水温上がらない 原因を解決する方法

水温上がらないのイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • 水温が上がらない場合の代表的な原因は「サーモスタットの不具合」と「ウォーターポンプの不具合」。
  • 水温が上がらないと燃費が悪くなる他、エンジンが正常に作動できずダメージが蓄積する可能性もある。
  • 水温が上がらなくなった場合、整備費用は部品代と工賃で1万〜5万円程度見ておこう。

代表的な原因はサーモスタットの不具合

水温があがらない代表的な原因がサーモスタットの不具合によるものです。

サーモスタットは冷却水の循環を制御する装置で、一定温度になるとサーモスタットが開いてラジエターに冷却水を送って冷却水を冷やします。そして冷却水が冷えるとサーモスタットが閉じてエンジンを温めます。これによりエンジンは常に効率的な温度を保っています。

サーモスタットはエンジンの温度を適切に保つために冷却水の温度を検知し、冷却水の流れを変える役割を担っています。サーモスタットは10万km以内に交換時期を迎える消耗品であり、経年劣化による不具合で開きっぱなしになると冷却水の温度が下がってもラジエターに冷却水を送り続けてしまい、いつまで経っても水温が上がらない(=エンジンが適正な温度にならないオーバークール状態)になることがあります。

サーモスタットに不具合が生じた場合は部品交換と工賃で1万円程度(一部の輸入車などは数万円)かかると思っておくと良いでしょう。

ウォーターポンプの不具合が原因となる場合も

エンジンを始動してしばらく経っても水温が上がらない場合、ウォーターポンプに不具合が発生している場合も考えられます。

エンジンの温度が異常に上昇してしまう“オーバーヒート”という言葉を聞いたことがあると思いますが、いつまで経っても正常値まで水温が上がらないことを“オーバークール”と言います。オーバークール状態だとエンジンを温めようとして燃料の供給が増え、その結果、燃費が悪化します。また、エンジンを正常な状態で動かすことができずに負荷が蓄積し、将来的にエンジン故障の原因になることも考えられます。

水温はメーター内に設置された水温計で確認できます。正常な状態ではエンジンが温まると水温は70〜90℃程度で落ち着きます。水温計では針が真ん中付近を指すのが一般的。水温計がないクルマではエンジン始動後は水温が低いことを示す水温警告灯(多くの場合はブルー)が点灯しています。これはエンジンが温まれば消灯します。

ウォーターポンプはエンジンを最適な温度に保つ冷却水を循環させるパーツです。ウォーターポンプに不具合が生じると冷却水を適正に循環させられなくなり、オーバーヒートやオーバークールなどの原因になります。

ウォーターポンプに不具合が発生した場合、整備には4万〜5万円程度かかると思っておくと良いでしょう。

(高橋 満)

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柴 健太郎

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