近は第三者機関による車両状態評価書を開示する販売店も増えました。しかし、修復歴の記載がない様な悪徳業者もあるため、誤って状態の悪い修復歴車を購入することになってしまわないために試乗をしたり、詳しい人から助言をもらったりなどして注意をしましょう。
デメリット②修理費用が割高になる可能性がある
2つ目のデメリットとして購入後の修理費用が割高になることがあります。「安い価格に惹かれて修復歴車を購入したのに、調子が悪くて結局修理の手間や費用がかかってしまった」という可能性も考えましょう。
修復歴車購入は慎重に検討
自動車公正取引協議会の加盟店は、修復歴の表示が義務化されています。多くの販売店が加盟しているため、基本的には表示があると考えて良いでしょう。また、中古車のマーケットではカスタマーファーストでの表示が推奨されています。ウェブメディアや店頭の資料などにおいて、修復歴や走行距離などの情報をくわしく明記する販売店が増えているため、表示内容が少ない、あるいはあいまいな表記をしている販売店は避けるのが賢明です。
近年は、ビデオ通話やチャットでの相談が可能な販売店もあるため、積極的に活用し、
価格だけで決めるのではなく、販売店とコミュニケーションをとりながら慎重に検討しましょう。
中古車購入はカープレミアが安心
修復歴車の購入には、多くの懸念点がありますが、保証を付けることで安く安心して購入することができます。
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まとめ
修復歴車は安く購入できるものの、走行性能や安全性能に不安要素があるのも事実です。そのため、修復歴車を購入する際には販売店が明確な表示や説明をしているか慎重に確認しましょう。価格だけで購入すると、リスクの高いクルマを購入してしまうことがあります。
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