Cセグメントのハッチバックで唯一FRを採用していたBMW 1シリーズ。2019年8月に3代目へフルモデルチェンジした際、ついにFFを採用したため、旧型にあたる2代目1シリーズが事実上最後のFRコンパクトハッチバックとなりました。
【サマリー】希少なCセグメントのFRハッチバック
2011年10月に登場した2代目1シリーズ。フォルクスワーゲン ゴルフなどがライバルとなるCセグメントのハッチバックです。
ライバルたちが室内空間を広くできるFFを採用するのに対し、駆け抜ける歓びにこだわり、前後重量配分約50:50のFR構造を採用しました。
M社が手がけたMパフォーマンスモデルも投入されましたが、販売台数はライバルたちに及ばず、ついに後継モデルの3代目はFFを採用。この世代が最後のFRの1シリーズとなりました。
【外観スタイル】いかにもスポーティな後輪駆動らしいフォルム
長いボンネットやロングホイールベース、後方に押しやられたキャビン、大きく膨らんだリアフェンダーと、いかにもスポーティな後輪駆動らしいフォルムが与えられました。全長4,335mm×全幅1,765mm×全高1,440mm。
【インテリア】他のBMW車同様、ドライバーを取り囲むようなコックピット
ドライバーを囲むようなインテリアはほかのBMWのモデルと同様。オーディオ等をコントロールするiDriveは標準装備、2012年5月にはHDDナビも全車標準装備されています。M135iには電動調整式サイドサポート機能が備わるスポーツシートが標準で備わります。
【走り・燃費】直列6気筒ターボを筆頭に珠玉のエンジンがラインナップ
エンジンは出力違いで2種類の1.6L直列4気筒ターボ、3L直列6気筒ターボ、1.5L直列3気筒ターボ、2L直列4気筒ディーゼルターボ、2L直列4気筒ターボがあります。全車8速ATが組み合わされ、エンジンを前に置き後輪を駆動させるFRのみです。デビュー時のJC08モード燃費は16.6km/Lでした(1.6L直列4気筒ターボ)。
【安全装備】2015年5月以降、衝突被害軽減ブレーキはほぼ全車に標準装備
2013年9月に衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きACCを含む「ドライビング・アシスト」がオプションで用意され、2015年5月のマイナーチェンジで118iのスタンダードモデルを除く全車に標準装備となりました。
【グレード構成】スポーティラインとスタイリッシュライン、Mスポーツの3本が軸
デビュー時は同じ1.6Lターボながら最高出力136psの116i系と、170psの120i系の2グレードが用意されました。それぞれにスポーティな内外装の「スポーツ」と、スタイリッシュな「スタイル」というデザインライン、さらにM社製スポーツサスペンション等を備えた「Mスポーツ」があります。
2015年8月に116i系は1.5Lターボを搭載した118i系に、2016年11月には120i系が2Lターボエンジンに切り替えられています。ほかにM社が手を加えた3L直列6気筒ターボを積むMパフォーマンスモデルのM135i(後にM140iへ進化)と、2Lディーゼルターボの118dがあります。
【マイナーチェンジ&改良一覧】2015年5月のマイナーチェンジでエクステリアデザインを一新、機能も強化
初代同様、貴重なFRのCセグメントハッチバックとして2011年9月にデビュー。当初は出力違いの1.6Lターボ車の2モデル(116iと120i)でしたが、2012年8月にM社が手がけた、ノーマル以上Mモデル未満となるMパフォーマンスモデルの、M135iが追加されます。
M135iはM社がチューニングした最高出力320psの3L直列6気筒ターボを搭載し、M社製サスペンションやブレーキ、エアロパーツ等を装備。0-100km/h加速は4.9秒とスポーツカーらしい性能を備えています。
2013年9月に衝突被害軽減ブレーキ等がオプション(ドライビング・アシスト・パッケージ)で用意されました。
2014年8月には従来AUX外部入力端子だったオーディオ入力が、USBに進化(M135iは当初から採用済み)しています。
2015年5月:マイナーチェンジでパーキングアシスト機能などを用意
マイナーチェンジではシャープな目つきに一新するとともに、120i系とM135iは最高出力が6ps向上しています。同時に116iは名称が118iに変わりましたが、同年8月に1.6L直列4気筒ターボから1.5L直列3気筒ターボにエンジンが切り替わりました。
装備面では衝突被害軽減ブレーキとLEDヘッドライトが118iのスタンダードグレードを除く全車に標準装備されています。またオプションで駐車時にドライバーに代わってシステムがステアリング操作を行ってくれる、パーキングアシスト機能などが用意されました。
2016年5月に2L直列4気筒ディーゼルターボを搭載した118d系が追加されました。最高出力150ps/最大トルク320N・mを発揮しJC08モード燃費は22.2km/Lと長距離を走る人にはうれしいグレードです。
2016年9月にはM135iがM140iに進化。同じ3L直列6気筒ターボですが、新世代エンジンに切り替わり、最高出力は+14psの340psに、最大トルクは+50N・mの500N・mとなりました。それに伴い0-100km/h加速は4.9秒から4.6秒に縮まりました。一方でJC08モード燃費はM135iより約10%向上し13.4km/Lを実現しています。
2016年11月には120iのエンジンが1.6L直列4気筒ターボから2L直列4気筒ターボに切り替わりました。
【1シリーズのおすすめモデル#1】2016年5月に登場した118d系
BMWというと直列6気筒エンジンが有名ですが、それ以前に同社はエンジン屋としても評価の高いメーカーです。
そんなBMWが作るディーゼルエンジンもまた珠玉の名機の1つ。ディーゼルとは思えないほどシュンシュンと回り、一方でディーゼルらしく低回転域から高トルクを発揮。8速ATでトントンと小気味よく加速してくれます。
マイナーチェンジ後のモデルですから衝突被害軽減ブレーキやUSB対応オーディオなど、機能も充実。アクセルを踏み込まなくても加速してくれるし、燃費も良いし、これでオプションだった全車速追従機能付きACCが付いている中古車なら、Cセグメントハッチバックとはいえロングドライブがとてもラクになるでしょう。
【1シリーズのおすすめモデル#2】M社が手がけたM135i かM140i
BMW製のFRコンパクトハッチとしてはおそらく最後のモデルとなるこの2代目。となれば最後のFRホットハッチであるM135iやM140iはお宝になるかもしれません。この小さなボディにM社がチューニングした3L直列6気筒ターボやらサスペンションやらが搭載され、FRらしい気持ち良さと力強い加速感が味わえます。
Mモデルのなかった1シリーズですから、これが最強の1シリーズ。ちなみにデビュー時の0-100km/hの4.9秒は当時のポルシェ 911カレラ並み。911と渡り合えるコンパクトハッチなんてそうそうないですよ。
さらに1シリーズのトップグレードであるがゆえ、衝突被害軽減ブレーキや快適機能はフル装備されていますから、日常使いで困ることはまずないでしょう。
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【まとめ】貴重なFRハッチバックを良コンディションで
現行型でFFを採用した1シリーズ。それにより室内が広くなり、コストも低減されたことはユーザーとしては歓迎すべきですが、一方でBMW伝統のFRらしい「駆け抜ける歓び」がこのサイズで得にくくなったのも事実。良コンディションの中古車があるうちにぜひ味わってみてください。