水侵入 原因を解決する方法

水侵入のイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • ライト類に水が侵入する不具合はフォグランプで起きることが多い
  • フォグランプの空気口から多少の水は侵入するので、数滴くらいの水滴はあまり神経質にならなくても良い
  • フォグランプの内側が水槽のようになったら要修理。水の侵入はパッキンシールで修理できる。
  • 水の侵入によりバルブソケットや配線が腐食してフォグランプが点灯しない場合は本体交換が必要になる

【原因】ライト類の水の侵入で多いのがフォグランプ

ライト類に水が侵入する不具合は、フォグランプで起きることがもっとも多いようです。フォグランプとは、霧や豪雨などの天候不良で視界が確保できないときに使用する補助灯のことで、車両の前方にあるフロントバンパーやグリル内に装着されます。その形状は後付けタイプの角型や円型、メーカー純正品に多いバンパー一体式のビルトイン型などがあります。法規上、フォグランプは補助灯という扱いになりますので、単独での点灯は認められておらず原則としてヘッドライトと同時に使用し、同時点灯は2個までと定められています。

ヘッドライトとフォグランプの大きな違いは照射範囲で、ヘッドライトが光の焦点を遠くに合わせているのに対し、フォグランプは車両の下側を幅広く照らすように設計されています。フォグランプの灯火色は、法律で白もしくは淡黄色以外は認められておらず、アフターマーケット品で見かけるグリーンやピンク、ブルーなどの灯火色の製品は車検を通すことができません。

最近では白色のフォグランプがメーカー純正・既製品を問わず主流となっていますが、白色よりも淡黄色の光のほうが波長が長く、空気中に漂う水の粒を光がすり抜けやすいので、実用性を考えるのなら淡黄色のフォグランプを選ぶことが推奨されています。また、フォグランプの光源はハロゲン式のほか、より明るいHID式やLED式の製品もありますが、降雪地域ではレンズ表面の温度がほかの製品よりも高く、雪が積もりにくいハロゲン式のフォグランプ装着が推奨されています(LEDは発光時に熱をほとんど発しないので雪道で使用するには不向き)。

【解決方法】水の侵入はパッキンシールの交換、バルブソケットや配線が腐食していたらASSY交換で修理

洗車や雨天時の走行で、フォグランプの空気口から多少の水が侵入しますので、レンズの内側に数滴の水滴がつく程度なら問題がありません。しかし、フォグランプの内部が金魚鉢のように水が溜まるようなら、レンズ外周部分とリム部分に挟み込むシールパッキンが経年劣化を起こしているので修理が必要になります。

フォグランプ内に水が侵入した場合は、新品のシールパッキンに交換することで修理します。水が溜まったまま放置すると、バルブソケットや配線がサビなどで腐食し、シールパッキンを交換してもフォグランプが点灯しなくなる恐れがあります。そうしたときはフォグランプ本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換を行います。

フォグランプを本体交換した場合、車種によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせた修理費用は2万円以上になるようです。
(山崎 龍)

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