警告灯点灯 原因を解決する方法
POINT
- エンジン警告灯とはエンジン内部の故障をセンサーで感知して警告を促すもの
- エンジン警告灯には赤色と黄色がある。赤色は運転が危険な状態で、黄色は注意が必要
- エンジンの故障箇所を点検
- 修理するとエンジン警告灯は消える
【原因】エンジン警告灯の色による意味の違い
エンジン警告灯(エンジンチェックランプとも呼ばれます)はエンジンに何かしらの異常が発生した場合、センサーが異常を感知して点灯します。
また、機器の故障だけでなく、故障を感知するセンサー自体に不具合が発生した場合にもエンジン警告灯が点灯します。
エンジン警告灯は運転席のメーターパネルの中にあり、異常がある場合はエンジンがかかると点灯し、エンジンを切ると消えます。
警告灯の色には赤色と黄色があり、赤色の場合はそのまま運転するのは危険ですので、ただちに走行を中止し、速やかな点検・修理が必要となります。黄色の場合は走行に注意が必要で、なるべく早く点検・修理に入れることをおすすめします。
エンジン警告灯の点灯を引き起こす原因は非常に多く、また複数の故障が原因となっている場合もあります。点灯したまま放置すると故障箇所の症状が悪化し、修理費用が高額化することもあるので、速やかに整備工場へクルマを持って行きましょう。
【問題解決】このパーツが故障するとエンジン警告灯が点灯する
エンジン警告灯は、Vベルト、エンジンECU、イグニッションコイル、O2センサー、エアフロセンサーなどの不具合で点灯することが多いようです。
Vベルトは、エンジンの回転力を動力としてオルタネーターや冷却ファンなどに伝えるゴム製のベルトです。
エンジンECUは、エンジンの制御を行うコンピューターユニットのことです。
イグニッションコイルは、燃焼室内の圧縮した空気とガソリンの混合気に着火するスパークプラグに高い電圧をかけるためのパーツです。
O2センサーは排気ガス中の酸素濃度を測定し、その情報を元にエンジンECUが混合気の濃い・薄いを判定し燃料の供給量を決定します。ラムダセンサーも同様の働きをしますがさらに細かい情報をECUに送ることができます。
エアフロメーターは、エンジンが吸い込む空気の量を計るための部品で、エアフロ、エアフロセンサー、エアマス、エアマスセンサーと呼ばれる場合もあります。そのデータなどを基に、ECU(エンジンコントロールユニット)が最適な燃料の量をエンジンに供給しています。
これらの寿命は車種によっても異なりますが、おおよそ10年・10万kmほどです。中には5〜6万kmほどで故障が出始めるケースもあります。故障箇所を修理し、テスター(診断機)によって記録をリセットするとエンジン警告灯は消えます(消えない場合は故障箇所が他にもある可能性があります)。
エンジン警告灯は不具合を早期に知らせる重要なパーツです。ここでは代表的な故障原因を挙げましたが、エンジン警告灯が点灯する原因は他にも多数考えられます。これらの故障の中には、放置していると走行不能になるだけでなく、最悪の場合は高額な費用がかかる故障につながるケースもあります。まずは警告灯点灯の原因を特定するために整備工場へ持ち込み、テスター(診断機)で故障コードから判断するのが確実です。
(山崎 龍)
警告灯点灯 の原因一覧
警告灯点灯 の故障・不具合の症状一覧を表示しています。該当の症状を選択して、修理方法を確認しましょう。
※原因は症状から過去の事例を参考にしたもので、不具合の原因を断定するものではありません。
※修理内容は修理工場での作業事例を説明するもので自己修理を推奨するものではありません。
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オルタネーターに不具合が生じると、バッテリー上がり、エンジンが掛からない、ファンベルトの損傷や破断、異音が発生する、警告灯が点灯するなどの症状が生じます。オルタネーターは、セルモーターを回したり、ヘッドライトやウインカーなどのランプ類を作動させたりする電気を発電するパーツです。だからモーター駆動でないエンジン車であっても、オルタネーターが正常に機能しないと、さまざまな部分の機能が正常に作動しなくなってしまいます。
