変速ショックが大きい(なかなか変速しない) 原因を解決する方法

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • 変速ショックが大きくなかなか変速しない症状は、まずATフルードを検討する
  • ATフルードの劣化でトルクコンバーターや、メカトロニックユニットが正常に作動していない可能性
  • ATフルードの交換で症状が改善しない場合は、トルクコンバーターは載せ替え、メカトロニックユニットはオーバーホール
  • 交換が必要

関連する症状

ATフルードの劣化によるトルクコンバーター、メカトロニックユニットの不具合

ATの変速ショックが大きくなかなか変速しないのは、ATフルード(ATF)の劣化によるトルクコンバーター、メカトロニックユニットの動作不良が主な原因として考えられます。

ATフルードとは、トルクコンバーターと自動変速機で構成されたATに使用される潤滑・作動油のことです。劣化したATフルードの使用をそのまま継続すると、AT内部にスラッジが溜まって本来の性能を発揮できなくなるほか、変速ショックが大きくなり、なかなか変速しなくなります。

トルクコンバーターとは、ステップ式と呼ばれる一般的なATに採用されたトルク増幅機能を持つ流体クラッチのことです。トルクコンバーターはそうそう壊れることはありませんが、メーカー指定のATフルードの交換サイクルや指定粘度を守らなかったり、フルードの交換時にゴミなどの異物が混入すると、変速ショックが大きくなり、なかなか変速しなくなります。

メカトロニックユニットは、油圧を制御するATバルブボディと油温・油圧センサー、ギアポジションセンサーなどを制御するコンピューター基盤を一体化したパーツで、AT本体の内部に備わり、内部構造は迷路のようにオイルの流入経路が張り巡らされ、油圧を制御する多数のバルブで構成されています。走行距離が増えると徐々にATフルードの流入通路にスラッジが溜まります。そうなると変速ショックが大きくなり、なかなか変速しなくなります。

ATフルードの交換、トルクコンバーターの載せ替えなどで修理する

ATの変速ショックが大きくなかなか変速しない症状が現れた場合、まずはATフルードの交換を検討します。ATはデリケートなため、走行距離が7〜8万km以上無交換な車の場合、新しいフルードが内部に溜まったスラッジを溶かしてオイルの経路をつまらせる可能性があるので、作業前に整備工場に相談することを推奨します。

フルード交換をしても症状が改善されない場合、トルクコンバーターは載せ替え、メカトロニックユニットはオーバーホール、もしくは交換の必要があります。

修理費用は車種によっても異なりますが、ATフルード交換はおおよそ1〜4万円、トルクコンバーターの載せ替えは30〜100万円、メカトロニックユニットのオーバーホールは15〜30万円、交換の場合は20〜40万円ほどかかります。

(山崎龍)

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変速ショックが大きい(なかなか変速しない) の原因一覧

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※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

1
  • A/Tフルードの故障

    よくある度:

    星3
    • 変速ショックが大きい(なかなか変速しない)

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