日本のコンパクトカーは「買い物グルマ」といったイメージで、人気度も使い勝手に優れる軽ハイトワゴンやSUVの陰に隠れがち。しかし海外においてBセグメントのコンパクト・ハッチバック市場はライバルひしめく激戦区で、欧州車と同じ土俵で戦うためには優れたパッケージングや走りの良さなど、車両トータルでの完成度の高さが求められます。クルマの本質を見抜く、ユーザーの目が肥えた欧州市場で高く評価されているのがスズキの世界戦略車、スイフトです。
【サマリー】スズキの期待を背負ったグローバルコンパクト
3代目スイフトの生い立ち
国内におけるスイフトの初代モデルは2000年にデビューしたHT型で、軽自動車のコンポーネンツを流用・拡大して開発されました。
その後、グローバルコンパクトを開発方針に掲げ、世界戦略車として開発されたのが2004年にデビューした2代目。開発コンセプトを「見て力強さを感じ、乗って力強く走るダイナミックコンパクト」とし、小型車専用のプラットフォームを開発。スズキでは初めて日本、ハンガリー、インド、中国の4ヵ国で同一品質・同一性能による同時生産を行うクルマになりました。
2010年9月にフルモデルチェンジした3代目は2代目のシルエットを継承しながら、ホイールベース(+40mm)とトレッドを拡大し、直進安定性と旋回性能が高まりました。
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3代目スイフトに搭載されたおもな新技術
■軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム
軽量・高剛性の新開発プラットフォームを採用し、ホイールベースを40mm拡大するとともにトレッドも拡大。直進安定性と旋回性を高めるのと同時に、ステアリング操作量に応じてタイヤの切れ角を変化させる可変ギアレシオステアリングを採用し、機敏なハンドリングを実現しています。
優れた走行性能と環境性能を両立させるため、吸排気VVT採用の新エンジン、副変速機付きCVTを採用、2WD・CVT車で23.0km/LのJC08モード燃費を達成し、全モデルを環境対応車普及促進税制に適合させました。
■軽量高剛性ボディ
ボディ骨格に高張力鋼板を積極的に使用し、骨格構造を最適化することで約10kgの軽量化(2WD・CVT車)と、車体ねじり剛性の向上を両立させました。
運転席と助手席にSRSエアバッグを全車標準装備。頸部衝撃緩和性能に配慮したフロントシートを採用。さらにXSグレードにはフロントシートSRSサイドエアバッグとSRSカーテンエアバッグが装備されます。このほかXSグレードには坂道発進を補助するヒルホールドコントロール付きのESPが備わります。
【外観スタイル】より力強く、エモーショナルに洗練を極めた
フロントデザインにU字モチーフを採用することで、量感あふれる力強さを表現。フロントウィンドウからサイドウィンドウまで連続的で一体感のあるデザインとし、前後を存在感のある縦長の大型ヘッドランプと、躍動感のあるショルダーラインから連続したデザインのリアコンビネーションランプが引き締めます。力強さは張り出した前後フェンダーと足元を引き締める大径ホイールで表現しています。
【インテリア】質感と機能性にこだわったスポーティな仕立て
ブラック内装とシルバー色加飾のコントラストが精悍でスポーティなインテリアを演出。メーター内に運転に必要な情報が読み取りやすいマルチインフォメーションディスプレイを採用。シフトレバーやスイッチ類の配置も操作性を重視しています。XSとXLグレードには本革巻きステアリングとステアリングスイッチを採用しています。
【走り・燃費】マイナーチェンジでデュアルジェットエンジンとエネチャージ搭載車を設定
2013年7月のマイナーチェンジで「スズキグリーン テクノロジー」を小型車で初搭載。低燃費と力強い走りを両立した「デュアルジェットエンジン」や、減速エネルギー回生機構の「エネチャージ」、新アイドリングストップシステムなどの燃費向上技術で構成されます。スズキグリーン テクノロジー搭載車にはグレード名の後にデュアルジェットエンジン×エネチャージを表す「DJE」が表記されます。
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【安全装備】マイナーチェンジで安全装備を拡充
2013年7月のマイナーチェンジでは燃費改善と併せて、全グレードに各種センサーで走りを監視し、タイヤのスリップや横滑りを抑制するESP(車両走行安定補助システム)が標準装備されました。
【グレード構成】安全・快適装備と意匠で差別化
3代目スイフトは大きく4つのタイプに分かれています。
基本的な装備を押さえたスタンダードモデル。タイヤサイズは15インチで最小回転半径4.8mを実現。上下40mmのチルト機構に加えて、前後36mmの調整が可能なテレスコピックステアリング、キーレスプッシュスタートシステムを全車に採用しています。
