「アウディ A3セダン(初代・2014~2021年)」プレミアムブランドらしさで溢れるコンパクトセダン【人気モデル購入徹底ガイド】

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日本市場のプレミアムブランドでは珍しい存在でもある、Cセグメントコンパクトセダンのアウディ A3セダン。定番の5ドアハッチバックの派生モデルとして登場した、初代A3セダンについて詳しく解説します。

【サマリー】扱いやすい絶妙なサイズ感が魅力のプレミアムセダン

5ドアボディのスポーツバックが販売の主流になっていたA3に、セダンボディが登場したのは2013年。まず欧州で発表され、日本市場では2014年の1月に販売が開始されました。

アウディ初のコンパクトセダンであり、全長4,465mm、全幅1,795mmと国内でも扱いやすいサイズが特徴でした。グレード展開はスポーツバックと同様、2Lターボを積むトップグレードのS3を頂点に、1.8Lと1.4Lのターボエンジンをラインナップ。最新のADAS(先進安全運転支援システム)や、コネクテッドインフォテインメントなど、上級車種にも劣らない装備を設定していました。

【外観スタイル】スポーツバックとはサイズが微妙に違うセダンボディ

アウディの中ではA4をひと回り小さくしたサイズ感で、最小となるA3セダン。当時世界中で高まっていたコンパクトセダン人気を受けての登場でした。

スポーツバックと共通するサイズはホイールベースのみで、全長は+155mm、全幅は+15mm、全高は-20mmと外寸はスポーツバックと若干違うサイズとなっていました。特に全長が伸びている分、セダンらしい伸びやかなスタイリングが特徴的です。

アルミとスチールのハイブリッド構造もスポーツバックと同様で、ボンネットにアルミが採用され軽量化が図られています。

【インテリア】リアシートを倒して拡大可能なラゲッジスペース

インテリアのデザインはスポーツバックと共通となり、水平基調のダッシュボードにはジェットエンジンがモチーフとなったエアコンレジスターが備わります。ホイールベースが共通なのでリアシートのスペースも同様。ラゲッジスペースだけがスポーツバックとの大きな違いとなります。通常時で425Lのラゲッジスペースは、リアシートバックを倒すことによって最大880Lまで拡大が可能でした。

走行中のインターネット接続を可能にしたインフォテインメントシステム「アウディコネクト」も、ナビゲーションの拡張システムとして用意されました。Googleが提供するストリートビューなどが表示でき、近隣の駐車場や天気の情報などが入手できるようになっています。

【走り・燃費】4種のエンジンラインナップ

パワートレインもA3スポーツバックと共通のラインナップでした。1.4Lが2種類、1.8Lの3種類が基本となり、全車直噴ターボを搭載しています。

1.4Lはベーシックな122psとハイパワー版の140psで、後者にはCOD(シリンダー オン デマンド)と呼ばれる気筒休止システムを採用。当時の燃費基準であるJC08モードで、20km/Lの低燃費性能も実現していました。1.4Lには7速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が組み合わされています。1.8Lは駆動方式がクワトロ(4WD)となり180psを発生。こちらは6速のDCTが与えられました。

上級グレードのS3セダンには280psの2L直噴ターボ+6速DCTが搭載され、サスペンションも25mm低められた専用品がおごられました。0→100km/h加速は5.3秒という高性能を発揮する一方で、JC08モード燃費は14.4km/Lを達成していました。

【安全装備】最初はオプションだったADAS

先進安全運転支援システム(ADAS)もスポーツバック同様で、エマージェンシーブレーキやACC(アダプティブクルーズコントロール)といった当時の最新技術が採用されました。ADAS搭載車には駐車支援のアウディ パーキングシステムもオプションで用意され、ドライバーの運転をアシストするシステムが充実していました。

発売当時ADASは全てオプション設定でしたが、装着率が高かったようで後の改良で標準装備化しています。

【グレード構成】エンジンの種類で分けられた全4グレード展開

グレード構成は、4種のエンジン違いがそのままグレード名となっています。

一番ベーシックなグレードは122psの1.4L搭載車で、1.4 TFSI(325万円)。140ps仕様は気筒休止が備わるため、1.4 TFSI シリンダーオンデマンド(364万円)と名付けられました。1.8L搭載車は1.8 TFSI クワトロ(410万円)、そして最上級のS3セダン(561万円)の全4グレード展開でした。