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ウォーターポンプに不具合が発生した際は、エンジンがオーバーヒートする、ヒーターが効かない、異音がする、警告灯が点灯する、水温計が上がらない、冷却水が漏れるなどの症状が出ます。ウォーターポンプは、冷却水をエンジンからラジエーターやヒーターコアなどに循環させることでエンジンを適正な温度に保ちます。そんなウォーターポンプの故障は主に冷却水漏れ。冷却水路内を満たしていなければならない冷却水の量が減ってしまうことで、上記のような症状が生じるようになります。冷却水漏れの原因となる部分は他にもありますが、走行10万km前後の車両であれば、ウォーターポンプの可能性が高いです。前後の車両であれば、ウォーターポンプの可能性が高いです。
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Vベルトに不具合が生じると、ベルトの損傷や破断、キュッキューという異音(鳴き)の発生、警告灯の点灯などの異常が起こります。Vベルト(ファンベルトが一般的な名称)は消耗部品です。5万km以上使われたベルトは、摩耗や損傷が生じてきます。消耗したままでも、張りの調整を行えば鳴きは止まりますが、消耗し過ぎたベルトは突然破断するので、鳴きが出たらベルトを交換すべきです。ちなみにベルトが破断すると、オルタネーターが発電しないので、警告灯が点灯し、バッテリー上がりを招きます。また車種によりますが、エアコンやパワステ機能の停止、エンジンのオーバーヒートなども発生します。の停止、エンジンのオーバーヒートなども発生します。
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エンジンASSY(エンジン本体)に不具合がある場合、エンスト、オイル消費の増大、オイルや冷却水の漏れや滲み、オーバーヒート、始動困難、異音の発生、加速不良、慢性的な不調や振動の増大、警告灯の点灯などの症状が出ます。オイルや冷却水の漏れや滲みであれば、ガスケットやシールの交換で修理完了となることもありますが、オイル消費の増大や始動困難、異音の発生などの症状の場合、エンジン内部の修理が必要となることが多く、修理には多くの時間と費用を要することになります。
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ラジエターASSYに不具合があると、エンジンがオーバーヒート気味になる、冷却水が漏れる、警告灯が点灯するなどの症状が生じます。ラジエターはエンジンの発する熱を吸収した冷却水を冷やすためのパーツです。ラジエターは、細い冷却水水路に冷却フィン(フィン部)の付いた部分とタンク部で構成されています。ちなみにフィン部がアルミ製、タンクが樹脂製となり、異なる材質で構成されるため、接合はカシメを採用しています。冷却水漏れの多くはそのカシメ部分から発生します。
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イグニッションコイルは、ガソリンエンジンのスパークプラグに高圧の電気を送るためにあります。外観は電線でつながれた樹脂パーツで、内部はコア(鉄心)に一次コイルと二次コイルが巻かれ、高電圧を発生させる構造となっています。イグニッションコイルに不具合があると、エンジンがかかりにくくなったり、かからなかったりします。また、エンジンがかかっても、警告灯の点灯や振動、加速しないなどの不調が発生し、エンストすることもあります。イグニションコイルの寿命は、おおむね10万kmとされますが、車の使用状況や環境により大きく異なります。
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O2センサーに不具合があると、警告灯が点灯します。その他にも燃費が悪化したり、エンジンが不調になったりといった症状が出ているはずです。O2センサーは排気ガス内に含まれる酸素の量を計測しECU(エンジンコントロールユニット)にその計測値をリアルタイムで伝えています。排気ガス内の残留酸素量は、エンジンに供給されるガソリンの量が適性か否かをECUが判別するのに必要な情報で、その数値に合わせてガソリンの供給量を増減しています。
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冷却ファンモーターに不具合が発生すると、エンジンがオーバーヒート、エアコンが冷えない、異音の発生、警告灯の点灯といった症状が現れます。ちなみに冷却ファン(最近の車種の大半は電動ファンを採用)が冷やしているのは、ラジエーターとエアコンのコンデンサー。両方をひとつの冷却ファンで冷やす車種と、それぞれに冷却ファンが付く車種があります。冷却水の温度やエアコンの稼働状態により自動でON/OFFや回転スピードをコントロールしているので、ファンが回っていないからといって故障しているわけではありません。
