異音(「ガラガラ、カンカン」という異音) 原因を解決する方法
POINT
- ATからの「ガラガラ」や「カンカン」という異音は、AT本体の不具合が疑われる。
- ATの故障の頻度は高くはないが、ATフルードの定期的な交換を怠ったり、指定粘度を守らなかったり、フルードの交換時に異物が混入するとAT本体に異音が生じることがある。
- ATからの異音はATフルードの交換で直ることもあるが、AT本体一式の交換が必要になることもある。
AT本体の不具合が疑われる
AT車で「ガラガラ」や「カンカン」という異音が発生したときは、AT(オートマチック・トランスミッション)本体の不具合が疑われます。
ATとは、エンジンから発生した動力を流体クラッチのトルクコンバーターでトルクを増幅しつつ受け止めて、複数のプラネタリーギア(遊星歯車)で構成されたトランスミッションへと伝達し、油圧制御により段階的にギア比を替えて行く自動有段変速機のことです。
ATの故障の頻度はさほど多くはないのですが、走行距離が伸びたことによる経年劣化や、作動油であるATフルード(ATF)の定期交換を怠たると内部にスラッジが溜まり、複雑なオイルラインをつまらせて、さまざまな不具合を発生させます。
ATの不具合には「ガラガラ」や「カンカン」という異音のほか、ATの「滑り」と呼ばれる動力がうまく伝達しないことによる変速不良や加速不良、変速時にショックが大きくなる、ATから振動がする、オイルの焼けたような匂いが立ち上るなど、さまざまなな症状があります。これらは同時に発生することもあり、そのまま放置しているとやがてはATが動かなくなり、走行できなくなる恐れがあります。
ATフルードの交換で異音が消えないときは、トルクコンバーターの交換
走行中にATから「ガラガラ」や「カンカン」という異音がきこえたら、走行不能になる前にディーラーや整備工場に入庫して、適切な修理を受ける必要があります。
AT本体からの異音は、発生後間もないうちなら新しいATフルードに交換することで加速性能や登坂性能が回復することもあります。しかし、ATは精密機器であるため、7〜8万km以上ATフルードを交換していない車両は、ATフルードの交換によって内部に溜まったスラッジを一気に溶かし、オイルの経路をつまらせることで却って重大なトラブルを引き起こすケースもあります。そのため作業前にATフルードの交換の可否を含めて整備工場に相談することを推奨します。
ATフルードの交換をしても症状が改善されない、もしくはリスクの高さからATフルードの交換を断念した場合には、新品もしくは程度の良い中古のAT本体一式(ASSYアッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ)を載せ替えることで異音が解消します。修理費用は車種によって異なりますが、ATフルード交換はおおよそ1〜4万円、AT本体の載せ替えは30〜100万円ほどかかります。
(山崎龍)
トランスミッションの不具合は重大事故の要因にも!?
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