巻き取らない 原因を解決する方法
POINT
- シートベルトが巻き取られないのはシートベルト機構に不具合の原因がある
- 汚れたシートベルトとベルトスライダーを車両から取り外して洗濯すると、滑りが良くなってベルトの巻き取りが改善する
- ベルトを洗っても不具合が改善されない場合は、ベルトやリトラクターに不具合があることが疑われる。その場合は不具合を起こしたパーツの交換、もしくはシートベルト本体交換で問題が解決する
【原因】シートベルトが巻き取らない原因は?
シートベルトがリトラクターに巻き取られないのは、シートベルト機構の不具合が原因となります。
シートベルトとは、ドライバーやパッセンジャーをシートに拘束することで、事故発生時に身体が車外に放り出されることを防ぐ乗員保護装置です。シートベルトは1903年にフランスのギュスターヴ・ルボーによって発明され、1946年にアメリカのタッカーが世界で初めて市販車に採用しました。1960年代にアメリカ国内で販売される新車にシートベルトの装着が義務づけられると、各国はそれに倣って法律で新車への装備を定めるようになり、日本でも1969年4月から国内で販売される乗用車装着されるようになりました(当初は運転席のみ。1973年から助手席、75年から後部座席へのシートベルト設置が義務化されました)。
1960年代までは腰部で身体を支える2点式シートベルトが主流でしたが、1959年にボルボが世界に先駆けて3点式シートベルトを市販車に採用し、同社が特許を無償公開したこともあって世界に広く普及しました。1981年にはメルセデスベンツが前面衝突時にシートベルトを巻き上げ、乗員を後方に引きつけたままとするプリテンショナー機能つきシートベルトを発表。その後、プリテンショナー機能つきシートベルトを改良し、衝突時に乗員に荷重がかかると、ベルトの締めつけを一定の割合で緩めて乗員の肩や胸部が強く圧迫されるのを軽減するベルトフォースリミッターつきシートベルトが発明され、現在までに広く普及するようになりました。
【解決方法】シートベルトの洗浄、不具合箇所のパーツ交換、シートベルト本体交換で修理を行う
シートベルトがリトラクターに巻き取られない不具合は、シートベルトのベルト部分とベルトをBピラーに取り回すことで肩から胸部を保護するシートベルトスライダーに長期の使用で汚れが溜まり、ベルトの滑りが悪くなっている可能性が考えられます。その場合は工具を使ってシートベルトを車体から取り外し、水で薄めた中性洗剤でつけ置き洗いを行うことで、汚れが落ちてベルトの巻き取りが改善されます。
シートベルトを洗っても戻りが改善しない場合は、ほつれや傷、激しい汚れなどのシートベルトの破損や、シートベルトを巻き取るリトラクターが不具合を起こしている可能性が考えられます。その場合はベルトやリトラクターを新品に交換することで不具合が改善されますが、補修部品としてベルトやリトラクターの設定がない一部の輸入車では、シートベルト本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換が必要になります。
シートベルトとエアバッグが連動している車種もあり、交換作業をDIYで行う場合は、作業するクルマの構造を把握しておく必要があり、自信がない人はディーラーや整備工場にて修理を依頼することを推奨します。なお、車種によっても異なりますが、シートベルト本体交換した場合の部品代と工賃を合わせた修理費用はおおむね5万円程度です。
(山崎 龍)
乗員保護装置の不具合は重大事故の要因にも!?
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