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スロットルボディとは、エンジンに空気を取り込む部品で、エアクリーナーとインテークマニホールドの間にあり、シリンダーに取り込む空気の量を調整するスロットルバルブ、スロットルポジションセンサー、アイドルスピードコントロールバルブなどで構成されています。スロットルボディの不具合があると、アイドリングが不安定になり、エンストすることがあります。また、エンジンがかかりにくくなったり、異音や振動が発生したり、加速がもたついたり、警告灯が点灯するなどの不調が起きます。
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Vベルト(ファンベルト)テンショナーに不具合が発生すると、異音の発生や警告灯の点灯といった症状が発生します。Vベルトテンショナーはオルタネーターやエアコンコンプレッサー、パワーステアリングポンプ、ウォーターポンプなどにエンジンの駆動力を伝達するためのベルトの張りを調整するための部品です。ベルトテンショナーにはベルトを張るためのブーリー(滑車)が付いていますが、そのプーリーの軸部に組み合わされるベアリングにガタが発生し、異音が発生したり、ベルトの張りが弱くなったりします。
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サーモスタットに不具合があると、エンジンのオーバーヒートやオーバークール(水温が適温まで上昇しない状態)、エアコンやヒーターの機能不全、冷却水漏れの他、警告灯点灯などの症状が出ます。サーモスタットは、冷却水温に合わせてラジエターに繋がる冷却水路を開閉することで冷却水温を適温に保っています。サーモスタットの故障は、主に冷却水の流れをコントロールするバルブ(弁)が固着してしまうことで発生します。バルブが開いた状態か閉じた状態かで、異なった症状が発生することも知っておきましょう。
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ターボチャージャー本体(一式)不具合が発生すると、オイルのにじみや漏れ、消費量が多くなったりします。また、異音の発生や、エンジンの始動ができなくなる場合もあります。さらに、警告灯が点灯したり、加速時に白煙が出たりすることもあります。ターボチャージャー(一般的には略称の「ターボ」で呼ばれています)は、カタツムリ状の外観をしたパーツで、エンジンのすぐ近くに取り付けられています。ターボチャージャーは日本語で「過給器」と呼ばれるもので、その仕組みは、排気側と吸気側それぞれに直結したタービンがあり、排気の圧力を利用して吸気側の圧力を高め、シリンダーに送る酸素の量を増加させて、高い出力を得るというものです。
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EGR(Exhaust Gas Recirculation:排出ガス再循環)とは、排出ガスの一部を再度シリンダーに循環させるシステムで、窒素酸化物(NOx)の低減や燃費向上の目的があります。このシステムは、エンジンの排気側と吸気側を結ぶ円筒形パイプを中心に構成され、『EGRバルブ』は吸気側への再循環量を調整する部品です。EGRバルブに不具合があると警告灯点灯やエンストするといった症状が起きます。また、アイドリングが不安定になることもあります。
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フューエルポンプに不具合が生じると、エンジンが掛からない(掛かりにくい)、異音が発生する、加速しない、エンジンに不調や振動が発生する。警告灯が点灯する、燃料計表示不良といった症状が現れます。フューエルポンプはタンク内の燃料をエンジンに送るための電動ポンプで、タンク内に設置されていることがほとんどです。フューエルポンプは、何の前触れもなく突然機能しなくなることも多く、路上での立ち往生を余儀なくされるトラブルのひとつとなります。
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フューエルインジェクターは、燃料をエンジンのシリンダーに噴射する装置で、吸気ポートやシリンダーに取り付けられている電子制御パーツです。フューエルインジェクターには、吸気ポートに噴射する「ポート噴射式」とエンジンの気筒内に直接噴射する「気筒内直接噴射式(直噴)」があります。フューエルインジェクターに不具合があると、エンストしたり、エンジンがかからなかったり、かかりにくかったりします。また、加速がもたついたり、警告灯が点灯したり、異臭や振動が発生するなどの不調が起こることもあります。フューエルインジェクターの寿命は、車種や利用環境等によって変わりますが、おおむね15万km~20万kmと言われています。
