オイル漏れ・にじみ 原因を解決する方法
POINT
- 駆動系からのオイル漏れやにじみは、トランスファーやデフ、ドライブシャフト、プロペラシャフトの不具合から発生する
- 多くの場合、トランスファーやデフ、ドライブシャフト、プロペラシャフトに使用されているオイルシール材の劣化が原因
- トランスファーやデフの不具合はオーバーホールによりオイルシールやパッキンの交換修理を行う
【原因】トランスファーやデフからのオイル漏れ・にじみに注意
駆動系からのオイル漏れやにじみは、トランスファー、デフ(デファレンシャル)、各部のオイルシールに不具合が生じることで発生します。
トランスファーは、4WD車に備わるパーツで、プロペラシャフトを介して前後に駆動力を分配・伝達する装置です。4WD車の中でもクロカン系と呼ばれる本格的なSUVに備わるトランスファーは、トランスミッションの機能を補う副変速機を備えるものが多く、急坂での登坂や牽引などのさらに駆動力が必要な状況で重要な役割を果たします。トランスファーには縦置きエンジン用のトランスファーケースと横置きエンジン用のPTU(パワートランスファーユニット)の2種類があります。トランスファーの構造としては、前輪と後輪が常に繋がっているフルタイム方式と、通常は前後どちらかの車輪を駆動させ、必要に応じてドライバーが手動で4WDを選択するパートタイム式があります。フルタイム式の中にも常時4WD状態で前後車輪の回転差を吸収するセンターデフ式と、状況に応じて2WDと4WDを自動で切り替えるオンデマンド式があります。
デフは左右のタイヤの回転数を調整する装置で、コーナリング時に車輪の外側と内側では走行距離が異なるため、外側の回転数を大きく、内側を小さくすることで安定したコーナリングを可能とします。デフには乗用車に広く普及したオープンデフと、スポーツカーやSUVなどに採用例が多いLSD(リミテッドスリップデフ)があります。
トランスファーやデフなどの駆動系部品にはオイルシール材が使われています。オイルシール材は機械がスムーズに動くように、ふたつの機械部品の間に挟み込まれる主にゴムから作られたパーツで、オイルや水などを密封し、漏れを防止する役割が与えられています。
【解決方法】トランスファーやデフをオーバーホールし、劣化したオイルシールやパッキンを交換
トランスファーからオイル漏れを引き起こしていた場合には、トランスファーを車体から下ろしてオーバーホールし、劣化したオイルシールなどを交換する必要があります。
デフからのオイル漏れやにじみは、荒れた路面でのデフケース破損、デフ内部にあるオイルシールの経年劣化、デフオイルの入れすぎなどが原因となります。
デフケースの破損は新品もしくは程度の良い中古のデフケースに交換するか、デフ本体(一式)交換で対応します。
オイルシールが原因でオイル漏れ・にじみを起こした場合は、デフをオーバーホールし、劣化したデフケースの接合部分のガスケットパッキンや内部のオイルシールを交換します。
デフオイルの入れすぎでオイル漏れやにじみを起こしたときは、デフケースにあるドレンプラグから余分なデフオイルを抜くか、定められた量の新しいデフオイルに交換します。
トランスファーやデフに使用するオイルは、エンジンオイルほど頻繁に交換する必要はありませんが、2年に1度あるいは5万kmごとを交換の目安として新しいオイルに入れ替えることをおすすめします。
(山崎 龍)
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