クラッチペダルが振動する 原因を解決する方法
POINT
- クラッチペダルからの振動はクラッチカバー、クラッチディスク、レリーズベアリングの不具合が主な原因となる
- クラッチは消耗品なので走行距離が伸びるとクラッチペダルの振動だけでなく、異音を発生させることがある
- クラッチペダルから振動を感じたら工賃節約のためクラッチカバー、クラッチディスク、レリーズベアリングをセットで交換する
【原因】クラッチからの振動はクラッチを構成するパーツの不具合が原因
走行中にクラッチペダルが振動するのは、クラッチカバー、クラッチディスク、レリーズベアリングの不具合が主な原因です。
クラッチは、MT車のエンジンとトランスミッションに間に備わる動力伝達装置のことで、クラッチディスク、クラッチカバー、レリーズベアリングの3つの円盤状のパーツで構成されており、クルマの発進・停止・変速時にエンジンからの動力をトランスミッションへと伝達・遮断する役目が与えられています。
クラッチカバーは、クラッチを構成するパーツのひとつで、クラッチディスクやフライホイールを覆うように装着し、エンジンからの動力の伝達と遮断を行うパーツです。
乗用車に広く採用される乾式単板クラッチの場合、クラッチペダルの踏力がクラッチマスターシリンダーで油圧に変換・増幅され、その圧力によってクラッチカバーの内周にあるダイヤフラムスプリングを作動させることで荷重を解放し、クラッチカバーにあるプレッシャープレートをディスクから切り離すことにより、動力の伝達・遮断を行います。
クラッチディスクは、クラッチを構成するパーツのひとつで、エンジンからの動力をトランスミッションに伝える摩擦版のことです。
クラッチディスクは動力を伝える摩擦材の上にクラッチを押しつけると伸び、離すと伸びる構造のクッショニングスプリングが装着され、ディスク中央部には駆動系の振動や騒音を吸収するトーションスプリングとフリクションワッシャーが備わり、センター部分にはトランスミッションへ動力を伝えるハブスプリングが設けられています。
レリーズベアリングは、クラッチを構成するパーツのひとつで、ダイヤフラムスプリングを引き上げてクラッチペダルからの踏力をクラッチ本体に伝達・遮断します。
【解決方法】クラッチディスク、クラッチカバー、レリーズベアリングは一緒にまとめて交換する
クラッチカバーにクラッチペダルを振動させる原因がある場合は、経年劣化によりダイヤフラムスプリングが本来の機能を失い、クラッチディスクを押し付ける力が弱まったことが考えられます。
クラッチカバーの不具合は、クラッチペダルからの振動のほか、クラッチペダルが重くなったり、クラッチを切ったときに滑りを感じたりすることがあります。
クラッチディスクにクラッチペダルを振動させる原因がある場合は、長期の使用でクラッチディスクの内側に備わるダンパースプリングにガタやヘタリが出た疑いがあります。
クラッチディスクの不具合は、クラッチペダルからの振動のほか、クラッチを切った時に「カタカタ」という異音を発生させることがあります。
レリーズベアリングにクラッチペダルを振動させる原因がある場合は、経年劣化によってベアリングが損傷や磨耗したことが考えられます。
レリーズべアリングの不具合は、クラッチペダルからの振動のほか、ベアリングから「シャー」という異音を発生させる場合があります。
クラッチは消耗品ですので、こうした症状が出た場合は、工賃節約のためにもクラッチカバー、クラッチディスク、レリーズベアリングを一緒に交換することをおすすめします。
車種によっても異なりますが、クラッチカバー、クラッチディスク、レリーズベアリングをセットで交換した場合、工賃と部品代を合わせた修理代は5〜10万円ほどになります。
(山崎 龍)
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