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エキゾーストパイプに不具合があると、「ガラガラ」「ボボボボ」といった異音が発生します。また、警告灯が点灯したり、オイルの消費が多くなったりすることもあります。エキゾーストパイプは、エンジンの排出ガスをマフラーへ送るパーツで、基本的に車の下部に装着されています。エキゾーストパイプは、車の排気系の部品の一部です。エンジンの排気ガスの流れは、エキゾーストマニホールド、キャタライザー(触媒)、エキゾーストパイプ、マフラー(サイレンサー)の順で排出されます。エンジンで発生する爆発音を消す役割をもつマフラーよりエンジン側のパーツであるため、不具合が起きると異音や騒音の発生に繋がります。エキゾーストパイプの寿命は、素材、車の使用環境、保管場所などによって異なりますが、一般的に穴が空いたら寿命となります。スチール製のエキゾーストパイプは、車の保管場所や使用環境によっては早く錆びてしまうことがあります。ステンレス製やチタン製の場合には、錆びにくいことから寿命が長くなります。
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ラジエターキャップに不具合があると、警告灯が点灯したり、冷却水が漏れたりする症状が発生します。ラジエターキャップは、冷却水路内の水圧を規定値に保ったり、温度上昇により冷却水路内に収まり切らなくなった冷却水をリザーバータンクに放出したり、常温に戻った際にはリザーバータンクの冷却水を冷却水路内に戻す機能を果たしています。ラジエータキャップを構成する部品の中には経年劣化するゴムも使われているので、定期的な交換が必要になります。
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エアダクト・ホースに不具合があると、警告灯が点灯します。また、エンジンが不調になり、加速しなかったり、振動が発生したりすることもあります。エアダクト・ホースは、シリンダーに空気を送るパーツの一部で、エアクリーナーからスロットルバルブをつないでいます。パーツは、ゴムや樹脂などで作られていることが多く、時間の経過と共に劣化していきます。エアダクト・ホースの寿命は、パーツの素材や車の使用環境などによって異なりますが、硬化してひび割れてきたら交換の目安となります。
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ピストンはエンジンの燃焼エネルギーを受けてシリンダー内を上下する重要部品です。ピストンリングはピストンに組み込まれシリンダー内壁と接しています。ピストンが燃焼室の混合気を圧縮し、燃焼圧をロスなく受け止めることができるのは、ピストンリングとエンジンオイルの助けがあるからです。ピストン・ピストンリングに不具合があると、エンジンオイルの消費が増えたり、マフラーから白煙が上がったり、警告灯が点灯したりする症状が発生します。
シリンダーとピストンのクリアランスは、0.1mm前後と非常に小さいのですが、その僅かな隙間があると混合気を圧縮したり、燃焼圧をロスなく受け止めたりすることができないのです。その僅かな隙間を埋めているのが、ピストンリングとエンジンオイルです。張力を有するピストンリングは、シリンダー内壁にピストンリング外周を押し付けようとする力が働き、ピストンとシリンダーの間の僅かな隙間を塞ぎ、エンジンオイルはシリンダーとピストンリングの摩擦抵抗を下げると共に、ミクロレベルの隙間を埋めてくれているのです。
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エアフロメーターに不具合があると警告灯が点灯する他、エンジンが不調になったり、エンジンから振動が発生したりします。エアフロメーターは、エンジンが吸い込む空気の量を計量するための部品で、エアフロ、エアフロセンサー、エアマス、エアマスセンサーと呼ばれる場合もあります。設置されている場所は、スロットルバルブとエアクリーナーボックスの間。エンジンに吸い込まれる空気の量を常時測定し、そのデータなどを基に、ECU(エンジンコントロールユニット)が最適な燃料の量をエンジンに供給しています。
