足回り の故障・不具合一覧

足回り の故障・不具合の一覧を表示しています。該当の症状を選択して、修理方法を確認しましょう。 

※原因は症状から過去の事例を参考にしたもので、不具合の原因を断定するものではありません。
※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

足回り の故障・不具合について

足回りのイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員
一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • ボールジョイントブーツやブッシュはゴム製パーツのため長期使用で劣化は避けられない
  • ショックアブソーバーは操縦性や乗り心地に影響を与える重要なパーツ。5年
  • 5万kmくらいから劣化が始まる
  • エアサスはエアコンプレッサーやエアバッグ、ハーネスが故障すると車高が勝手に下る不具合が生じることがある
  • 足回りの不具合は車検や定期点検でプロにチェックしてもらい、早め早めの修理をすることが何よりも大切

ボールジョイントブーツやブッシュは経年劣化で消耗する。劣化したままだと車検に合格しないことがある

足回りの不具合で最も多いのがボールジョイントブーツ(スタビライザーリンクのボールジョイントなどを含む)の不具合です。

ボールジョイントブーツが切れたり、ひび割れを起こしたりすると内部のグリスが漏れ出したり、にじみ出たりします。

ボールジョイントブーツとはステアリング操作の軸として使用されるボールジョイントをホコリやゴミから保護し、内部のグリスが雨などで流出することを防ぐゴム製パーツのことです。

ボールジョイントブーツは、内部のボールジョイントが動いてよじれることと、ゴム製のため経年劣化する消耗部品です。ブーツに不具合がある状態では車検に通りませんし、やがてはグリス切れを起こしてボールジョイントが固着して動かなくなります。同じく、ゴム製パーツのサスペンションアームやスタビライザーリンクに使用されるブッシュの劣化にも注意が必要です。

これらのブッシュの経年劣化は、異音や振動の原因となり、乗り心地やステアリング操作にも悪影響を及ぼします。

ショックアブソーバーの劣化は操縦性や乗り心地に悪影響を及ぼす

ショックアブソーバー(ダンパー)も比較的多いトラブルです。ショックアブソーバーに不具合があると「ガタガタ」「ゴトゴト」とした異音が発生し、乗り心地や操縦安定性に悪影響が生じます。また、オイル漏れやにじみを確認した場合にはショックアブソーバーを交換しなければ車検を通らないこともあります。

ショックアブソーバーは、オイルとガスが封入された筒状のパーツで、スプリングの動きを抑制し、伸縮したスプリングの動きをゆっくりと戻し、より少ない動きでスプリングの揺れを止めるためのパーツです。

ショックアブソーバーは長期使用により、内部のピストンオイルの劣化、シール材の劣化によるガス漏れやオイル漏れ、内部のオリフィスやポート弁の損耗により、5年5万kmくらいから本来の性能を発揮できなくなります。

高級車やSUVに採用例の多いエアサスが不具合を起こすと勝手に車高が下がる

高級車やSUVを中心に採用されているエアサス(エアサスペンション)にも注意が必要です。エアサスに不具合があると車高が勝手に下がるなどのトラブルが発生します。

エアサスとは、金属製のスプリングの替わりに、空気が入ったシリンダーを使用した構造を持つサスペンションシステムのことです。現在のエアサスは電子制御を取り入れることで、操縦安定性を高めたり、乗り心地の改善を図ったものが主流となっています。

エアサス車の車高が勝手に下がる原因は、足回りに装備されたハーネスの異常が原因となることが多く、制御ユニットのエアサスコントローラーと各部をつなぐハーネスが接触不良を起こしたり、断線したりすると、正しい車高制御ができずに突然車高が下がってしまうことがあります。

ハーネスの異常以外では、空気を送り込むエアサスコンプレッサーやコイルスプリングの替わりとして備える、エアバッグ(エアサスショックアブソーバー)が破損すると、ハーネスの異常と同様に勝手に車高が下がってしまうことがあります。

この記事の監修

柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員
一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事