ブレーキ の故障・不具合について
目次
POINT
- ブレーキキャリパー内部のブレーキピストンシールが不具合を起こすと、ブレーキフルードの漏れやにじみの原因となり、ブレーキが効かなくなる
- ブレーキパッドは、走行距離の増加とともに徐々に摩耗し、使用限界を越えるとブレーキが効かなくなる
- ディスクローターは、ブレーキパッドと同様に走行距離が延びると徐々に摩耗する。ディスクローターが不具合を起こすとブレーキの効きが悪くなる
- ブレーキフルードが劣化するとブレーキの効きが悪くなる。また、リザーバータンクをチェックして加減を下回っている場合はブレーキフルード漏れを起こしている可能性が考えられる
- ブレーキの不具合は安全に直結する重要保安部品だけに注意が必要
ブレーキピストンシールが不具合を起こすとブレーキキャリパー内部でオイル漏れ・にじみを発生させる
ブレーキの不具合で多いのは、ブレーキピストンシールの不具合です。ブレーキピストンシールが不具合を起こすと、ブレーキキャリパー内部で、オイル(ブレーキフルード)の漏れや、にじみが発生します。
ブレーキピストンシールとは、ブレーキキャリパーの中にあるブレーキピストンに装着されるゴム製のリングパーツで、ピストンの前後運動に合わせてブレーキピストンシールも変形し、ブレーキパッドをディスクに押しつけたり離したりします。
ブレーキピストンシールはゴム製のため、長期使用による経年劣化は避けられません。劣化するとブレーキフルードを密封することができなくなって、ブレーキピストンの隙間からオイル漏れを起こします。
ブレーキパッドは消耗品。走行距離が延びると摩耗して行き、やがては使用限界を迎えて不具合を起こす
ブレーキの不具合の中でも、ブレーキパッドの不具合は注意が必要です。ブレーキパッドに不具合があると「キリキリ」あるいは「キー」という異音が発生し、そのまま放置していると摩耗限界を迎えてブレーキが効きづらくなり、制動距離が延びて危険です。また、ブレーキパッドに不具合が発生するとブレーキパッドセンサーの働きによって、ブレーキ系の警告灯が点灯することがあります。
ブレーキパッドは油圧で動くブレーキピストンの働きによって車輪とともに回転するディスクローターに押しつけることで制動力を得ます。ブレーキパッドはディスクローターとの摩擦によって制動力を発揮するため、走行距離が伸びると徐々に削られ、やがては消耗して使用できなくなります。
ディスクローターが摩耗するとディスク面の均一性が失われて不具合の原因となる
ディスクローターもブレーキパッドと同様に走行距離が伸びると徐々に摩耗して行き、摩耗限界を迎えると不具合を発生させます。
ディスクローターが不具合を起こすと「ガガガガ」あるいは「キーキー」などの異音が発生して、ペダルに振動が伝わることになります。ディスクローターはその名の通り、金属製もしくはカーボン製の円盤型をしており、ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッドを車輪とともに回転するディスクローターにブレーキパッドを油圧で押しつけることで制動力を発揮させます。
走行距離に応じてディスクローターは徐々に摩耗して行き、ディスク面に傷がついてレコード盤のようになったり、ディスク面が波打ったようになったりします。そうなるとブレーキパッドの接触面積が減り、摩擦による必要な制動力を得られなくなり、不具合の原因となります。