ブレーキ の故障・不具合一覧

ブレーキ の故障・不具合の一覧を表示しています。該当の症状を選択して、修理方法を確認しましょう。 

※原因は症状から過去の事例を参考にしたもので、不具合の原因を断定するものではありません。
※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

ブレーキ の故障・不具合について

ブレーキのイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員
一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • ブレーキキャリパー内部のブレーキピストンシールが不具合を起こすと、ブレーキフルードの漏れやにじみの原因となり、ブレーキが効かなくなる
  • ブレーキパッドは、走行距離の増加とともに徐々に摩耗し、使用限界を越えるとブレーキが効かなくなる
  • ディスクローターは、ブレーキパッドと同様に走行距離が延びると徐々に摩耗する。ディスクローターが不具合を起こすとブレーキの効きが悪くなる
  • ブレーキフルードが劣化するとブレーキの効きが悪くなる。また、リザーバータンクをチェックして加減を下回っている場合はブレーキフルード漏れを起こしている可能性が考えられる
  • ブレーキの不具合は安全に直結する重要保安部品だけに注意が必要

ブレーキピストンシールが不具合を起こすとブレーキキャリパー内部でオイル漏れ・にじみを発生させる

ブレーキの不具合で多いのは、ブレーキピストンシールの不具合です。ブレーキピストンシールが不具合を起こすと、ブレーキキャリパー内部で、オイル(ブレーキフルード)の漏れや、にじみが発生します。

ブレーキピストンシールとは、ブレーキキャリパーの中にあるブレーキピストンに装着されるゴム製のリングパーツで、ピストンの前後運動に合わせてブレーキピストンシールも変形し、ブレーキパッドをディスクに押しつけたり離したりします。

ブレーキピストンシールはゴム製のため、長期使用による経年劣化は避けられません。劣化するとブレーキフルードを密封することができなくなって、ブレーキピストンの隙間からオイル漏れを起こします。

ブレーキパッドは消耗品。走行距離が延びると摩耗して行き、やがては使用限界を迎えて不具合を起こす

ブレーキの不具合の中でも、ブレーキパッドの不具合は注意が必要です。ブレーキパッドに不具合があると「キリキリ」あるいは「キー」という異音が発生し、そのまま放置していると摩耗限界を迎えてブレーキが効きづらくなり、制動距離が延びて危険です。また、ブレーキパッドに不具合が発生するとブレーキパッドセンサーの働きによって、ブレーキ系の警告灯が点灯することがあります。

ブレーキパッドは油圧で動くブレーキピストンの働きによって車輪とともに回転するディスクローターに押しつけることで制動力を得ます。ブレーキパッドはディスクローターとの摩擦によって制動力を発揮するため、走行距離が伸びると徐々に削られ、やがては消耗して使用できなくなります。

ディスクローターが摩耗するとディスク面の均一性が失われて不具合の原因となる

ディスクローターもブレーキパッドと同様に走行距離が伸びると徐々に摩耗して行き、摩耗限界を迎えると不具合を発生させます。

ディスクローターが不具合を起こすと「ガガガガ」あるいは「キーキー」などの異音が発生して、ペダルに振動が伝わることになります。ディスクローターはその名の通り、金属製もしくはカーボン製の円盤型をしており、ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッドを車輪とともに回転するディスクローターにブレーキパッドを油圧で押しつけることで制動力を発揮させます。

走行距離に応じてディスクローターは徐々に摩耗して行き、ディスク面に傷がついてレコード盤のようになったり、ディスク面が波打ったようになったりします。そうなるとブレーキパッドの接触面積が減り、摩擦による必要な制動力を得られなくなり、不具合の原因となります。

この記事の監修

柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員
一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事