エアコンが冷えない 原因を解決する方法

POINT

  • エアコンから冷気が出ない場合、まずガスやオイルが不足していることが考えられる。この場合、補充で対応できるので修理費用はそこまで高くない。
  • ガス漏れの場合は漏れている箇所を特定し、対策を取ると安心。
  • エバポレーターなどが壊れてしまった場合、修理費用が高額になるケースもある。

ガス漏れが原因の場合、修理費用は高くない

カーエアコンは内部のガスが循環することで冷風を送る仕組み。このガスが少なくなったり、コンプレッサーの潤滑と気密性を高めてガス漏れを防ぐ役割を担うエアコンオイルが少なくなっても冷たい風が出なくなります。この場合は不足したガスやオイルを補充することに。費用は工賃込みで5000円〜6000円程度になります。

エアコンガス漏れの原因がガスの通路の接続部にあるOリングの劣化だった場合、合わせてOリングも交換します。Oリングは安価なので、費用は工賃込みで3000円〜4000円程度になります。

エアコンをONにしても冷たい風が出ない原因がエアコンコンプレッサーのトラブルだった場合、コンプレッサーの本体(ASSY)交換に。ASSY交換になると、修理費用は5万円から9万円程度になります。

エアコンが冷えないのイメージ

エアコン内部に入った不純物が故障の原因になる

現在は多くのクルマでオートエアコンが標準装備になっています。インパネにあるパネルを含むコントロールユニットが故障した場合は、ユニット交換になります。車種により費用は異なりますが、平均すると5万円〜6万円程度になります。

エキスパンションバルブやエバポレーターなど、カーエアコンの要となる部分が故障すると冷気を発生させられなくなります。故障の多くは内部に入り込んだ不純物が原因。これらは部品交換で対応します。

車種により部品代や工賃はかなり変わってきますが、一般的な修理費用はエキスパンションバルブで1万5000円〜2万円前後、エバポレーターで7万円〜8万円程度となります。

他にもコンデンサーやハーネス、ホース、パイプなどに不具合があることも考えられます。エアコンは夏以外でも使うため、おかしいなと思ったら早めに修理を依頼してください。
(高橋 満)

この症状に詳しい修理工場を探す

修理工場を探す

エアコンが冷えない の原因一覧

エアコンが冷えない の故障・不具合の症状一覧を表示しています。該当の症状を選択して、修理方法を確認しましょう。

※原因は症状から過去の事例を参考にしたもので、不具合の原因を断定するものではありません。
※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。

16
  • エアコンコンプレッサー本体(一式)不具合

    よくある度:

    星3
    • エアコンが冷えない
    • 異音

    エアコンコンプレッサーに不具合があると、異音(うなり音やガラガラ音)が出たり、冷気が出なくなったり、エアコンガスが漏れたりといった症状が生じます。エアコンコンプレッサーは、エアコンガス(冷媒)の圧力を高めるための装置で、エンジンの回転をプーリー(滑車)とVベルト(ファンベルト)で伝えることで作動しています。エアコンプレッサー側のプーリーには電磁式のクラッチが備わり、エアコン作動時のみコンプレッサーに力が伝わるようになっていて、パワーロスや燃費の悪化を防いでいます。

  • エアコンガス・オイル不具合

    よくある度:

    星3
    • エアコンが冷えない
    • 異音

    エアコンガスやエアコンオイルに不具合があると、エアコンから冷気が出ない、異音が生じる、白煙が出てくるなどの症状が発生します。エアコンガスは冷気を作るために必要となるガスで、エアコンオイルはエアコンガスと共にエアコン内を循環し、主にエアコンコンプレッサーの潤滑を行ないます。エアコンガスには大気圧以上の圧力が掛かった状態でエアコン内を循環しているので、エアコンの部品やそれを繋ぐ配管の接続部のシール(ガスやオイルを堰き止めるゴム製パーツ)に不具合があると、外に漏れ出してしまいます。

  • エアコンコンデンサー不具合

    よくある度:

