サビ、腐食 原因を解決する方法
POINT
- 路面凍結防止用の融雪剤が足回りをサビさせる。
- 足回りのサビや腐食が酷くなると走行安定性を悪化させる。
- 腐食した部品は交換するのが一般的。
融雪剤を浴びる足回りは錆びやすい
降雪地やその周辺は、冬季、路面凍結を防ぐための融雪剤や凍結防止剤が撒かれます。これらは塩化カルシウム、平たくいうと塩。塩は水が凍る温度を低くする特性がありますが、困ったことに「サビを促進させる」という特性も同時に有しています。
自動車の大部分は、いわゆる鉄で作られています。もちろん防錆塗料などで保護されてはいるものの、クルマにとって融雪剤や凍結防止剤は大敵です。特に足回りは、走行中、タイヤによって融雪剤や凍結防止剤が巻き上げられるので、サビの促進を遅らせるメンテナンスを頻繁に行っていないと、サビや腐食により、足回りが担う走行安定性を保つという機能を損ねてしまうことになるのです。
アクスルハウジングも足回りの重要な部位のひとつ。タイヤの付く車軸を支える部分であり、またサスペンションアームやスプリング、ショックアブソーバーを介してボディに組み込まれることで、路面の凹凸をボディに伝えないようにしています。そんなアクスルハウジングは、走行中に大きな力が加わるため、厚い鉄板で作られています。著しくサビるとその部分が薄くなってしまい、走行するのに必要な強度が保てなくなってしまうのです。
元の形状を保っている場合でも、アクスルハウジングを構成する鉄板の厚さが薄くなれば、その部分の強度を保てなくなるので、乗り味や走行安定性に悪影響を及ぼします。また長年の使用によって鉄板の一部が損失するほどサビや腐食が進行してしまうと、絶対的に強度不足となるので、走行中に足回りが破断してしまうことも十分にあり得ます。現実にそうなってしまったら、コントロールを失い、大事故となってしまうでしょう。
サビが発生した部品を正常なものに交換
サビや腐食の状態により、解決方法も違ってきます。サビが軽度な場合は、サビの進行を遅らせるべく、防錆処理を施すことになります。具体的にはサビや汚れを落とし、アンダーコートを塗布するという対処法となります。サビの範囲にもよりますが、1万円前後になります。
サビや腐食が激しく、アクスルハウジングが本来の形状を保っていない場合はアクスルハウジングを交換する必要があります。そのため作業が大掛かりなものとなってしまいます。新品に交換する場合、アクスルハウジングに組み込まれた部品を分解し、それを再び組み付ける必要があります。部品代とともに組み替え工賃も発生してしまうので、費用はかなり高額となるはずです。
アクスルハウジングに問題が生じるほどサビてしまうことは、新しいクルマではあり得ません。つまりこのトラブルが発生してしまう車両は、旧いクルマであることがほとんどです。そういったクルマに高額な修理費用を投じるオーナーは稀なので、多くの場合は程度のいい中古部品を一式(ASSY)で交換することになります。
降雪地や沿岸部といった塩害が問題になる地域で使われたクルマでなければ、アクスルハウジングが機能的に問題になる程サビることは稀。よほど特殊な車種、もしくは極端に旧い車種でなければ、状態のいい中古部品を手に入れられるはずです。
部品交換を伴う修理費用は、平均的な金額として6万?7万円。サビの発生具合によっては、修理箇所が増えてしまうので、大きく上振れすることもあることを知っておきましょう。
(坪内英樹)
足回りの不具合は重大事故の要因にも!?
技術力の高い修理工場に早めに修理を依頼しておくことで、
結果として安く済む可能性が高いです。
カープレミアガレージは東証プライム上場企業のプレミア
グループが厳しい基準で加入している安心できるお店です。