オイル漏れ・にじみ 原因を解決する方法
POINT
- エンジンオイル漏れやにじみはパーツやシール類の損傷や経年劣化による摩耗
- 肉やせ、締め付けトルクの管理不足が原因となる
- エンジンオイル漏れやにじみが生じた場合、エンジンオイル漏れ止め剤を添加することで安価に修理できるケースがある
- エンジン本体のASSY交換やオーバーホールが必要な場合は修理代の高額化することが多い
【原因】エンジンオイル漏れやにじみが発生するのは?
エンジンがオイル漏れやにじみを起こし、エンジンオイルの消費量が増えるのは、エンジン本体、エンジン内のオイルシール類、ターボチャージャー、インテークマニホールド、オイルコントロールバルブなどの不具合が主な原因となります。
エンジンは、動力を発生させる重要なパーツで、乗用車に広く普及している4サイクルエンジンの本体は、吸排気バルブの駆動や混合気・排気ガスが流れるポートなどを備えたシリンダーヘッド、複数のピストンが収まるシリンダーブロック、クランクシャフトが収められたクランクケースで構成されています。
エンジン内部にはクランクフロントオイルシールやクランクリアオイルシール、カムシャフトオイルシール、オイルポンプシールなど数多くのオイルシール材が使用されています。オイルシール材とは、機械がスムーズに動くように、2つの機械部品の間に挟み込まれるゴムと金属から作られたパーツで、オイルや水などを密封し、漏れを防止する役割が与えられています。オイル交換など定期的なメンテナンスを怠らなければ、10万km程度まではオイル漏れを引き起こすことはあまりありません。
一方で、エンジンには補機類と呼ばれる様々な装置が付いています。こちらは本体よりも寿命が短く、5〜6万kmを超えたあたりから故障が発生することもあります。オイル漏れの原因となることの多い補機を以下に列挙します。
ターボチャージャーは、排気ガスの圧力でタービン内部の羽根車を回し、より多くの空気(酸素)を燃焼室に送り込むことで、同じ排気量の自然吸気エンジンに比べてより大きなパワーを得られる過給機のひとつです。
インテークマニホールドは、エアクリーナーから吸い込んだ空気をエンジンの各シリンダーに送り込むパイプのことです。
オイルコントロールバルブは、可変バルブタイミング採用のエンジンに装着されるパーツで、バルブタイミングをコントロールする油圧式のソレノイドバルブのことを指します。
【解決方法】添加剤で解消しない場合はエンジン本体の修理となる
エンジンオイル漏れやにじみは、パーツの損傷や経年劣化による摩耗や肉やせ、締め付けトルクの管理不足から生じます。
エンジンオイル漏れやにじみが発生した場合は、ボルトやナットが規定トルクになるように増し締めしたり、エンジンオイルの漏れ留め剤を添加したりすることで、症状が改善されるケースがあります。
こうした対処方法を試してみてもエンジンオイル漏れやにじみが改善されない場合は、パーツが経年劣化による摩耗や肉やせが原因で機能低下を起こしているからで、その場合はエンジン本体(ASSY・アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換、もしくはオーバーホールが必要となります。
車種や故障箇所、エンジンの状態によっても異なりますが、エンジン本体の交換やオーバーホールには、部品代と工賃を合わせて30〜100万円以上の修理費用がかかります。
エンジン本体の不具合ではなくオイルシール材の経年劣化の場合は、オイルシール材を新品に交換することで修理します。
こちらはエンジン本体のオーバーホールとは異なり、故障箇所によっても異なりますが、修理費用は部品代と工賃を合わせて数千〜数万円ほどになります。
ターボチャージャーが故障した場合には新品もしくはリビルト部品、または程度の良い中古品で本体(ASSY・アッセンブリー:複数のパーツが一式組み合わさった交換用パーツ)交換することになり、車種によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせた修理費用はおおよそ10〜30万円になります。
インテークマニホールドからのオイル漏れやにじみが原因の場合は、エンジンとインテークマニホールドとの間に挟み込むガスケットの劣化がほとんどです。
車種によっても異なりますが、インテークマニホールドのガスケットの交換は、部品代と工賃を合わせて数万円で修理ができます。
オイルコントロールバルブは分解修理ができないので新品交換で対応します。
(山崎 龍)
エンジンの不具合は重大事故の要因にも!?
技術力の高い修理工場に早めに修理を依頼しておくことで、
結果として安く済む可能性が高いです。
カープレミアガレージは東証プライム上場企業のプレミア
グループが厳しい基準で加入している安心できるお店です。