「アウディ A3スポーツバック(2代目・2013〜2021年)」スポーティなプレミアムコンパクトのパイオニア【人気モデル購入徹底ガイド】

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アウディの人気プレミアムコンパクトモデルであるA3スポーツバック。Cセグメントにおいては日本でも高い人気を誇り、アウディの基幹モデルでもあります。ここでは、プラットフォームから刷新されスポーティ感を高めた、2代目A3スポーツバック(A3としては3代目)の特徴を紹介しましょう。

【サマリー】MQBプラットフォームで生まれ変わった

アウディのエントリーモデルとしてプレミアムなコンパクトカーというジャンルを築き上げたA3。3代目は2012年のジュネーブショーでワールドプレミアされ、日本には2013年の9月に導入されました。

先代までとは変わり、日本では5ドアハッチバックの「A3スポーツバック」と4ドアセダンの「A3セダン」のみを販売。A3スポーツバックとしてはこのモデルが2代目となります。VWゴルフなどにも使われた、最新プラットフォーム「MQB」が採用されました。

【外観スタイル】ボディ長よりもホイールベースを拡大

ボディは先代よりも少々大型化し、全長が従来比+35mm。対してホイールベースは+60mmと、ボディよりも大きく拡大しました。このことは、室内スペースの拡充にももちろん役立っていますが、前後オーバーハングが短縮され4つのタイヤがよりボディの四隅に近づいたということでもあります。先代よりもタイヤの踏ん張り感が強い、躍動感のあるデザインだと言えます。

軽量化にもこだわった3代目A3は、アルミの得意なアウディらしく先進的なアルミハイブリッド構造を採用しました。ボンネットとフェンダーにアルミを、キャビンにはスチールを用いることにより、従来比60kgの軽量化を実現しています。

【インテリア】シンプルかつスポーティなインテリア

ダッシュボードのセンタークラスター部をドライバー側に傾けたドライバー優先のデザインを採用し、スイッチ類はわかりやすく少なくまとめられたシンプルなインテリア。

エアコンのレジスターはジェットエンジンをモチーフにした丸型デザインとなり、スポーティな印象を与えます。ダッシュボード上部に飛び出た7インチのモニターには、MMIナビゲーションとインターネット接続を可能にしたアウディコネクトが搭載されました。

【走り・燃費】駆動方式でエンジンとギヤ数が異なる

エンジンはすべて直噴ターボとなり、デビュー時に4種類用意されました。1.4Lの4気筒ターボエンジンは122馬力と140馬力の出力違いで2種類。1.8Lターボの上位グレードと、最上級に2LターボのS3がラインナップしています。

1.4Lには7速のDCTが組み合わせられ、駆動方式はFF。さらに140馬力仕様には、気筒休止機能のシリンダー オン デマンドが備わりました。1.8LとS3はともに四輪駆動のクワトロとなり、こちらには6速のDCTが与えられています。

【安全装備】デビュー当社からACCを設定

まだ先進運転支援システム(ADAS)とは呼ばれていなかった時代でしたが、このモデルにはドライビングアシスト機能が用意されていました。アダプティブクルーズコントロール(ACC)と、ブレーキガードがその機能ですが、これらはオプションで設定されています。

【グレード構成】3種のエンジンで分けたグレード構成

発売当初のグレード構成は、エンジンラインナップ同様に4種類が用意されました。1.4Lエンジンには、1.4 TFSIと1.4 TFSI with COD。1.8Lは1.8 TFSI クワトロ、2LはS3スポーツバックとなっています。ハイパフォーマンスモデルのRS3やプラグインハイブリッドなどは、後々の追加モデルとして登場します。

登場時の価格は、1.4 TFSIが308万円、1.4 TFSI with CODが347万円、1.8 TFSI クワトロが393万円、S3は544万円にそれぞれ設定されていました。

【マイナーチェンジ&改良一覧】マイナーチェンジの前後ではADASが違う

アウディの他モデル同様、3代目のA3も毎年年次改良が行われています。マイナーチェンジは2017年に行われますが、この1回のみ。ADASが進化し、少々のデザイン変更も行われました。MC後のモデルを狙うのなら、2017年以降に複数回登場した限定車を見てみるのもいいでしょう。好みの仕様が見つかれば、装備の充実した限定車もおすすめです。

人気のオプションだったACCを標準化

初の一部改良は2014年8月に実施。これまでオプション設定だったブレーキガード付きACCが、1.4 TFSI with CODと1.8 TFSI クワトロに標準装備化されました。内外装をスポーティに仕立てるSラインパッケージと、LEDライトパッケージ(ヘッドライト&ルームライト)が新たにオプションとして加わっています。

さらに、スポーティモデルのS3は最高出力を5馬力向上し、285馬力となりました。価格は、1.4 TFSIが320万円、1.4 TFSI with CODが368万円、1.8 TFSI クワトロが415万円、S3は568万円へとそれぞれ変わっています。

PHEVとRS3が追加で登場

2015年10月には印象的なモデルが2車種追加されました。PHEVのe-tronと、ハイパフォーマンスモデルのRS3です。

アウディ初のPHEVとしてデビューしたA3スポーツバックe-tron。1.4Lの直噴ターボに最大トルク330Nmを発生する電気モーターを組み合わせ、0→100km/h加速7.6秒という快速ぶりと、JC08モード燃費23.3km/Lという低燃費性能を両立しました。EV走行は52.8km/hまで可能で、価格は564万円で販売されました。