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エンジンの空燃比をモニターしているのが空燃比センサー(A/Fセンサー)です。空燃比センサーに不具合があると、エンジン警告灯が点灯する他、エンジン不調やアイドリング不良、燃費の悪化などの不具合が生じます。空燃比とはエンジン内で燃焼する燃料と空気の比率を表すもので、ガソリンエンジンの場合はガソリン1に対して空気が14.7となる混合比率が理想空燃比と言われています。ただし、それはあくまでも理想値なので、一般的にはエンジンの負荷などにより13?15:1の間で変化します。空燃比の算出は、排気ガスの残留酸素を元にしており、それを測定できるのがO2センサーとなります。エンジン制御に用いられるO2センサーはいわゆるO2センサーと呼ばれるものとラムダセンサーがありますが、空燃比センサーとして使われるのはラムダセンサーとなります。車種によっては触媒の前と後に2つ付いている場合もあります。
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カム角センサーは、カムシャフトポジションセンサーの略称です(メーカーにより名称が若干異なります)。その役割は、カムシャフトの回転角度から吸気→圧縮→燃焼→排気という4サイクルエンジンの燃焼工程を検知し、それをECU(エンジンコントロールユニット)に信号として送るというものです。エンジンの燃焼工程を検知するセンサーは、カム角センサー以外にもクランク角センサーがあり、カム角センサーはクランク角センサーの補助的な役割を果たしていることが多いです。カム角センサーに不具合があると、エンジンが不調になったり、振動が発生したり、警告灯が点灯するなどの症状が発生します。
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インテークマニホールドの不具合があると、オイル漏れやにじみ、ガラガラした異音、踏み込んだときに加速しなくなる、不調に伴う振動、エンジン系の警告灯が点灯するなどの症状が発生することがあります。インテークマニホールドが破損すると、その部分から余分な空気(2次エアー)を吸い込み、通常よりも混合気が薄くなることでエンジン不調の原因となります。
インテークマニホールドとは、エアクリーナーを介して取り入れた吸気をエンジンの燃焼室に導入するための複数のパイプが並んだ形状の部品です。インテークマニホールドはスロットルボディやキャブレターと、エンジン本体の間に繋ぐように配置され、材質は鉄やアルミなどの金属製かプラスチック製となります。その構造はキャブレター車の場合はエンジンの気筒数に応じて並んだ単純な構造のパイプとなりますが、インジェクション車の場合は空気を燃焼室に安定して供給するためにサージタンクという空気を一時的に溜めるタンクが備わります。
インテークマニホールドは車種や運転環境によって異なりますが、一般的にクルマの耐用年数と同じくらいの寿命をもつようです。
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クランク角センサーはクランクシャフトの回転角度をモニターするセンサーです。4サイクルエンジンは吸入→圧縮→燃焼→排気というサイクルで動いていますが、その一連の工程の核になっているのがクランクシャフト。その回転角度から、各気筒の上下動するピストンの位置や、吸排気バブルの開閉時期、スパークプラグの点火時期が決定されているのです。クランク角センサーに不具合があると、エンジンが不調になったり、振動が発生したり、始動しづらくなる他、警告灯が点灯するなどの症状が生じます。
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チェーンテンショナーとは、エンジンを構成する部品のひとつで、ピストンの運動を回転運動に変換するクランクシャフトと4サイクルエンジンの吸気と排気のタイミングでバルブを開閉するカムシャフトを連動させるための金属製のチェーンの張力を自動調整するためのパーツです。チェーンテンショナーに不具合があると、オイル漏れやにじみが発生したり、冷間時にガラガラした異音が発生したりして、エンジン警告灯が点灯することがあります。
チェーンテンショナーはエンジン内部のカムシャフトとクランクシャフトの間のチェーンラインにチェーンガイドと接続するかたちで取りつけられます。チェーンテンショナーは四角い箱型の本体に上下にボルトの取り付け基部が備わった形状をしており、本体内部はオイルポンプからの油圧で動くピストンとスプリングが内蔵され、走行距離の増加に伴ってチェーンが伸びてくるとチェーンガイドを動かすことで、一定の張力でチェーンを張る仕組みになっています。