    星3
    • エアコンが冷えない
    • 異音

    エアコンコンデンサーに不具合があると、エアコンから冷気が出なくなるなどの症状が生じます。コンデンサーはコンプレッサーで圧力が高まったエアコンガスを冷却するためのパーツとなります。なぜ冷却が必要かといえば、コンプレッサーで圧縮することで、エアコンガスが高温になってしまうからです。コンデンサーは、冷却用の細かなフィンの付いた細いエアコンガス通路となっていて、ラジエーターの前に設置され、走行風などの風が当たることで熱を放出し、エアコンガスの温度を下げてくれます。

  • エアコンエバポレーター不具合

    よくある度:

    星3
    • エアコンが冷えない
    • 異音

    エアコンエバポレーターに不具合があると、エアコンの送風口から冷気が出ない、異音が発生するなどの症状が生じます。エバポレーターの役割は、エキスパンションバルブのノズルから噴射されたことで温度が急降下するエアコンガスの冷たさを、ブロアファンが作り出した風に伝えるというものです。エバポレーター内は低温、ブロアファンが作る風は温度が高いという環境なので、エバポレーター表面には結露が発生します。結露で発生する水はドレンチューブから車外に排出されています。

  • エアコンエキスパンションバルブ不具合

    よくある度:

    星3
    • エアコンが冷えない
    • 異音

    エアコンエキスパンションバルブに不具合があると、エアコンから冷気が出ないなどの症状が生じます。また間接的にエアコンコンプレッサーが動かなくなることもあります。エキスパンションバルブは冷気を作り出す要の部品で、コンプレッサーで圧力を高め、それにより半液体化したエアコンガスがエキスパンションバルブの細いノズルからエバポレーター(室内の空気を冷やす部品)内に噴射させることで、急激な気化と共に圧力低下が発生し、その際の気化熱などで低温を作り出しています。

  • エアコンパイプ不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

    エアコンパイプに不具合があると、エアコンガス漏れが発生し、エアコンから冷気が出ないという症状が生じます。エアコンパイプは、エアコンガスを循環させるための通路で、アルミ製のパイプでできています。パイプは、コンプレッサー→コンデンサー→レシーバー→エクスパンションまでがエアコンガスの圧力が高く、高圧側と区別されます。それに対してエバポレーター→コンプレッサー間は低圧側と呼ばれます。高圧側と低圧側はパイプの太さでも区別でき、高圧側エアコンパイプの方が、パイプ径が太くなっています。

  • エアコンレシーバー不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない
    • 異音

    エアコンレシーバーに不具合があると、エアコンから冷風が出ない、異音が発生するなどの症状が生じます。エアコンレシーバーは、エアコンコンデンサー(圧縮されたことで高温となったエアコンガスを冷却する装置)とエキスパンションバルブ(エアコンガスを細いノズルから噴射させる装置)の間に設置されます。エアコンレシーバーは、エアコンガス圧を一定に慣らすことと、不純物や水分を取り除く濾過機能などが主な役割となります。内部の状態を覗き見ることができる窓(サイトグラス)が付いているタイプも多く、エアコンガスやオイルの量を確認できます。きます。

  • エアコンコントロールユニット不具合

    よくある度:

    星2
    • エアコンが冷えない
    • 風量調節が効かない
    • ヒーターが効かない
    • 操作パネルが起動・反応しない
    • 温度調節が効かない

    エアコンコントロールユニットに不具合があると、風が出ない、温度調節が利かない、操作パネルが起動しない、スイッチ類の操作が利かない、オート設定が勝手に解除される、助手席側の風が出ない、後席のエアコン操作が利かない、勝手にオフになる、リアデフォッガがオンにならない、警告灯が点灯するなどの症状が発症します。エアコンを操作する、言わば頭脳となるのがエアコンコントロールユニット。この部分に不具合が発生すると、エアコンのさまざまな機能に支障が発生してしまいます。

  • A/C高圧ホース不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

  • 各部ハーネス不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

  • ヒーターホース・パイプ不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない
    • ヒーターが効かない

