変速しない(2速に固定される) 原因を解決する方法
POINT
- ATが2速や3速に固定されて変速しない原因はATを冷却するATオイルクーラー、AT内部のATバルブボディの不具合
- ATオイルクーラーに不具合があるとATフルードの冷却能力が損なわれることで油圧保持能力が低下し、異常を検知したECUがセーフモードに入り2速や3速に固定されてしまう
- ATバルブボディに不具合が生じると、変速ショックが大きくなるほか、ATが変速しなくなるなどの不具合が生じる
ATオイルクーラー、ATバルブボディの不具合による油圧異常が原因
ATが2速や3速に固定されて変速しない原因は、ATを冷却するATオイルクーラー、AT内部のATバルブボディの不具合が疑われます。
ATオイルクーラーとは、ラジエター内部に装着されたAT専用のオイルクーラーのことで、エンジン冷却水でATフルードを冷やします。ATオイルクーラー に不具合があると、ATフルードの冷却能力が損なわれることで油圧保持能力が低下し、2速や3速に固定されて変速しないなどのAT本体のトラブルを招きます。最近の車両はAT内部の油圧センサーを備えており、油圧の低下を検知するとECUがセーフモードに入り、ミッション保護のために2速や3速固定となってしまいます。この場合はトランスミッション警告灯が点灯するケースが大半です。稀に油圧センサー自体の故障で同様の症状が起きることもあります。
ATバルブボディとは、AT内部に迷路のように張り巡らされたオイルの流入経路を、油圧を制御する多数のバルブで構成されたパーツのことです。この流入通路をATフルードが流れることで変速操作を行います。ATバルブボディに不具合があると、ATの変速ショックが大きくなるほか、変速不能になって、シフトレバーをDレンジに入れても2速や3速に固定されたまま、変速不能になることがあります。
ATオイルクーラーの修理・交換、ATバルブボディ本体の交換で対応
ATオイルクーラーの不具合の多くはATフルード漏れで、ゴム製のホースやシールワッシャー、Oリングが経年劣化することでフルード漏れを起こします。ATオイルクーラー本体の故障は、金属製のパイプ部分の腐食や飛び石、事故による破損が原因となります。修理はフルード漏れを起こした箇所を修理で対応しますが、ATオイルクーラー本体の破損は新品一式(ASSY:アッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ)に交換します。その場合の修理費用は、フルード漏れの修理が数千円?1万円ほど、ATオイルクーラー本体の交換が3?5万円ほどです。
ATバルブボディの不具合により、2速や3速に固定されて変速しない症状は、整備工場でATフルードの交換やATフルードの添加剤を入れることで症状が改善する場合があります。しかし、それでも症状が変わらない場合には、ATバルブボディ本体を交換することになります。修理費用は車によってまちまちですが、おおよそ10?30万円ほどかかるようです。
(山崎龍)
トランスミッションの不具合は重大事故の要因にも!?
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