異音（「ヴィーン、ギュイーン」という異音） 原因を解決する方法

走行中にトランスミッションからの「ヴィーン」や「ギュイーン」という異音が発生した場合、AT車はトルクコンバーター 、CVT車はCVT本体やCVTフルードに主な原因があると考えられます。

トルクコンバーターとは、AT（オートマチック・トランスミッション）本体に内蔵されたトルク増幅機能を持つ流体クラッチのことで、形状はドーナツ型をしており、その中に2枚の羽根車が入っています。その羽根車のいっぽうがエンジン、もういっぽうがトランスミッションに接続され、駆動力をトランスミッションに伝達しています。一般的な使用方法でトルクコンバーターが故障することは滅多にありませんが、メーカー指定のATフルードの交換サイクルや指定粘度を守らなかったり、フルードの交換時にゴミなどの異物が混入すると、「ヴィーン」や「ギュイーン」という異音を放つようになり、変速ショックの増大や変速不良を起こして、やがて走行不能になります。

CVT車で走行中、「ヴィーン」や「ギュイーン」といった異音が発生した場合は、CVT（無段変速トランスミッション）本体の損傷や故障、潤滑油であるCVTフルードの劣化が考えられます。

ATフルードやCVTフルードは無交換を謳う車種も存在しますが、異音や振動などのトラブルを未然に防ぐためには、2〜4万kmごとに整備工場で定期交換することを推奨します。

走行中に「ヴィーン」や「ギュイーン」という異音が発生した場合は、変速不良や走行不能などの深刻な不具合を生じさせる前に、整備工場に入庫し、適切な点検・修理を受ける必要があります。

ATからの異音はATフルードの交換によって症状が収まることがあります。しかし、ATは精密機器のため、ATフルードを7〜8万km以上交換していないクルマは、新しいフルードに交換したことで内部に溜まったスラッジを溶かし、オイルの経路をつまらせるリスクがあるので、まずは作業の可否を整備工場に相談することを推奨します。

ATフルードを交換しても症状が改善されない場合、異音を消すためには新品もしくは程度の良い中古のトルクコンバーターに載せ替えが必要になることがあります。

トルクコンバーターの修理費用は車種によってまちまちですが、ATフルード交換はおおよそ1〜4万円、トルクコンバーターの載せ替えは30〜100万円ほど必要になります。

CVTからの異音も対応はAT同様で、CVTフルードの交換で異音が解消されない場合はCVT本体の載せ替えとなります。その場合の修理費用は、CVTフルード交換がおおよそ1〜4万円、CVT本体の載せ替えが30〜100万円ほどかかります。

（山崎龍）