スムーズに変速しない(変速時に回転だけ上がる) 原因を解決する方法
POINT
- ATが変速時に回転だけ上がってスムーズに加速しないのは、メカトロニックの不具合が疑われる。
- メカトロニックユニットの不具合は走行距離が増えることによって、ATフルードの流入通路にスラッジが溜まって行くことが原因。
- ATフルードの交換で症状が改善しない場合は、ディーラーや整備工場でメカトロニックユニットのオーバーホール、もしくは新品の本体一式に交換する必要がある。
- 定期的なATフルードの交換を行うことでトラブルを未然に防ぐことができる。
ATメカトロニックの不具合が疑われる
ATが変速時に回転だけ上がってスムーズに加速しないのは、メカトロニックの不具合が考えられます。
メカトロニックユニットとは、油圧を制御するATバルブボディと油温・油圧センサーやギアポジションセンサーなどを制御するコンピューター基盤が一体になった電子機器で、AT本体の内部に存在し、その内部構造は、迷路のようにオイルの流入経路が張り巡らされ、油圧を制御する多数のバルブで構成されています。
メカトロニックユニットは走行距離が増えると徐々にATフルード(ATF)の流入通路にスラッジが溜まって行き、異音を発生やシフトショックの増大し、AT誤作動の原因となります。
メカトロニックのオーバーホール、本体一式の交換
AT(オートマチック・トランスミッション)が変速時に回転だけ上がってスムーズに加速しない不具合が生じた場合には、早急にディーラーや整備工場に入庫し、適切な点検・修理を受ける必要があります。
メカトロニックユニットからの不具合は、初期症状のうちは新しいATフルードに交換することで不具合が改善することもあります。しかし、ATは精密機器であるため、7〜8万km以上ATフルードを交換していない車両は、ATフルードの交換によって内部に溜まったスラッジを一気に溶かし、オイルの経路をつまらせることで却って重大なトラブルを引き起こすケースもあります。そのため作業前にATフルードの交換の可否を含めて整備工場に相談することを推奨します。
ATフルードを交換しても症状が改善されない、もしくはリスクの高さからATフルードの交換を断念した場合には、メカトロニックユニットをオーバーホール、もしくは本体一式(ASSY・アッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で一式交換するパーツ)の交換が必要になります。修理費用は車種によって変動しますが、ATフルード交換はおおよそ1〜4万円、メカトロニックユニットのオーバーホールは15〜30万円、交換の場合は20〜40万円ほどかかります。
なお、定期的なATフルードの交換を行うことで、メカトロニックのトラブルを未然に防ぐことができます。
(山崎龍)
トランスミッションの不具合は重大事故の要因にも!?
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