始動時に異音（「キュルキュル、キー」という異音） 原因を解決する方法

車の始動時に異音が発生することは珍しい症状ではありません。ただし、「ギギ」や「ガリッ」など、キーやスタートボタンを押した際に発生する異音は車の重大なトラブルに繋がる危険な兆候です。そういった異音の原因はスターターモーター内にあるギア同士が摩耗することで、うまく噛み合わなくなったり、フライホイール、もしくはドライブプレートの亀裂から発生することがあります。一方で「キュルキュル」や「キー」だった場合はクランクシャフトプーリーの不具合が疑われます。

クランクシャフトプーリーとはクランクシャフト先端に付随するプーリー（滑車）のこと。エンジンのピストン往復運動を回転運動に変えるクランクシャフトに取り付けられたクランクシャフトプーリーは、プーリーにかけられたベルトによってオルタネーターや冷却水を循環させるウォーターポンプ、エアコンコンプレッサー、パワーステアリングポンプなど様々な補機類を動かします。

クランクシャフトプーリーの「キュルキュル」や「キー」といった異音は、クランクシャフトと結合する部分やベルトにかかる部分に使用されている振動吸収用のゴムが経年劣化することによって生じるケースが多いようです。なお、ベルトの劣化によっても同じような音が発生することがあります。

エンジン始動時に「キュルキュル」や「キー」と異音が発生したら、最悪、クランクシャフトプーリー自体の破損にも繋がり大きなエンジントラブルの要因となります。そのためプロの整備士に早めに原因を究明してもらう必要があります。

異音の原因がクランクシャフトプーリーだと確認できたら、新品との交換で症状が改善します。クランクシャフトプーリーの交換工賃はおよそ2万5000円から3万円程度。

とくに年式が古い車の場合、経年劣化によるクランクシャフトプーリーの不具合が発生することも珍しくないため、早めに交換することをおすすめします。


（手束 毅）