なお、モータースポーツ部門のアウディスポーツが手がける最強グレード「RS3」は、セダンにも用意されていますが、登場はだいぶ後になります。

【マイナーチェンジ&改良一覧】ADASの進化スピードに合わせた改良? 後期型で大幅な進化

2014年に発売した初代A3セダンは、2021年まで販売されました。その間の改良は2017年のマイナーチェンジが一番大きなアップデートで、これを境に前期型と後期型に区分されます。一部改良も含め、変更される点は進化のスピードが早いADASの改良が多く、後期型では一気に進化を果たしています。

販売の主力グレードにADASを標準化

デビューした2014年の8月には早くも一部改良が行われ、ADASの人気オプションであるエマージェンシーブレーキ+ACCが、1.4 TFSI シリンダーオンデマンドと1.8 TFSIクワトロに標準装備化しました。視認性を向上させるLEDヘッドライトのパッケージオプションも新たに設定されています。オプションでは、専用のスポーティなパーツで内外装を仕上げる「Sラインパッケージ」も新たに選べるようになりました。

上級グレードのS3は5ps出力が向上。燃費は従来と同様の14.4km/Lを実現しています。

これらに伴い価格も見直され、1.4 TFSIは337万円、1.4 TFSI シリンダーオンデマンドが385万円、1.8 TFSIクワトロが433万円、S3セダンが585万円になりました。

ビッグマイナーチェンジ、そしてRS3の追加

2014年の改良以降は、スポーツバックにはスポーツモデルのRS3とPHEVのe-tronが追加された一方で、セダンには追加や改良はなく、2017年のマイナーチェンジを迎えます。この2017年1月に行われたマイナーチェンジはビッグマイナーといってもいいほど改良点が多く、当時の世界最高レベルの技術が惜しみもなく投入されています

外装ではフロントグリル、フロントバンパー、ヘッドライト、リアディフューザー、リヤコンビネーションランプのデザインを変更。よりスポーティな印象を強くしています。ヘッドライトにLEDを選択すると、リアのターンシグナルがシーケンシャルタイプへと変更されるセットオプションも用意されました。

内装ではデジタル化が一気に進みました。メーターにはTTやA4にも採用されたフルディスプレイタイプ、「バーチャルコックピット」を搭載。インフォテインメントシステムもスマートフォンに対応し、iPhone/Android両方が接続できるようになりました。

ADASは全車に標準装備化されました。レーダーセンサーによる前方認識は歩行者まで対応し、エマージェンシーブレーキを発動させます。ACCも全車速対応になり渋滞時の使用も可能となりました。

そしてオプションでは、車線維持をサポートするレーンキープアシスト、側方と後方からの車両接近を伝えるサイドアシスト、渋滞時のACC作動時にステアリング操作も行うトラフィックジャムアシストが、ACCの拡張機能として用意されました。

エンジンでは1.8Lターボに代わり、新開発の2Lターボが登場しました。アウディが「ライトサイジング」と呼ぶ新技術で、低中回転域では吸気タイミングを短くするミラーサイクルの原理で作動し、高回転域はバルブタイミングを正常化する制御を取り入れ、低燃費と高出力を両立。190ps/320NmとJC08モード燃費16km/Lを達成しています。

併せてトランスミッションも、クワトロ車のギア数を6速から7速へアップデート。ドライブモードがエフィシエンシーでの巡航時に、アクセルオフをするとクラッチが切られるコースティング機能を追加し、燃費性能の向上に一役買っています。

グレード体系も改められています。1.4L車と2L車に、ホイールを17インチへサイズアップし車高を15mm下げた「スポーツ」を追加。同時に1.4Lで設定されていた気筒休止機能を持ったシリンダーオンデマンドが廃止となり、S3を含めた5グレードのラインナップとなりました。価格は293〜606万円に設定されています。

さらに同年3月には、圧倒的な走行性能を誇るハイパフォーマンスグレードRS3の販売を開始。400ps/480Nmを発生する2.5Lターボを搭載し、0→100km/h加速をわずか4.1秒で達成する、A3シリーズの頂点に位置するスーパースポーツセダンです。エンジンだけではなく内外装もRS3専用品が惜しみなく装着され、ひと目でA3とは違うことがわかるほど。