ちなみにアウディのPHEVは、このA3が2022年現在、最初で最後のモデルとなっています。ご存じの通りe-tronという名称は、PHEVではなくBEV(電気自動車)が名乗るようになりました。

A3シリーズの中では別格級のハイパフォーマンスマシンRS3は、登場当時すでにインターナショナル・ ンジン・オブ・ザ・イヤーを5年連続で受賞していた独創的なユニットの、2.5L直列5気筒直噴ターボを搭載しました。

367馬力/465Nmを発揮し、電子制御の油圧式多板クラッチを用いた専用セッティングのクワトロ(4WD)システムで駆動。0→100km/h加速は4.3秒という、当時クラス最速の性能を備えていました。

内外装ともに専用デザインが与えられるRS3は、ほかのA3と比べてもひと目でわかる迫力を持ち合わせています。外装ではフロントグリルやリヤディフューザー、各種エアロパーツはもちろんのこと、専用にフェンダーまでもがワイド化。

インテリアでは専用品の採用がシートやステアリングホイールだけにとどまらず、シフトレバーやメーターパネルにまで及びます。スポーティというより、レーシーと表現したほうがいいと思わせるほどの装備が与えられ、価格は756万円で販売されました。

最新のADASを備えマイナーチェンジ

2016年には、限定車が1種類出たのみで改良はゼロ。その代わり、2017年1月にマイナーチェンジが待っていました。

外観は大きな変化はないものの、ヘッドライト形状をより複雑な形状へと変えるなど、各部はエッジを立てたデザインへと変更。よりシャープなイメージに仕上がっています。そしてこのマイナーチェンジの最大のトピックがADASの充実でした。

アウディ プレセンス フロントと呼ばれるレーダーセンサーによる常時監視を行うADASが、全グレードに標準装備となりました。改良点は、車両だけではなく歩行者も検知して緊急時に自動ブレーキが介入する点。そしてACC作動時に作動する、レーンキープ機能もオプションで選択できるようになりました。65km/h以下の渋滞時にアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作を代行してくれる、トラフィックジャムアシストも追加されています。

ほかには、クワトロモデルの1.8Lが2Lの新エンジンへと置き換わったり、S3も含めたクワトロ搭載車のトランスミッションが7速化したりと、メカニズム系もアップデートされました。

約5ヵ月後の同年6月にはRS3もマイナーチェンジを受け、400馬力/480Nmにまでパワーアップを果たしました。価格は1.4 TFSIが293万円、1.4 TFSI スポーツが329万円、2.0 TFSI クワトロが399万円、2.0 TFSI クワトロスポーツが429万円、S3が606万円、RS3が767万円にそれぞれ設定されました。

この後A3シリーズは大きな変更がなく、一部仕様変更が2018年9月に1回だけ実施されました。この変更は、レザーシートにブラウンが追加されたことと、S3のリアシートが3分割の可倒式へ変更された程度の小変更にとどまり、グレード体系やパワートレインなどの変更もありませんでした。あとは、2021年4月の4代目(スポーツバックとしては3代目)発表まで限定車と特別仕様車が数台登場しています。

【A3スポーツバックのおすすめモデル#1】オプションのセーフティパッケージが付いた後期型

2017年のマイナーチェンジを境にモデルライフを前期と後期に分けた場合、おすすめは後期モデルとなります。理由はADASの充実度です。

アウディは、世界のどのブランドよりも先駆けて自動運転のレベル3を成功させた、自動運転技術においてトップの実力を持つメーカーです。そのアウディが当時最高の技術をA3にも反映させ、トラフィックジャムアシストなどの最先端ADASを設定しました。

2017年以降のA3であれば、このトラフィックジャムアシストを含む「セーフティパッケージ」を装着している個体が選べます。前期型に比べれば価格は少々高めになり、個体数も圧倒的に少なくなりますが、後期モデルは積極的に狙いたいほどの魅力を持っていると言えるでしょう。

【A3スポーツバックのおすすめモデル#2】エンジン搭載のRSモデルは今のうちに

アウディのRSモデルといえば、メルセデスのAMGやBMWのMのように、クルマ好きなら一度は憧れるハイパフォーマンスブランド。RS3もこのシリーズに属するモデルで、ノーマルグレードとはやはり一味も二味も違います。特に、インターナショナル・ ンジン・オブ・ザ・イヤーを何年も連続で受賞している直列5気筒エンジンのハイパワーぶりには目を見張るものがあります。

前期と後期に分けると、馬力の違いは多少出てきます。しかし持ち味の圧倒的な加速感や、走行性能の高さはどの世代でも十分。ADASの有無など、装備の違いは好みで選んでいいでしょう。

今後アウディは100%BEV化するとアナウンスしていますので、気持ちのいいエンジンが味わえるRSモデルも、買えるうちに買っておきたいものです。

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【まとめ】グレード問わず楽しめる走行性能が魅力

A3スポーツバックは日本でも人気の高いモデルなので、世代問わず個体数は多めにそろっているのが特徴です。FFとクワトロの2種類の駆動方式が選べますが、グレード問わずスポーティな走りが楽しめることも運転好きな人にとっては魅力のひとつでもあります。中古車を購入する際にはA3スポーツバック全体から探すのではなく、FF/クワトロ/S3/RS3の4種に分けた中で、まずは狙いを定めてから選ぶと好みの個体が見つけやすくなるでしょう。

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