オイル・グリス漏れ(ホイールハウス内にオイルが飛び散る) 原因を解決する方法
POINT
- 飛び散ったグリスは、足回り可動部を覆うブーツが切れて飛び出たグリス。
- 多くの場合は、ドライブシャフト、それもアウター側のブーツ切れが原因。
- ドライブシャフトブーツは簡易交換タイプが普及している。
可動部を覆うブーツが切れて、そこからグリス漏れて飛び散っている
ホイールハウス内にオイルやグリスが飛び散っているなら、サスペンションやステアリングギアボックス、ドライブシャフトなどからのオイル=グリス漏れが原因です。
オイル漏れというとエンジンからのオイル漏れを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、サスペンションやステアリングギアボックス、ドライブシャフトなどは可動部に潤滑用の粘度の高いオイルであるグリスが塗られています。その可動部への雨や埃の侵入防止とグリスの飛散防止のためブーツと称されるゴム製のカバーで覆われています。ゴム部品は経年劣化すれば破れが発生してしまうので、そうなってしまうと内部のグリスが漏れ出てしまうことがあるのです。
ホイールハウス内にグリスが付着していた場合、部分的に付着しているならば、その周辺にあるブーツで覆われた可動部に原因があるはずです。でも部分的にグリスが付着していることは稀で、多くの場合は、ホイールハウス内全体にグリスが飛び散っているはずです。そのような飛び散り方をしている場合は、間違いなくドライブシャフトが原因です。
ドライブシャフトはタイヤと一緒に回転しているので、ブーツが敗れてグリスが漏れ出すと、遠心力でグリスを周囲に飛び散らします。ちなみにドライブシャフトのジョイントはインナー(ミッション側)とアウター(タイヤ側)の2箇所ありますが、ホイールハウス内にグリスを飛び散らせるのは、アウター側のジョイントとなります。
ドライブシャフトのアウター部は、ハンドルを切ることで大きく角度が付くことがあるので、ブーツが破れやすい傾向があり、FFや4WDのフロントでは、定番のトラブルであることも知っておきましょう。
修理は破れたブーツの交換。使うブーツの形状で修理費用に差が出る
ホイールハウス内にオイルやグリスを飛び散らないようにするには、グリスの入った可動部を覆うブーツを交換することになります。
ドライブシャフトのブーツを交換するには大きく分けて2通りの方法があります。一つは純正のドライブシャフト同様の円錐状のブーツを使う修理。このタイプのブーツを使って修理する場合は、ドライブシャフトを分解する必要があります。ドライブシャフトを分解するには、ミッションやハブからドライブシャフトを取り外す必要もあり、ブーツの部品代はそれほど高価ではありませんが、工賃はそれなりに高くなります。修理費用は2万?3万円ぐらいが目安となります。
もう一つの修理方法は、切れ込みが入ったブーツを使うというもの。このタイプのブーツが登場したばかりの頃は、耐久性があまり高くなく、邪道な修理方法と認識されていましたが、現在では切れ込み部の接続(接着)の耐久性が格段に高くなり、純正形状のブーツと変わりなく使用できるようになっています。
このタイプのブーツを使えば、ドライブシャフトを取り外したり、分解したりする必要がありません。その分工賃を安くすることができます。修理費用や修理時間の短縮は、オーナーにとっては大きなメリットとなることもあり、このタイプのブーツを用いた修理を勧める修理工場も少なくはないようです。このタイプのブーツでの修理費用は1万円前後が目安となります。
ブーツの破れに気づくのが遅れてしまい、グリス切れからジョイントにガタが発生してしまう場合もあります。この場合はドライブシャフトをオーバーホールするか、交換する必要があります。こうなってしまうと修理費用が一気に高くなり、5万?7万円程度が目安となります。
(坪内英樹)
足回りの不具合は重大事故の要因にも!?
技術力の高い修理工場に早めに修理を依頼しておくことで、
結果として安く済む可能性が高いです。
カープレミアガレージは東証プライム上場企業のプレミア
グループが厳しい基準で加入している安心できるお店です。