チェーンテンショナーの寿命は非常に長く、20〜30万km程度は問題なく使用できるようです。
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オイルコントロールバルブに不具合が起きると、オイルが漏れたり、にじんだりします。また、エンジンの警告灯が点灯したり、ガラガラと異音がしたりします。オイルコントロールバルブは、可変バルブタイミング機構のエンジンに装着される部品で、エンジンの回転数に応じて吸気と排気のバルブ開閉タイミングを制御しています。エンジンのシリンダーヘッドに取り付けられていることが多いオイルコントロールバルブは、吸気側や排気側など複数取り付けられているケースがほとんどです。オイルコントロールバルブの内部は、切り込みが入った円筒状になっており、油圧で可動する構造になっています。このオイルコントロールバルブの内部にある可動部分のプランジャーの動きが鈍くなったり、動かなくなったりすることで不具合が発生します。また、フロントグリルから水が侵入して、オイルコントロールバルブ内部に錆が発生し、作動できなくなることもあります。
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カムシャフトタイミングギア/VTCに不具合があると、警告灯が点灯したり、「ガラガラ」という異音や振動が発生するなど、エンジンが不調になります。カムシャフトタイミングギアとは、クランクシャフトの回転とエンジンのバルブ開閉タイミングを同期させるためのギアとなります。VTC(Variable Timing Control)は、エンジンのバルブ開閉タイミングを変える可変バルブ機構です。いずれもエンジンのバルブ開閉タイミングを変化させるパーツで、それぞれの位置がズレると不具合が発生します。パーツの内部は、ベーンやギアなどで構成され、油圧または電動でバルブタイミングを変化させています。寿命は定められていませんが、カムシャフトタイミングギア/VTCを動かすタイミングチェーンやベルトの寿命である10万km〜30万kmで不具合が起きることが一般的です。
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二次エアソレノイドに不具合が起きると、エンジンの警告灯が点灯します。二次エアソレノイドとは、二次空気導入装置と呼ばれる電磁弁のことで、吸気した空気を排気側に送り排出ガスをクリーンにするために装置です。低速時や低負荷時に発生する一酸化炭素(CO)や未燃焼炭化水素(HC)を完全燃焼させるために装着されています。二次エアソレノイドが取り付けられているのは、インテークマニホールド(吸気管)とエキゾーストパイプ(排気管)の間です。内部に弁がある二次エアソレノイドは、四角い小さなパーツで、バルブを動かすためのカプラーが接続されています。二次エアソレノイドの寿命は定められていませんが、一般的に電子制御回路に不具合が起きて、内部のバルブが正常に動作しなくなることで、エンジン警告灯が点灯します。
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シリンダーヘッドは燃焼室を有し、そこに吸排気バルブやカムシャフト、スパークプラグなどの部品が組み込まれるという、エンジンの性能を左右する重要なパーツです。シリンダーヘッドに不具合があると、エンストする、エンジン本体から異音がする、エンジン不調、振動が発生する、冷却水が漏れる(減る)、エンジン警告灯が点灯するなどの症状が生じます。シリンダーヘッドを構成する材質は、かつては鋳鉄などもありましたが、現在ではほぼ全てがアルミとなっています。放熱性に優れる一方で鋳鉄と比べると融点の低いアルミという素材が燃焼時の高温に晒され続けるため、シリンダーヘッド自体のトラブルは熱が原因となるものがほとんどです。
