現在販売中されている日産の軽自動車全6モデルの最新情報を、スペック・価格の一覧表と併せてお伝えします。
日産の新型軽自動車の特徴と傾向
日産の軽自動車は、日産と三菱の合弁会社「NMKV」が開発しています(OEMを除く)。現行モデルの開発の主体は日産。日産はNMKVを設立するまで軽自動車の設計に関わったことがありませんでした。このため、日産が主体となって開発されたデイズとルークスは、登録車(いわゆる普通車)の基準で設計が進められたため、その仕上がりは軽自動車の枠を超える、登録車品質の出来栄えと高い評価を受けています。
日産が世界に先駆けた量産EVリーフで得た知見と、三菱のアウトランダーをはじめとするかつてからの電動車技術がマリアージュして誕生したのが、軽EV「サクラ」。EVシフトの渦中で注目が集まっています。詳しくは、日産 サクラ、三菱 eKクロス EV は本当にゲームチェンジャーになったのか?【カープレミア編集長のEV談義Vol.8】の記事をご覧ください。
スーパーハイトワゴン「ルークス」
ルークスは日産の先進予防安全技術を惜しみなく搭載したスーパーハイトワゴン。オプションで、運転支援技術「プロパイロット」も設定。現行モデルは日産が開発を主導していることもあり、登録車(いわゆる普通車)基準で見ても遜色のないモデルに仕上がっています。デイズとは姉妹車の関係でパワートレインやプラットフォームなどの基本設計は同じです。1年ほど先にデイズが発売されています(現行モデル)。
デイズと比較すると車両重量が重たい分(スライドドアは重たくなる)、乗り心地は重厚になります。
●2009年9月
初代「ルークス」発売。スズキ パレットのOEMモデル。スズキが日産へOEM供給する直前に、パレットのCVTをジヤトコ(日産のグループ会社)製に換装している。
●2013年3月
初代ルークス販売終了。
●2014年2月
2代目に相当する「デイズ ルークス」発売。日産と三菱の合弁会社「NMKV」が開発、製造は三菱。開発の主導も三菱。三菱の姉妹車は「eKスペース」。
●2016年12月
マイナーチェンジ。フェイスリフトを実施しグレード体系を見直した。女性向けグレード「ボレロ」を設定。
●2020年3月
通算3代目「ルークス」発売。初代「デイズ」発売。NMKVが開発、製造は三菱。開発の主導は2代目デイズ ルークス同様三菱。開発の主導は日産。車名は初代と同じ「ルークス」に。2代目デイズより約1年遅れてデビューしている。
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トールワゴン「デイズ」
ルークスと基本設計は同じでデイズは、後席ヒンジドアのトールワゴン。ボディ形状の違い以外の特徴はルークスと同じです。
ルークスよりデイズのほうが車高が低く、車重が軽いため、走りの気持ちよさはデイズのほうが1枚上手です(ルークスが悪いという意味ではない)。
「デイズ」年表
●2013年6月
初代「デイズ」発売。NMKVが開発、製造は三菱。開発の主導は2代目デイズ ルークス同様三菱。標準モデルと「ハイウェイスター」の2モデル体制。2代目ルークスと基本設計は同じ。デイズのスーパーハイトワゴンが「デイズ ルークス」の位置付け。三菱での姉妹車は「eKワゴン」と「eKカスタム」。
●2015年10月
マイナーチェンジ。フロントグリルなどを新デザインにした。軽自動車初のロービーム・ハイビーム自動切替「ハイビームアシスト」を搭載。
●2019年3月
2代目へフルモデルチェンジ。NMKVが開発、製造は三菱は先代と変わらないが、開発の主導は日産。電動化に対応するプラットフォームを新たに開発し、後にデビューするサクラの元となるモデルとなる。
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「デイズ」「ルークス」スペック比較一覧表
車名 | ルークス | デイズ | |
---|---|---|---|
タイプ | スーパーハイトワゴン | トールワゴン | |
全高 [mm] | 1,800 | 1,650〜1,670 | |
後席ドア | スライド | ヒンジ | |
燃費* [km/L] | 19.0 ~ 17.5 | 23.3 ~ 19.4 | |
エンジン型式 | S07B | ← | |
NA | 最高出力* | 38[52]/6,400 | ← |
最大トルク* | 60[6.1]/3,600 | ← | |
ターボ | 最高出力 | 47[64]/6,000 | ← |
最大トルク | 104 /2,400-4,000 | ← | |
トランスミッション | CVT | ← | |
駆動方式 | FF(前輪駆動)・4WD | ||
価格(最安〜最高) | 143万3,000円〜216万3,700円 | 133万2,100円〜190万7,400円 |
EV・トールワゴン「サクラ」
サクラは待望の軽EVとして300万円を切って登場、発売するや否や注文が殺到しました。発売直後では、国と自治体のEV補助金を併せて最安130万円台でサクラが買えてしまうというセンセーショナルさでも話題に。EV補助金が底をつくという報道が流れると、販売台数は急激に減るものの、折からの半導体不足も影響し生産が追いつかず、2022年10月末頃に一旦販売中止となってしまいました。
「サクラ」の発音は人名のほうが正しいそう。車名は社内公募で決まったそうで、その由来は「日本の電気自動車の時代を彩り、中心となるクルマになってほしい」という願いから。
「サクラ」スペック一覧表
車名 | サクラ | |
---|---|---|
タイプ | トールワゴン | |
全高 [mm] | 1,655 | |
後席ドア | ヒンジ | |