マイナーチェンジで新たに採用されたADAS系の装備は全て標準装備するなど、最上級グレードにふさわしい装備内容でした。価格は785万円に設定され2018年8月まで販売されました。

最後の改良でグレード名が最新アウディの共通ルールへと変更

2018年9月には、この世代で最後となる一部改良が行われました。変更点は小規模にとどまり、スポーツの17インチホイールがデザイン変更された点と、S3セダンのリアシートが3分割の可倒式へと進化した点のみです。この改良に伴い、グレード名がアウディ共通の2桁数字で車格を表す表現へと変わっています。価格は314〜633万円に設定されました。

2020年7月には、販売を停止していたRS3が復活。基本性能は変わらないものの、シルバーマットカラーのアクセントが入ったエアロパーツや、ダイヤモンド型のステッチが入った新デザインのシートなどを新たに採用し販売されました。ボディカラーからレッド系がなくなる代わりに、新色のキャラミグリーンを設定されたこともトピックでした。価格は869万円となっています。

【A3セダンのおすすめモデル#1】アウディらしさを求めるならマイナーチェンジ後の2.0 TFSIクワトロ

「アウディを選ぶなら、やっぱりクワトロがいい!」と思いA3セダンを選ぶ人もいるでしょう。それだけアウディ=クワトロという認識は世界共通のブランドイメージでもあります。初代A3セダンでクワトロを選ぶとなると、前期型なら1.8L、後期型なら2Lのみ。あとはS3とRS3しかありません。この中で後期型の2Lがオススメな理由は、他グレードよりもアドバンテージが高い装備面からです。

まずは後期型になると、バーチャルコックピットと呼ばれるフルディスプレイメーターパネルがオプションで設定されます。メータークラスターいっぱいに広がったナビの画面など、アウディらしい未来感と先進性があふれているアイテムなので満足度は高いでしょう。装着車は市場でも多いので、選びやすいはずです。

そして、もうひとつ重要なポイントはDCTです。後期型が7速化されている点と、湿式クラッチを使用しているという点です。7速化は当然燃費にも影響してきます。ミラーサイクルを応用した新エンジンとの組み合わせで、動力性能と燃費性能を見事に両立させています。

クラッチの問題は、1.4Lが乾式を使用しているという点からの比較となります。乾式に比べれば湿式の方が故障も少なく長持ちするということは、中古車を選ぶ際に避けては通れない問題となるでしょう。

ADAS系はなるべくオプションまで全て入っているものを選びましょう。スポーツのSラインパッケージ装着車なら、S3のようなスポーティな外観も手に入ります。

【A3セダンのおすすめモデル#2】どのステージでもオールマイティに楽しめるS3の後期型

「スポーティなクルマが好きだけれど、RS3までレーシーなものはいらない」という人にはS3セダンがおすすめです。

たしかに2.5LターボのRS3も魅力的ですが、普段の乗り心地を考えれば19インチのRS3よりも18インチのS3の方が乗りやすいことは明らかです。電子制御の可変ダンパーを備えている個体なら、シーンによって乗り心地を変えることも自在にできます。RS3より500cc少ない2Lターボですが、後期型なら290ps/380Nmの高性能ぶり。高速道路をリードすることもたやすく、その気になればサーキットも楽しめるほどのスポーツ性能です。

普段乗りもスポーツ走行も、1台で楽しみたいなら正に最適なモデルといえます。中古で狙うならバーチャルコックピットや最新型のADASが入った後期型の方が、よりアウディらしさが味わえて満足度は高いでしょう。

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【まとめ】アウディならではの魅力が詰まったコンパクトセダン

プレミアムブランドでは少ないCセグメントのセダンボディで、アウディならではの性能や装備をふんだんに取り入れているA3セダン。クワトロシステムやバーチャルコックピットなどライバルと比べても魅力的なポイントが多く、購入候補に挙げる人も多いでしょう。クルマ自体の性能は間違いありませんので、あとは状態のいい個体を選ぶのが重要です。信頼できるお店でなるべくいい個体を購入できるようにしましょう。

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この記事は2022年9月の情現在報に基づいています。

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