クラッチが引っ掛かる 原因を解決する方法

クラッチが引っ掛かるのイメージ

記事監修:柴 健太郎

プレミアモビリティサービス株式会社 執行役員/一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)理事

POINT

  • 走行中にクラッチが引っ掛かりを感じたときは、クラッチマスターシリンダー(クラッチポンプ)の不具合が疑われる
  • 長期間クラッチフルードを交換しないと錆が発生し、クラッチマスターシリンダーの内部パーツを傷つけ、フルード漏れやにじみの原因となる
  • クラッチマスターシリンダーの不具合は交換が主流

【原因】クラッチが引っかかる原因はクラッチマスターシリンダーの不具合

走行中にMT車のクラッチが引っかかるときは、クラッチマスターシリンダー(クラッチポンプ)の不具合が考えられます。

クラッチマスターシリンダーは、クラッチペダルの踏力をテコの原理とパスカルの原理を利用して油圧に変換・増幅してクラッチレリーズシリンダーへと伝達する装置です。

クラッチマスターシリンダーの構造は、鋳鉄やアルミ製のシリンダーボディの中に油圧を発生させるピストン、ピストンを戻して油圧を解放するリターンスプリング、油圧を発生させるゴム製のプライマリーカップ、オイル漏れを防止するゴム製のセカンダリーカップがあります。

クラッチフルードを溜めるリザーバータンクは樹脂製で、シリンダーボディとタンクを分けた別体式のほか、シリンダーボディとの一体型もあります。

【解決方法】不具合を起こしたクラッチマスターシリンダーは交換で修理する

クラッチマスターシリンダーの不具合によってクラッチが引っかかる場合は、クラッチフルードの汚れやフルード漏れが原因として疑われます。

クラッチフルードを汚れたまま使用していると、クラッチの切れが悪くなって伝達効率が落ちてギアが入りにくくなるだけでなく、経年劣化によってクラッチフルードの水分比率が高くなって、マスターシリンダーの内部部品を錆びさせる恐れがあります。

マスターシリンダー内に錆が発生すると、内部部品の動きが悪くなるだけでなく、クラッチフルードに混入したサビの粒がゴム製のプライマリーカップやセカンダリーカップを傷つけ、クラッチフルード漏れの原因となります。

クラッチフルードはエンジンオイルやブレーキフルードほど頻繁に交換するものではありませんが、5年・5万km程度のサイクルで交換することをおすすめします。

マスターシリンダーのリザーバータンクの液量が減っていたり、マスターシリンダーボディから漏れやにじみを発見したときは、マスターシリンダーの交換が必要になります。

マスターシリンダーは内部のオイルシールやカップ、クラッチフルードの通り穴が空いたバンジョーボルトからオイル漏れやにじみを引き起こすことが多いようです。

マスターシリンダーの修理費用は、車種によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせて3〜5万円ほどになるようです。

(山崎 龍)

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※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

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