パーキングブレーキが解除できない 原因を解決する方法
POINT
- パーキングブレーキが解除できないのは、電動パーキングアクチュエーター、パーキングブレーキペダル、パーキングブレーキワイヤー、ブレーキドラムの故障が原因
- パーキングブレーキが解除できないときは、取扱説明書に記載のある緊急リリース操作をすることで解除できる
- 電動パーキングアクチュエーターやパーキングブレーキペダルは本体(ASSY)交換、パーキングブレーキワイヤーやブレーキドラムは清掃や調整、注油で修理する
- 冬季に氷点下に達する地域では、パーキングブレーキをかけたまま放置しておくと、周辺のワイヤーが凍結してしまい解除が出来なくなる場合もある
【原因】パーキングブレーキが解除できなくなる原因はこのパーツの不具合
パーキングブレーキが解除できなくなるのは、電動パーキングアクチュエーター、パーキングブレーキペダル、パーキングブレーキワイヤー、ブレーキドラムの不具合が主な原因となります。
電動パーキングアクチュエーターは、電動式パーキングブレーキ搭載車に備わる電装パーツで、パーキングブレーキのロックやリリースを制御します。パーキングブレーキのボタンやスイッチを操作すると、電動パーキングアクチュエーターに電気信号として伝わり、内蔵された電気モーターがワイヤーを引っ張ったり緩めたりして、後輪ブレーキのロックや解除を行います。
パーキングブレーキペダルは、電動ではない通常のパーキングブレーキを作動させるためのペダルで、運転席フロアのブレーキペダルの左側に位置するペダルです。
パーキングブレーキワイヤーは、パーキングブレーキレバーやパーキングブレーキペダルと後輪のブレーキを繋ぐワイヤーのことで、その張力でブレーキパッドもしくはブレーキシューを締め付けて制動力を発生させます。
小型車や商用車の後輪ブレーキに採用例が多いドラムブレーキは、車輪とともに回転するブレーキドラムに摩擦材(ブレーキライニング)を張ったブレーキシューを内側から外側へと押し付けることで摩擦が発生し、制動力を発生させるブレーキです。
ドラムブレーキに備わるブレーキドラムは、ドラムブレーキの内部機器を収めた円筒形のパーツで、ディスクブレーキのディスクローターに当たるパーツです。
【解決方法】電動パーキングブレーキが解除できないときは緊急リリース操作を使用して解除し、すぐに整備工場へ向かおう
最近、標準装備化が進んでいる電動パーキングアクチュエーターが故障すると、電動パーキングブレーキが解除できなくなります。パーキングブレーキがかかった状態で解除できないときは、オーナーズマニュアルに記載がある緊急解除スイッチを押してロックを解除し、速やかに修理工場へクルマを持ち込むようにしましょう。
電動パーキングアクチュエーターの修理は、新品もしくは程度の良い中古品で本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で一式交換するパーツ)交換で対応します。
パーキングブレーキペダル故障の原因は、ギアの摩耗やガタツキ、錆やグリスの劣化などで、清掃やグリスアップで修理ができない場合は本体(ASSY)交換で対応します。
パーキングブレーキワイヤーの不具合は、緩んだワイヤーの張りを調整することで修理できますが、ワイヤーが経年劣化で伸びてしまったり、錆が酷い場合にはワイヤーを新品に交換する必要があります。
ドラムブレーキはブレーキドラムとブレーキシューの隙間を自動調整する仕組みとなっていますが、ドラム内部の摺動部分に錆や汚れがあると調整機能が働かなくなり、パーキングブレーキの解除操作をしても、ブレーキが掛かったままの状態となります。
その場合はブレーキドラムを外して、内部を清掃し、摺動部分をグリスアップすることで機能が回復します。
なお、冬季に氷点下に達する地域では、パーキングブレーキをかけたまま放置しておくと、周辺のワイヤーが凍結してしまい解除が出来なくなる場合もあります。そのような状況下では平坦な場所であることを確かめた上で、Pレンジに入れてパーキングブレーキはかけずに駐車した方が良いでしょう。
(山崎 龍)
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