異音、振動(「シューッ」という加速時の異音) 原因を解決する方法
POINT
- 加速時にエンジンルームから空気が抜けるような音がする場合、吸気系が疑わしい。
- インテークマニホールドの損傷によりエンジンの燃焼に影響を及ぼす。
- 金属製は破損部分の修復が可能、樹脂製は新品アッセンブリー交換が前提。
燃焼室に吸気を導入するインテークマニホールドが破損
インテークマニホールドは、エアクリーナーが吸入した空気をシリンダー(燃焼室)ごとに分配・供給する、枝分かれしたパイプ状のパーツ。
インテークマニホールドが損傷すると、その部分から余分な空気を吸い込むことになり、シリンダーに送り込まれる混合気(燃料と空気が混ざり合い、ガス化、霧状になったもの)が本来の設定よりも薄くなります。これが原因で理想的な燃焼が行えず、エンジンオイルの漏れやにじみ、異音、振動の発生、加速力の低下、エンジン警告灯の点灯など、エンジンの不調を招きます。
インテークマニホールドはスロットルボディやキャブレターと、エンジンの間をつなぐように配置され、機密性を保つためのガスケットを挟み込んでシリンダーヘッドの側面に取り付けられています。
構造的にはシリンダーの数とインテークマニホールドのパイプ数は同数になります。インジェクション車の場合はスロットルボディから取り入れた空気をシリンダーに振り分けるサージタンクと呼ばれる、一時的に空気を溜めておくことで吸気密度を高めたり、吸気干渉を防いだりするタンクが備わります。
材質は鉄やアルミダイキャストなどの金属や、2000年代に入ると軽量化や成形自由度に優れ、金属製に比べて吸気温度を低く抑えられる樹脂製が増えています。耐用年数は車種や使用環境によっても異なりますが、一般的にはクルマの寿命と同じぐらいとされています。
長寿命のインテークマニホールドですが、降雪地域や沿岸地域で使った車、経年車は劣化による腐食で、ひび割れを起こしたり、穴が開いてしまったりすることがあります。また、樹脂製は腐食の心配はありませんが、エンジンルームは高温になるため、金属製と同じように経年劣化により破損する場合があります。
破損部分の修復、樹脂製はアッセンブリー交換
金属製のインテークマニホールドは溶接や金属パテを使った補修で対処できる場合があります。樹脂製は部分補修が難しく、車種によってはインテークマニホールドやエアダクト、ホース類まで含めたアッセンブリー交換が必要になります。インテークマニホールドのみを新品に交換する場合、部品代と工賃で3万〜4万円前後、アッセンブリー交換の場合、5万〜7万円台が目安になります。
(湯目由明)
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