上級グレードのXSとミドルグレードのXLは本革巻きのステアリングやステアリングスイッチなど細部の質感にこだわり、1段階のリアシートリクライニングを採用するなど快適性を高めています。タイヤサイズはXGが15インチなのに対し、XSとXLは16インチを採用。XSは約45~100㎞/hの間で設定が可能なクルーズコントロール、可倒式アームレスト、フロントシートSRSサイドエアバッグとSRSカーテンエアバッグ、坂道発進をサポートするヒルホールドコントロール付きESPなど、安全・快適装備が充実しています。
XSの2WD車と4WD全車にはフロントに大径15インチベンチレーテッドディスク、リアにも15インチディスクブレーキを採用しています。
2011年11月に追加された特別仕様車がRS。XGのオーディオレス仕様車をベースに、欧州仕様と同様のチューニングを施したダンパーとタイヤ、パワーステアリングコントローラーを採用。乗り心地とハンドリングのバランスを重視した国内仕様に対し、直進時の安定感や旋回時の応答性などを高め、スイフト本来のフラットライドな乗り味が楽しめます。
【マイナーチェンジ&改良一覧】欧州仕立てのRSの追加とスズキグリーン テクノロジーの投入で商品力アップ
デビュー時からエコカー減税に対応
3代目スイフトのモデルライフとリンクするように実施されたのが環境対応車普及促進税制(エコカー減税)。自動車取得税と自動車重量税、自動車税の減税を受けられるというもので、デビュー時から全車エコカー減税に適合。2011年9月にアイドリングストップシステムを搭載したグレードを追加設定。さらに2013年7月のマイナーチェンジでスズキグリーン テクノロジーを搭載し、ハイブリッド車を除く1.2L以上のガソリン車でトップの低燃費を達成しました。
2011年9月:アイドリングストップ搭載グレードを追加
2011年9月、XGとXLグレードに、アイドリング中の無駄な燃料消費をなくし、排出ガスの低減やエンジン騒音の抑制に貢献するアイドリングストップシステムを搭載したモデルを追加設定。
2011年11月に特別仕様車「RS」を設定。欧州仕様の足回りや直進安定性を高めるパワステのチューニング、エアロパーツ、16インチアルミホイール、専用ファブリックシート表皮など数々の走りのアイテムを装備しています。2012年11月の一部仕様変更ではクルーズコントロールシステム、7速マニュアルモード付きパドルシフト、リアディスクブレーキが追加され、スポーツハッチバックとしての魅力が高まりました。
2013年7月:低燃費化技術を搭載した新グレードを設定
XG-DJE、XL-DJE、XS-DJE2WD・CVT車は1気筒あたり2本のインジェクターを備えたデュアルジェットエンジンと、エネルギーを回生するエネチャージをはじめとするスズキグリーン テクノロジーの搭載で、JC08モード燃費26.4㎞/Lを達成。デュアルジェットエンジンはK12B型をベースに、圧縮比アップ(11.0→12.0)による燃焼効率の改善や、各種エネルギーロスの低減で熱効率を極限まで追求。これらの性能を実現するために前述のデュアルインジェクションシステムが採用されました。
【スイフトのおすすめモデル#1】2013年7月以降のDJE車
デュアルジェットエンジンとエネチャージの頭文字を取ったDJE。スイフト本来の走りの楽しさを磨きながら、1.2L以上のガソリン車トップの低燃費(26.4㎞/L)を達成。従来のアイドリングストップ車に対し、約21%燃費が向上しています。
【スイフトのおすすめモデル#2】RS
グローバルを主戦場とするスイフト本来の走りを味わうなら、特別仕様車のRS一択になります。国内仕様に対して減衰力を高めて硬めの設定としたダンパーと、素材構成を変更して旋回時の応答性を高めたタイヤを採用することで、ロールを抑えて車体の安定感を高め、スポーティな足回りを実現。さらに、ステアリング操作を重めに設定したパワーステアリングコントローラーを採用することで、高速走行時の直進安定性を高めています。
2012年11月の仕様変更では、高速走行時や長距離ドライブをサポートするクルーズコントロールシステム、手元でシフト操作ができるパドルシフト(CVT車)、リアディスクブレーキ(2WD車)が採用され、操る楽しさが高まりました。
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【まとめ】スズキらしい真面目さが光るBセグコンパクトハッチの白眉
国産車のライバルはトヨタ ヴィッツ、ホンダ フィット、日産 マーチになりますが、ベースグレードでもステアリングのチルト&テレスコピック機構を省かずに全車標準にするなど、ドライビングの根幹に関わる部分で妥協しないあたりにスズキの真面目さが表れています。
国際基準の質の高いBセグホットハッチを求めるなら、スイフトは最良の選択になるでしょう。特別仕様車のRSは「スイフトスポーツではヤンチャすぎる」という走り好きにおすすめ。欧州仕立てのサスペンションや素材構成を変更した専用タイヤ、重めの操舵フィールなど、通好みのセッティングに心惹かれます。
※この記事は、2023年1月時点での情報で執筆しています