【知らないと損】ターボエンジンとは?意外と知らないメリットとデメリット

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ターボエンジンとはターボチャージャーが搭載されたエンジンのことで、ターボ車は通常のガソリン車(またはNA車)よりも比較的パワーが出せる点が特徴です。ここではターボの仕組みや構造、パワーが出せる理由について解説しています。

ターボとは?その仕組みと構造

シャフトの両端に羽根が付いた構造をしているのが「ターボチャージャー」です。片側の羽根は排気側、反対側の羽根は吸気側となります。

ターボチャージャーは、排気の流れを使って、吸気を圧縮する仕組みを持っています。いわば「空気の圧縮機」です。

ターボチャージャーは英語の「Turbocharger」をそのまま日本語表記したもので、一般的には略した「ターボ」が使用されています。

ターボエンジンに対して、ターボを持たないエンジンのことを「自然吸気エンジン」と呼びます。また、自然吸気を英訳した「Natural Aspiration」の頭文字をとって「NA」と表記されることも多々あります。

どうしてターボはパワーが出るのか?

圧縮された空気は、酸素の量が多くなりますので、燃料を勢いよく燃やすことができます。この仕組みを使って、エンジンのパワーをより大きく発生させています。

エンジンの回転数が高くなると、排気ガスは勢いよく吹き出してきます。その勢いは、そのまま吸気を圧縮する力になります。逆にいえば、エンジンの回転数が低いときにはターボチャージャーの効果はありません。

ターボエンジンの最大のメリットは高効率・高出力

例えば、排気量が2.0Lのターボエンジンと、自然吸気エンジンでは、ターボエンジンのほうが高出力となります。エンジンの特性によって大きく異なりますが、ターボエンジンは、概ね自然吸気エンジンの排気量の1.5〜1.7倍のパワーを発生することができます。

ターボ車とノンターボ車が混在して競うモータースポーツでは、ターボ車に「ターボ係数」で算出された排気量以下にするという規則が設けられることがよくあります。これは、レースを公平にするためのもので、概ねターボ係数は1.7あたりにされています。

「ターボエンジンの燃費が悪い」は昔話

21世紀に入ってからのターボエンジンは、それまでよりも燃費が良くなりました。特に1980年代のターボエンジンは、燃費が悪いといわれていました。

その理由は、ターボエンジンは、走行性能を重視したスポーツカーやハイパフォーマンスグレードにばかり採用されていたからです。

現在のように、ハイパワーを求めるためにターボを装備するより、環境性能や燃費向上のためにターボを搭載していなかったのです。

ダウンサイジングターボとは?

ターボチャージャーを装備したエンジンは、同じ排気量なら自然吸気エンジンより大きなパワーを得ることができます。

この特性を利用し、ターボをつけて排気量を小さくしたものを「ダウンサイジングターボ」といいます。

例えば、直列4気筒1.5Lターボエンジンは、直列6気筒2.0L自然吸気エンジンと同等のパワーを発生することができる、というものです。
CAP/Dセグメント高級セダンの代表、メルセデス・ベンツ Cクラスは、1.5Lのダウンサイジングターボエンジンをラインナップしている。かつては2.0Lや2.5L、3.0Lが当たり前だった。

なぜダウンサイジングターボなのか?

排気量が大きくなるにつれて、単純に排気ガスの量は増えて環境性能や燃費が悪くなります。ターボチャージャー自体は排気ガスを発生させるわけではなく、むしろ同じ量の燃料ならパワーを大きくすることができるため、環境性能や燃費を良くすることができます。

ターボチャージャーを装備して排気量を小さくする背景には、年々厳しくなっていく環境性能基準があります。

しかし、最新の環境性能基準、燃費基準では、ダウンサイジングターボだけでは対応できないほど厳しくなり、パワーが大きい48Vマイルドハイブリッドが採用されるようになりました。

最近のターボエンジンはデメリットなし?

1980年代頃までに生産されていたターボエンジンは、駐車するときにすぐにエンジンを切らず、ターボチャージャーが少し冷めるまで数分アイドリングをしてからエンジンを切るというお作法がありました。

超高温になるターボチャージャーは、エンジンを切ると冷却できなくなり、ターボチャージャーが傷み、やがてターボが効かなくなるという問題がありました。

これは手間になるので「ターボタイマー」と呼ばれるエンジンを切っても、一定時間アイドリングを継続させて自動的に切るカー用品が販売されていました。

今のターボエンジンは、いつエンジンを切っても大丈夫です(むしろアイドリングが必要なようならば環境に悪いですね)。

ハイパフォーマンスモデルのターボ車でなければ、燃費は自然吸気エンジンより良くなりますし、自動車税も安くなります。

最近のターボエンジンはデメリットなし、といってしまって間違いではないでしょう。

ターボエンジン車に乗るときの注意点

2000年以降に設計されたターボ車なら、特に注意点はありません。自然吸気エンジン車と同じように運転して差し支えありません。

ただ、古いクルマ(ネオ・クラシックカーなどに分類されるようなクルマ)は、前述した、ターボチャージャーが熱いままエンジンを切らない、アイドリングして冷ましてから止める、という注意が必要です。

ターボとノンターボ、軽自動車ならどっちがいい?

現在の軽自動車は、ほとんどのモデルでターボ車とノンターボ車の両方がラインナップされています。

軽自動車のエンジン排気量はおしなべて660ccですから、ターボがつくとざっと自然吸気1,000ccエンジンと同等のパワーを得ることができます。

ただ、自然吸気660ccと、同じく自然吸気1,000ccのエンジンを比較すると、後者のほうが燃費が悪くなります。

したがって、軽自動車の場合、燃費を重視するならノンターボ車を選ぶほうがいいでしょう。

しかし、自然吸気660ccでは、パワーに余裕があるとはいえません。大人3、4人乗車が多い方や、重たい荷物を積んで走ることが多い方、山岳地帯などにお住まいで、アップダウンが多い道を走ることが多い方は、ターボ車を選んだほうが、運転が快適に、楽になります。

世界初の量産ターボ車「BMW 2002」

CAP/BMW 2002 TI(ターボではないが同型)

BMWが1966年から1977年のあいだに製造し、日本では「マルニ」の愛称で親しまれた「2002」。

1973年に、量産市販車世界初のターボチャージャーを搭載した「2002ターボ」が誕生しました。愛称は「マルニターボ」で、SOHC2.0Lエンジンにターボをつけて、最高出力は自然吸気エンジン対比30%アップの170馬力を発生していました。

マルニターボは、大きめのチンスポイラーで武装され、そこには「2002 turbo」鏡面文字が大きく書かれていたのが印象的でした。鏡面文字にすることで、前を走る車のルームミラーやサイドミラーからは、正しく「2002 turbo」の文字が読み取れる、粋な工夫が施されていたのでした。

国産車初の量産ターボ車「日産 430セドリック/グロリア」

CAP/430 グロリア ターボ ブロアム

1979〜1983年に生産された5代目セドリック/グロリア 430型は、国産車初のターボエンジンが搭載されていました。ターボを組み込んだエンジンは、直列6気筒2.0Lでした。

ちなみに、国産乗用車初の直列6気筒ディーゼルエンジンもラインナップ、「技術の日産」を示した自動車史上に残るクルマとなっています。

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