    ヒーターホース、ヒーターパイプは、ウォーターポンプ直後から分岐する冷却水の支流のひとつで、ヒーターバルブを経てヒーターコア(ヒーターの熱源となる熱交換器)に流れ込み、再び冷却水路の本流となるエンジンの冷却水路に戻ります。ヒーターホースやパイプに不具合があるとヒーターが効かない、オーバーヒートする、甘い異臭がする、冷却水の滲みや漏れがあるといった症状が生じます。ヒーター使用時は冷却水流量はそれなりに多いので、漏れが生じるとヒーターが効かなくなるだけでなく、大きなダメージをエンジンに与えることもあります。

  • A/C低圧ホース不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

    エアコン低圧ホースに不具合があると、エアコンから冷気が出なくなります。エアコンは冷媒(エアコン)ガスの圧力を変化させることで、冷媒ガスを気体→液体→気体→液体……と変化させ、その際に生じる気化熱で冷気を作り出しています。液化している時のエアコンガスを「高圧」、気化している時のエアコンガスを「低圧」と区別していて、通り道となるパイプやホースも高圧、低圧で変化します。ここで不具合が生じている低圧側ホースは、主にエバポレーター(車内にある熱交換噐)からエンジンに付くエアコンコンプレッサーまでの冷媒ガス通路に使われるゴム製ホースとなります。

  • マグネットクラッチ不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

    マグネットクラッチは、エアコンガスを圧縮するエアコンコンプレッサーに組み合わされる部品でエンジンの回転力をコンプレッサーに伝達したり切り離したりするのがその役割となります。マグネットクラッチに不具合があると、エアコンから冷気が出ず冷えないという症状が発生します。なぜこのような機構が必要かと言えば、エアコンコンプレッサーによる、エンジンのパワーロスを防ぐためです。夏場、エアコンを使っていると燃費が悪くなったり、発進加速が鈍くなったりするなど、パワーロスを実感したことがあるのではないでしょうか?そんなパワーロスを最低限なものとするために、コンプレッサーにはマグネットクラッチが組み合わされ、状況に応じてコンプレッサーとエンジンを切り離したり繋げたりしているのです。

  • エアコン圧力スイッチ不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

    エアコン圧力スイッチに不具合があると、警告灯が点灯したり、エアコンが冷えないといった症状が発生します。エアコン圧力スイッチは、エアコンガス配管内の圧力が高くなり過ぎたり低くなり過ぎた場合に、エアコンのメカニズムを保護すべく作動を停止させるためのスイッチとなります。エアコンの作動を止めてしまうので、冷気が出なくなり、エアコンシステムに不具合があることを知らせてくれるわけです。エアコン圧力スイッチ自体が壊れることもあり、その場合はエアコン圧力スイッチを交換することでエアコンが作動するようになります。ただ、多くの場合はアコンシステムに原因があります。

  • サーミスタ不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない

    サーミスタは温度センサーのことです。温度の変化に対して大きく抵抗値が変化する電子部品で、その抵抗値の変化を利用して温度センサーとして用いられます。その測定範囲は-50?150℃なることから、カーエアコンでは特に外気温センサーとして多く用いられています。サーミスタで測定した気温はエアコンの制御に用いられるほか、メーターなどに表示される外気温計の数値もサーミスタで測定したものとなります。サーミスタの不具合によりエアコンから冷気が出ない時は、サーミスタが正しい温度を測定できなくなっているので、外気温度の表示にも狂いが生じていることがあります。

  • 内気温センサー不具合

    よくある度:

    星1
    • エアコンが冷えない
    • 温度調節が効かない

    内気温センサーは、その名のとおり車内の温度をモニターするためのセンサーです。内気温センサーに不具合があると、エアコンの温度調節が効かない、エアコンが冷えないなどの症状が発生します。内気温センサーが測定した室内の温度を基準にして、ドライバーが設定したエアコン設定温度に室内温度がなるようにエアコンを稼動させたり、停止させたりします。オートエアコンにはなくてはならないセンサーといえます(ちなみにマニュアルエアコンでは装着されていることはほとんどありません)。

この症状に詳しい修理工場を探す

修理工場を探す
(C)Premium Group Co., Ltd.

この修理ができる工場を探す

工場一覧を見る