キャンピングカー最大の祭典「ジャパンキャンピングカーショー2022」レポート

クルマを選ぶ テーマ別特集

コロナ禍で密を避けた「新しい生活様式」が求められるなか、公共交通機関や宿泊施設を使わず移動・滞在・宿泊を1台で完結できるモビリティ=キャンピングカーが注目を集めています。トレンドや人気のベース車、自動車メーカーの動向などキャンピングカーを取り巻く最新事情を日本最大級のイベント「ジャパンキャンピングカーショー2022」の会場をくまなく巡ってリサーチしました。

【ジャパンキャンピングカーショーとは?】300台以上のキャンピングカーが幕張に集結

「ジャパンキャンピングカーショー」は、キャンピングカーを製造するビルダーや販売店、用品メーカーなど約130社が加盟し、キャンピングカーの普及活動を行う一般社団法人日本RV協会(JRVA)が催す、国内最大のキャンピングカー展示会。

300台を超える各社の最新・人気モデルが幕張メッセに一堂に会し、スタッフの説明を聞きながらお目当てのクルマをじっくり見学できることから、毎年多くの来場者でにぎわいます。

12回目となる2022年のテーマは「守る、働く、楽しむ」。1台であらゆる「コト」をこなせるキャンピングカーの可能性をシンプルな言葉で表現しています。

【ステージイベントも華やか】速水もこみちさんがアワードを受賞

オープニングセレモニーでは第10回キャンピングカーアワードを受賞した俳優の速水もこみちさんがJRVA会長の荒木賢治氏(左)とともに登壇。

キャンピングカーアワードとは、RV、キャンピングカーおよびキャンピングカーで楽しむクルマ旅の啓蒙・普及を目的とし、キャンピングカー好きの著名人などを毎年1人認定の上、表彰するというもの。

速水さんは芸能界きっての料理好き(レパートリーは1,300以上)。「その土地でしか手に入らない、新鮮な食材を求めながらのドライブや趣味のバスフィッシング、ペットとの旅にキャンピングカーを活用してみたいです」とコメントしました。

【ブースの演出にも注目】「欲しい、買いたい」と思わせる空間演出

展示商談会というと「プライスボードを前面に掲げたクルマがズラッと並び、バックヤードが商談スペース」というイメージですが、JRVAの方針で解説の妨げになる大音量の音楽や、雰囲気づくりに水を差す派手なノボリ旗の掲示をルールで禁止しているので、モーターショーのような洗練された印象を受けます。

さらに、「このクルマを所有してみたい」という想いを抱かせるための空間演出、イメージづくりも各社工夫を凝らしています。写真はトイファクトリーのブースで、アウトドアでのキャンプシーンをリアルに再現しています。

【ベース車のモデルチェンジが相次ぐ】先進安全装備と環境性能を強化

昨年はキャンピングカーのフルモデルチェンジとマイナーチェンジが相次ぎました。

キャブコン(トラックベース)で圧倒的なシェアを誇るトヨタカムロードは10月にフルモデルチェンジ。バンコンバージョン(エンジンがシート下にあるキャブオーバーのワンボックスベース)でハイエースと人気を二分する日産キャラバンは10月にガソリン車をマイナーチェンジ。軽キャンパーのベース車として人気のダイハツ ハイゼットカーゴ/アトレーは12月に17年ぶりのフルモデルチェンジを実施。

いずれも先進安全性能の強化や排ガスの浄化、燃費向上などの環境対策が目的で、これに合わせて各ビルダーも新型車の架装に素早く着手。ジャパンキャンピングカーショー2022には新型ベースのニューモデルが勢ぞろいしました。

トヨタ カムロード

外観で大きく変わったのがフロントフェイス。ヘッドライトのLED化に加え、バンパーにはクリアランスソナーやミリ波レーダーが内蔵されています。

全車リアダブルタイヤになり、タイヤバーストに起因する横転事故の防止や走行安定性が大幅に向上。ミッションは従来の4速→6速ATになり高速域での静粛性と燃費が向上しました。

エンジンブレーキを使った減速もスムーズに行えます。ただし、ディーゼル車は架装後の車重が3.5トンを超えるため、運転するには「準中型免許」が必要になります。

写真はバンテックのロングセラーモデル「ジル」。乗車定員7人、就寝定員5人、サイズは全長5,160×全幅2,110×全高2,940mm。側面とリアに水抜き穴付きの大型スライドロッカーが備わり、中に濡れ物や汚れ物を入れても水洗いできます。

