異音 原因を解決する方法
POINT
- CVTからの異音はスターティングクラッチの汚れが主な原因
- ステップ式ATからの異音はトルクコンバーターやATポンプが原因で、不具合を起こしたパーツを新品に交換する必要がある
- MTからの異音はクラッチのレリーズベアリングが主な原因で、クラッチ板とクラッチカバーを一緒に交換する
【原因】トランスミッションから異音が出たときはこのパーツの不具合を疑う
トランスミッションからの異音は、CVT(無段変速機)、ステップ式AT(トルクコンバーターと自動変速機で構成されたAT)、クラッチ、メカトロニックなどの不具合が原因です。
CVTは、一般的なMTやステップ式ATとは異なり、ギア(歯車)の代わりに金属ベルトで連結させたふたつのプーリーのベルトの嵌る溝の位置を変化させることで、変速比を無段階に変えることができる最近の軽自動車やコンパクトカー、ミニバンで主流のATのことです。
ステップ式ATは、エンジンから発生した動力を流体クラッチのトルクコンバーターでトルクを増幅しつつ受け止めて、複数のプラネタリーギア(遊星歯車)からなるトランスミッションへと伝達し、油圧制御により段階的にギア比を替えて行く自動有段変速機のことを指します。以前はこのタイプがATの主流でしたが、今でもSUVや高級セダン、輸入車などに採用されています。
クラッチは、MT車に備わる動力伝達装置のことで、クラッチディスク、クラッチカバー、レリーズベアリングの3点で成立しており、クルマの発進・停止・変速時にエンジンからの動力をトランスミッションへと伝達・遮断します。
メカトロニックユニットは、油圧を制御するATバルブボディと油温センサーやギアポジションセンサーなどを制御するコンピューター基盤が一体になったパーツで、AT本体の内部に存在します。
メカトロニックユニットの内部構造は、迷路のようにオイルの流入経路が張り巡らされ、油圧を制御する多数のバルブで構成されています。
【解決方法】トランスミッションからの異音はパーツ交換で直ることが多い
CVTからの異音は、スターディングクラッチのディスク表面にスラッジやグリスの飛び散りによる汚れの付着、クラッチ板のダンパースプリングの摩耗、クラッチの調整不良などの不具合が原因で、加速や減速時に「ジャダー」と呼ばれる振動とともに発生します。
CVTからの異音は、スターティングクラッチの交換が必要になることがあります。
ATからの異音は、変速時に振動とともに発生することが多く、トルクコンバーターの異常やATオイルポンプ、ミッション内部のベアリングの摩耗が主な原因となります。
トルクコンバーターの異常やATオイルポンプからの異音は、故障箇所のパーツ交換で直ることもありますが、症状が改善されない場合にはATの本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換となります。
MTからの異音はクラッチのレリーズベアリングが寿命を迎えたことが原因です。
レリーズベアリングから異音が出るようになると、クラッチ板やクラッチカバーも相応に磨耗していますので、工賃を節約するためにも一緒に交換することをおすすめします。
メカトロニックユニットは走行距離が増えると徐々にATフルード(ATF)の流入通路にスラッジが溜まって行き、異音を発生やシフトショックの増大、ATが誤作動を起こす原因となります。
その場合はメカトロニックユニットのオーバーホールもしくは新品への本体(ASSY)交換が必要になります。
(山崎 龍)
トランスミッションの不具合は重大事故の要因にも!?
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