加速しない(ATが変速しない) 原因を解決する方法
POINT
- ATが変速せずに加速しない症状は、ATオイルプレッシャースイッチ、ATフルード、トルクコンバーターの不具合。
- ATオイルプレッシャースイッチに不具合があると、ATが変速せずに加速しない、シフトショックが大きくなる、前進
- 後退ができなくなることがある。
- 長期間無交換のまま劣化したATフルードを使用し続けると、トルクコンバーターの「滑り」を引き起こし、ATが変速せずに加速しなくなることがある。
- ATフルードやATオイルプレッシャースイッチのATが変速せずに加速しない症状が改善することが多いが、不具合が改善しない場合にはトルクコンバーターの載せ替えが必要になる。
ATオイルプレッシャースイッチ、ATフルード、トルクコンバーターの不具合が疑われる
ATが変速せずに加速しないのは、ATオイルプレッシャースイッチ、ATフルード、トルクコンバーターの不具合が主な原因として疑われます。
ATオイルプレッシャースイッチとは、ATやCVT、DCTなどのトランスミッション本体にボルトで組み付けられ、自動変速に必要な内部の油量や油圧を常時モニターする油圧センサーのことです。ATオイルプレッシャースイッチに不具合があると、ATが変速せずに加速しない、シフトショックが大きくなる、前進・後進ができなくなるなどの症状が現れます。車種によってはトランスミッション警告灯が点灯し、ECUがミッション保護モードに入ってしまうことで、2速や3速に固定されることもあります。
トルクコンバーターとは、ATに採用されたトルク増幅機能を持つ流体クラッチのことです。その内部構造はATフルード(ATF)で満たされたドーナツ型の容器(フルードカップリング)の中に向かい合った2枚の羽根車が入っており、いっぽうがエンジン、もういっぽうがトランスミッションに接続されています。
ATフルードとは、ATの作動・潤滑油のことで、長期間無交換のままだと伝達効率が落ちて加速不良や燃費悪化を招きます。それが進むと内部のギアが磨耗を引き起こし、その鉄粉がフルードに混入することで、トルクコンバーターに不具合が生じます。エンジンの回転が上昇しても駆動力が車輪に伝わらないという「ATの滑り」が発生し、変速不良や加速不良を招くのです。
ATオイルプレッシャースイッチの交換、トルクコンバーターの載せ替え
ATが変速せずに加速しない症状は、ATフルードを交換することで改善することがありますが、それで問題が解決しないときは、整備工場に修理を依頼してATオイルプレッシャースイッチを新品の本体一式(ASSY:アッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ)に交換してもらう必要があります。修理費用は車種によっても異なります
が、ATフルードの交換もATオイルプレッシャースイッチもともに1〜4万円ほどになります。
ATオイルプレッシャースイッチやATフルードの交換でも症状に変化がない場合は、トルクコンバーター本体一式を新品もしくはコンディションの良い中古品に載せ替える必要があります。その場合の載せ替え費用は車種によってまちまちですが、おおよそ20〜100万円ほどの金額が必要になります。
(山崎龍)
トランスミッションの不具合は重大事故の要因にも!?
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