航続距離* | 180km | |
モーター | 最高出力* | 47[64]/2,302-10,455 |
最大トルク* | 195 /0-2,302 | |
駆動方式 | 前輪駆動 | |
価格(最安〜最高) | 239万9,100円〜294万0,300円 | |
現行モデル発売日 | 2020年6月 | |
*航続距離=満充電時WLTCモード|最高出力単位 KW[PS]/rpm|最大トルク単位 N・m /rpm |
軽ワゴン/キャブワゴン「NV100クリッパー リオ」
スズキからエブリイワゴンのOEM供給を受けて日産が販売するのがNV100クリッパー リオ。5ナンバー(軽乗用車届出)ワゴンで、エンジンが前席下にあるセミキャブバンのボディ形状です。現行モデルは、2015年2月の発売。室内の広さはスーパーハイトワゴンを凌ぐトップクラス。ターボ車・4ATのみの設定です。「NV」は、Nissan の Van 略。先代からスズキのOEMですが、その前は三菱からのOEMでした。三菱も軽自動車生産から撤退したため、スズキからの供給となった経緯があります。
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「NV100クリッパー リオ」スペック一覧表
車名 | NV100クリッパー リオ | |
---|---|---|
タイプ | 軽ワゴン | |
全高 [mm] | 1,910 | |
後席ドア | スライド | |
燃費* | 13.3 | |
ターボ | 最高出力 | 47[64]/6,000 |
最大トルク | 95 /3,000 | |
トランスミッション | 4AT | |
駆動方式 | FR(後輪駆動)・4WD | |
価格(最安〜最高) | 177万9,800円〜199万6,500円 | |
現行モデル発売日 | 2015年2月 | |
*燃費=WLTCモード|最高出力単位 KW[PS]/rpm|最大トルク単位 N・m /rpm |
軽バン/セミキャブバン「NV100クリッパー」
NV100クリッパーは4ナンバー(軽貨物車届出)の軽商用バン。リオと同じくスズキ「エブリイバン」のOEM。現行モデルの発売はリオと同じタイミングです。エンジンはリオと異なり、NA(自然吸気・ノンターボ)となり、トランスミッションは、4ATに加えて5MT、クラッチ操作不要の2ペダルMT、5AGSの3種類がラインナップされます。
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「NV100クリッパー」スペック一覧表
車名 | NV100クリッパー | |
---|---|---|
タイプ | 軽バン(セミキャブ) | |
全高 [mm] | 1,895 | |
後席ドア | スライド | |
燃費* | 17.2 〜 16.4 | |
NA | 最高出力 | 36[49]/6,200 |
最大トルク | 60 /4,000 | |
トランスミッション | 4AT・5AGS・5MT | |
駆動方式 | FR(後輪駆動) パートタイム4WD |
|
価格(最安〜最高) | 109万0,000円〜158万8,400円 | |
現行モデル発売日 | 2015年2月 | |
*燃費=WLTCモード|最高出力単位 KW[PS]/rpm|最大トルク単位 N・m /rpm |
軽トラック「NT100クリッパー」
NT100クリッパーの現行モデルは2013年12月にフルモデルチェンジされた2代目。スズキ キャリイのOEM。先代は、三菱 ミニキャブのOEMでした。エンジンはNA(自然吸気・ノンターボ)のみ、駆動方式は2WD(後輪駆動)とパートタイム4WD、このうち4WDは、副変速機付きもラインナップする計3タイプ。副変速機付き4WDはデフロック機構を備え、4AT車にはブレーキLSDを備える悪路走破性を高めた仕様になっています。「NT」は、Nissan の Truck の頭文字から。
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「NT100クリッパー」スペック一覧表
車名 | NT100クリッパー | |
---|---|---|
タイプ | 軽トラック | |
全高 [mm] | 1,765 | |
燃費* | 18.2 〜 15.7 | |
NA | 最高出力 | 37[50]/6,200 |
最大トルク | 59 /3,500 | |
トランスミッション | 4AT・5MT | |
駆動方式 | FR(後輪駆動) パートタイム4WD |
|
価格(最安〜最高) | 92万8,400円〜125万2,900円 | |
現行モデル発売日 | 2013年12月 | |
*燃費=WLTCモード|最高出力単位 KW[PS]/rpm|最大トルク単位 N・m /rpm |
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まずは、ボディタイプを何にすればいいのか、から考えるといいでしょう。詳しくは、【軽自動車の選び方】ボディタイプ別の特徴と使い勝手編|編集長直伝! の記事をご覧ください。駆動方式やエンジンタイプをどうしようか悩んだら、【軽自動車の選び方】2WD or 4WD?ターボ or ノンターボ?パワートレイン編|編集長直伝!の記事をご覧ください。そもそも軽自動車は何を選んだらいいのかお悩みの方は、おすすめの軽自動車はこれだ!2022【編集長責任執筆】の記事をご覧ください。
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(執筆:宇野 智 画像:日産)
※この記事は、2022年12月時点での情報で執筆しています。