異音(「コツコツ」という操作時の異音) 原因を解決する方法
POINT
- ブレーキ操作時の「コツコツ」という異音は、ディスクローター、ABSアクチュエーター、ブレーキブースターの不具合が原因
- ディスクローターが異音の原因の場合は、ローターの研磨
- 交換で対応する。その際にブレーキパッドも同時に交換するのが一般的
- ABSアクチュエーターが故障すると異音が発生するほか、ペダルを踏んだときに振動や反力を感じることがある
- ABS作動時に「コツコツ」や「ググググ」という音が聞こえることもあるが、これはABSが正常に働いている作動音なので異常ではない
ディスクローター、ABSアクチュエーター、ブレーキブースターの不具合
ブレーキ操作時に「コツコツ」という異音が聞こえるのは、ディスクローター、ABSアクチュエーター、ブレーキブースターの不具合が疑われます。
ディスクブレーキとは、ホイールと一緒に回転するディスクローターに、ブレーキキャリパー内部のブレーキピストンがブレーキパッドを押し付けることで制動力を発生させる制動装置です。
金属もしくはカーボン製のディスクローターはブレーキを踏むと徐々に削摩耗して行き、入り込んだ砂やゴミの影響でディスク表面は徐々にレコード盤のような傷が入ります。するとブレーキを踏んだときにブレーキパッドがディスクに均一に当たらず、片減りや段付きを起こし、操作時に「コツコツ」という異音を発することがあります。
ABSアクチュエーターとは、ABSの作動に応じて液圧の増減・持続を行う装置のことで、エンジンルームのブレーキマスターシリンダーの側にあり、電動モーター、油圧ポンプ、電磁弁、アキュームレーターで構成されています。
ABSアクチュエーターが故障すると、ブレーキ操作時にブレーキペダルに振動や反力を感じることがあるほか、「キーキー」や「コツコツ」といった異音が発生することがあります。
ABSアクチュエーターの不具合は、長期間使用を続けると内部コンピューターの破損、ポンプモーターやポンプリレーの故障などが原因になる場合と、高圧でブレーキフルードを圧送するオイルラインがひび割れする場合があります。
ブレーキブースターとは、ブレーキペダルを踏む力をアシストして、小さな力でブレーキマスターシリンダーのピストンを押せるようにする真空倍力装置のことです。ブレーキブースターはエンジンルーム左右の隔壁に備わります。
ブレーキブースターが故障すると、「シュー」という空気の抜けるような異音のほか、ペダルの付け根で「コツコツ」「ボコボコ」「ギー」などの異音を放つことがあります。異音を伴う不具合は、エンジンのインテークパイプとブレーキブースターを接続するバキュームホースに穴が開き、作動に必要な負圧がかからなくなったことで発生します。
また、ABSが作動すると「コツコツ」や「ググググ」という音を放つことがあります。とくに雨の日や水溜りを走ったときに音が顕著に聞こえますが、これはABSが正常に機能している証なので不具合や故障ではありません。
ディスクローターの研磨・交換、ABSアクチュエーターの交換、ブレーキブースターの修理・交換
ディスクローターが異音の発生源となったときは、整備工場に修理を依頼し、ディスクローターの研磨、もしくは新品に交換してもらいます。ブレーキパッドも同様に摩耗していることが多く、同時に交換してもらうのが一般的です。修理費用はまちまちですが、ディスクローターとブレーキパッドの研磨が1カ所1〜2万円ほど、新品のディスクローターに交換した場合は1カ所につきおおよそ1万5000円〜5万円ほど、ブレーキパッドは左右2枚1組で1万円〜4万円ほどです。
ABSアクチュエーターに原因がある場合は、修理します。修理費用は車種によってまちまちで、おおよそ10万円?30万円ほどです。
ブレーキブースターの不具合は、バキュームホースが原因となることが多く、新品のホースに交換すれば症状は治まりますが、ブレーキブースター本体の故障の場合はオーバーホールができないため、新品もしくは程度の良い中古品で本体の交換一式が必要になります。修理費用は車種によって異なりますが、バキュームホースの交換が数千円?1万円ほど、ブレーキブースター本体の交換で2?10万円ほどになります。
(山崎龍)
ブレーキの不具合は重大事故の要因にも!?
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