内装は高級ホテルのような洗練された雰囲気で、運転席上部にスライド式のバンクベッドが備わり、リビングルームも全面ベッドになります。価格は1,059万円~。

ダイハツ ハイゼットカーゴ/アトレー

商用車で初めてDNGA (ダイハツ ニューグローバル アーキテクチャー)を展開し、新開発のFR用CVTの採用やプラットフォームの刷新で基本性能と安全性能が大幅に進化。ハイゼット カーゴは車体構造のスクエア化によりクラス最大の荷室長、荷室幅、荷室高を実現。フラットで使い勝手のいい荷室スペースはキャンピングカーの架装にも適しています。

従来乗用(5ナンバー)だったアトレーは、カーゴの積載量と積載スペースを最大限活用するために4ナンバー(商用)化しています。

写真は岡モータースの「ミニチュアクルーズ」。アトレーRSベースの4ナンバーで、乗車定員4人、就寝人数2人、サイズは全長3,395×全幅1,475×全高1,890mm、価格は284万3,500円。3層ウレタン構造の60mm厚マットを採用したベッドは長さ1,820×幅1,240mmで、収納やシンク(流し)も備えた本格派の軽キャンパーです。

日産 キャラバン

ビッグマイナーチェンジで内外装の質感を大幅に高めたバン最上級グレード「グランドプレミアムGX」を設定するなど、1ボックスの大空間を趣味やレジャーに活用するプライベートユーザーを強く意識した新型キャラバン。

ガソリンエンジン(2L/2.5L)は7速ATと組み合わせて静粛性と燃費を大幅に改善。フロントマスクはタフネスさを表現する「インターロックグリル」で存在感を強調。内装色は従来のグレーから黒に変更され、セレナ譲りのDシェイプステアリングを採用するなど、かなり乗用車の雰囲気に近づきました。

日産自動車のブースには新型キャラバンの架装例として折りたたみ式ベッドやテーブル、フロアパネルを装着した「マルチベッド」と、コンセプトカーの「MY ROOM」が展示されました。

【輸入車も本格参入】欧州で圧倒的シェアを誇るフィアット デュカトを正規導入

ヨーロッパの商用車市場で7割のシェアを持つ、フィアット プロフェッショナルのベストセラー商用車がDUCATO(デュカト)。

キャンピングカーのベース車としてもスタンダードな存在で、アドリア、サンライト、デスレフ、ハイマーなどのブランドが架装を手掛けたキャンピングカーが、それぞれの輸入元を通して日本で販売されています。

正規インポーターのFCAジャパンは、ジャパンキャンピングカーショー2022でデュカトをキャンピングカーのベース車両として正式導入することを発表しました。ビルダー直営のキャンピングカー専門店や既存のFCAジャパン/PSAジャパンの正規ディーラーなどをおもな候補に、デュカト専用の販売ネットワークを構築し、デリバリーは2022年下半期を予定。価格は架装前のベース車の状態で469万円~と、国産車を強く意識したプライス設定。

180馬力のディーゼルエンジン&9速ATによる卓越した動力性能、キャンピングカーの架装に適した180°回転するフロントシート、充実した先進安全装備など、ベース車としてのポテンシャルの高さはお墨付きで、日本市場に大きなインパクトを与えそうです。

メルセデス・ベンツベースのハイマー

1957年創業の老舗コーチビルダーがドイツのハイマー。ステータスと品質の高さで群を抜く存在ですが、正規販売を行うハイマー・ジャパンでは、メルセデスベースの最新モデルを出展。写真のB-MLI780はFFレイアウトの専用シャシーにキャンピング架装を施したフルコンバージョン(フルコン)の最高峰モデルです。

全長7.9mのロングボディにプルダウンベッドやダイネット、キッチン、トイレ&シャワールム、リアベッドなど高級ホテル並みの設備をレイアウト。価格は2,398万円。

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【まとめ】キャンピングカーの未来はもっと面白くなる

JRVAがまとめた「キャンピングカー白書2021」によると、キャンピングカーの国内保有台数は対前年比106.7%の約12万7,400台、市場規模も582億円に拡大。ひと昔前の「贅沢品」「特別なクルマ」というイメージはなく、ベース車の安全性と快適性が大幅に向上したことで、乗用車から乗り換える際の心理的なハードルは低くなっています。

今回のジャパンキャンピングカーショー2022では、自動車メーカーによる提案(PHEVのバッテリーを使った給電システムや燃料電池を活用したキッチンカーなど)も話題を集めました。

こうした市販車の電装技術がキャンピングカーに普及すると、クルマ旅の用途だけでなく災害時には「走る発電所」として威力を発揮するはず。「将来ベース車がガソリン/ディーゼル車からBEVやCFCVに代わったら、キャンピングカーはもっと快適でいろんな可能性が広がるかも……」そんな夢や希望を抱かせる有意義なイベントになりました。

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