ドアが保持できない 原因を解決する方法
POINT
- スライドドア以外のドアは、ドアヒンジ(蝶番)を軸にドアが開閉するようになっている。利便性を高めるために、開口角度を保持してくれるドアチェックという部品も組み合わされている。
- ドアヒンジやドアチェックは長年使うと摩耗などでドアが傾いて開いたり、所定の位置で保持できなくなることがある。
- 修理はドアヒンジやドアチェックの交換だけで完治することもあるが、車体側(ドア側)の取り付け部にまでダメージが及んでいた場合は、板金による修正も必須となる。
ドアが傾いて閉めづらい原因は、ドアヒンジやドアチェックが原因
ドアが保持されず、開口時に傾いてしまうのは、ドアヒンジが原因です。
スライドドア以外のドアは、ドアヒンジ(蝶番)とドアロック(鍵ではなく固定金具の方)で固定されています。一般的なドアは前側にドアヒンジがあり、それを軸に開閉できる構造となっているのです。またクルマのドアは開けた時の利便性を高めるために、開口角度が保持できるようになっています。主に開口角度は大きく開く(全開)とその半分ぐらいの開度(半開)の2段階、もしくはさらにもうひとつ留まるポイントがある3段の設定がなされていて、その角度ではドアが保持される(留まる)ようになっています。それを担っているのがドアチェックという部品です。
ドアはかなりの重量があり、さらに言えば、ドアヒンジの軸を支えるブラケットの固定部は、テコの原理で大きな力が加わります。ブラケット固定部は強靭な作りをしていますが、設計値以上の力を加えてしまうと変形してしまい、軸がずれてドア本来の軌道から外れた動きをするようになります。ドアチェックもスライダー部分の摩耗や経年劣化でドアの動きをコントロールすることや、ドアの開口角を保持できなくなってしまうのです。
ドア開口時は、ヒンジがドアの重さを一手に引き受けているので、使用年数が長くなると、軸部に摩耗が発生しガタつくようになります。このような状態でもドアの軌道を狂わせるので、ドアを閉める時にロック側の金具の位置が合わず、ドアがスムーズに閉められなくなります。
ドアヒンジやドアチェック交換のみで完治すれば軽傷。重傷の場合はボディ側を鈑金
ドアが保持されず、開口時に傾いている場合は、ドアヒンジを交換することで解決します。ドアヒンジは前述したとおり、強靭な作りをしています。そのため変形を修正することは現実的にはかなり難しいと言えます。また軸部のガタは、開閉時に発生する摩擦による摩耗なので、これも修正は不可能です。よって基本的にはドアヒンジを新品に交換するという修理方法が取られます。
ドアヒンジの変形や摩耗だけであれば、部品交換だけで元どおりのドアの動きに修正できます。もしドアヒンジの取り付け部(ボディパネル)にもダメージが及んでいた場合は、ドアヒンジの交換にプラスして、ボディ側の板金による調整が必要となります。
テコの原理で大きな力が掛る部分なので、ボディ側もかなりの強度を持たせてあります。そのため板金作業も簡単ではなく、修理費用が高額になることもあります。ドアヒンジのみの交換であれば2万?3万程度が目安となります。
ドアチェックは、かつては消耗部の交換で修理していましたが、今はドアチェック本体一式(ASSY)で交換するのが一般的です。その修理費用は1万?2万円がおおよその目安となる金額となります。
(坪内英樹)
ドアの不具合は重大事故の要因にも!?
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