加速しない 原因を解決する方法
POINT
- 良い混合気、良い点火、適切な圧縮が得られないとエンジンの調子が悪くなりクルマの加速が悪くなる
- 点火プラグやスロットルボディの清掃やエアフィルターの交換などDIY作業で症状が改善することもある
- エンジンECUやイグニッションコイル、フューエルポンプの不具合は新品へ交換で対応する
- 圧縮比が落ちた場合はオーバーホールを検討
【原因】アクセルを踏んでも加速しなくなるのはなぜ?
アクセルを踏んでも加速しなくなるのは、エンジン本体、エンジンECU、イグニッションコイル、点火プラグ、フューエルポンプ、スロットルボディなどの不具合が原因です。
エンジンは、動力を発生させる重要なパーツで、乗用車に広く普及している4サイクルエンジンの本体は、吸排気バルブや混合気・排気ガスが流れるポートなどを備えたシリンダーヘッド、複数のピストンが収まるシリンダーブロック、クランクシャフトが収められたクランクケースで構成されています。エンジン本体は比較的頑丈で、オイルなどの油脂類の定期的なメンテナンスを怠らなければ、10万km程度で故障することはあまりありません。
一方で、エンジンには補機類と呼ばれる様々な装置が付いています。こちらは本体よりも寿命が短く、5〜6万kmを超えたあたりから故障が発生することもあります。加速しない原因となることの多い補機を以下に列挙します。
エンジンECUは、エンジンの制御を行うコンピューターユニットのことです。
点火プラグ(スパークプラグ)はガソリンエンジンの燃焼室内で圧縮された混合気に着火させるパーツです。
イグニッションコイルは点火プラグに高い電圧をかけるためのパーツです。
フュエールポンプは、エンジンに燃料を供給する機器で燃料タンクの燃料をポンプによってエンジンに送ります。
スロットルボディは、エアクリーナーを介して取り込んだ空気の量をアクセルペダルの操作に応じてコントロールするパーツです。
【解決方法】エンジンの調子が良ければ加速も良くなる
エンジンが調子を保つためには、良い混合気(燃料が燃焼室に噴射されること)と良い点火(適切なタイミングでプラグが着火すること)、適切な圧縮比(シリンダー内の混合気がピストンの上昇でどれくらい圧縮されるかを示した数値)が必要になります。
良い混合気を得るためには、空気の流入量を調整するスロットルバルブボディや燃料を燃焼室に噴射するフューエルインジェクターの清掃を行い、それでも症状が改善されない場合には、新品部品に交換を行います。必要に応じて燃料ポンプやフューエルフィルターなどを点検し、交換することが必要となります。
良い点火を得るためには、まずは点火プラグの汚れを定期的に清掃し、プラグ先端の電極が消耗していれば新品へと交換します。点火プラグに電力を供給するイグニッションコイルは長期の使用で経年劣化して変圧能力が下がり、点火プラグがうまく作動しなくなるため、故障した場合は新品に交換することになります。
適切な圧縮比かどうかをチェックする方法は、プラグコードを抜いて1気筒ずつプラグホールにコンプレッションゲージを差し込み、その状態でエンジンを始動して数値を確認します。
それぞれの気筒ごとの数値がおおむね揃っていて、メーカーの規定値以内(だいたい12〜14kg/cm2)ならエンジンは正常ですが、既定値を大きく下回っている場合にはピストンリングの交換などエンジンのオーバーホールが必要となります。
ここでは代表的な故障原因を挙げましたが、加速しない場合の原因はエンジンだけでなくトランスミッションなど他にも多数考えられます。これらの故障の中には、放置していると走行不能になるだけでなく、最悪の場合は高額な費用がかかる故障につながるケースもあります。まずは加速不良の原因を特定するために整備工場へ持ち込み、テスター(診断機)で故障コードから判断するのが確実です。
(山崎 龍)
エンジンの不具合は重大事故の要因にも!?
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