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タイミングギアは、エンジン内部の部品で回転軸となるカムシャフトやクランクシャフトに付く歯車の総称です。クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝えるための部品で、タイミングチェーンやタイミングベルトと共に機能します。タイミングギアに不具合があると、警告灯が転倒したり、エンジン不調が発生したりします。ちなみに、前述のとおり歯車の総称ですが、ベルト駆動の場合はプーリー、チェーン駆動の場合はギアと呼ぶことが多いのも知っておくといいでしょう。さらにタイミングギアのトラブルを説明するのに知っておきたいワードがあります。それがタイミング(時期)。これはクランクの回転角度を示していて、主に吸排気バルブの開閉、スパークプラグのスパーク(点火)で用いられます。つまりタイミングギアに不具合があると、吸排気や点火といったエンジンの根幹を成す部分に異常を生じさせてしまうのです。
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エアクリーナーエレメントとは、空気中に漂う塵や埃をろ過するためのフィルターのことです。エンジンは空気にガソリンを混ぜた混合気を燃焼させることで動力を生み出します。吸い込んだ空気に異物が混じっていると、シリンダー内部を傷つけてしまいエンジンの寿命が短くなります。そこでエンジン保護のためにエアクリーナーエレメントが必要となります。
エアクリーナーエレメント(エアフィルター)に詰まりなどの不具合があると、エンジンへ適切な量の空気が供給されず不調につながります。エンジン系の警告灯が点灯することもあります。
エアクリーナーエレメントには、純正品として採用される樹脂製のエアクリーナーボックスに装着する四角い板状のものと、社外品に多いキノコ型のものがあります。エアクリーナーエレメントの材質は、純正品はフィルター部分が波折りされた紙製(乾式)、社外品はスポンジ製(湿式)のものが多く、後者は集塵のためにオイルが薄く塗布されています。
寿命はそれぞれ純正品が2〜3万km、社外品は純正品よりも寿命は短く5,000〜10,000kmで清掃が必要になり、スポンジが劣化したら新品に交換します。
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オイルプレッシャースイッチは、エンジン内の各部を潤滑するエンジンオイルの流れをオイルの圧力(油圧)の有無でチェックするセンサー(スイッチ)となります。エンジンオイルは、オイルポンプによりエンジン内の潤滑が必要な部分に圧送されています。しかし何らかの理由でオイルが流れなくなると十分な潤滑ができなくなり、その状態が続くとエンジンが焼き付きを起こしてオーバーホールなど大掛かりな修理が必要になります。そのようなトラブルを避けるために、油圧が掛からなくなるとオイルプレッシャースイッチがそれを察知し、油圧警告灯を点灯させる仕組みになっています。
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ノックセンサーはエンジンのノッキングをモニターし、エンジンに大きなダメージを与えるノッキングを感知すると点火時期を遅らせるなど、エンジンを制御するために無くてはならないセンサーです。ノックセンサーに不具合があると、警告灯が点灯するという症状が発生します。
ノッキングとは広義では扉をコツコツと叩くこと。自動車用語として使う場合は、エンジンの異常燃焼を意味します。スパークプラグの火花で点火する燃焼が正常なのに対し、異常燃焼はスパークプラグが火花を飛ばす前に燃焼が始まる燃焼となります。異常燃焼が発生するとピストンが高速で揺れてシリンダー内壁などを叩き、「カリカリ」などの異常燃焼特有の音を発するので、ノックやノッキングと呼ばれているのです。
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フューエルタンクはガソリンや軽油などの燃料を貯めておくためのタンクです。フューエルタンクに不具合があると、エンストする、エンジンがかかりにくい、ガソリン(軽油)臭い、給油時に燃料の吹き返しがある、燃料計の表示不良があるなどの症状が発生します。最近の自動車の場合は樹脂製が主流ですが、以前はスチール製のものも多くありました。燃料計のセンサーやガソリンをエンジンに圧送するためのフューエルポンプが組み込まれた状態で、車体の下側に吊るされる形で装着されている物が一般的です。
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吸気温センサーは、エンジンが吸い込む空気の温度をモニターするセンサーとなり、その情報はECU(エンジンコントロールユニット)に取り込まれます。吸気温センサーに不具合があると、エンジン警告灯が点灯する、エンジン不調、燃費悪化などの症状が発生します。ちなみに吸気温度からは主に吸入気の密度を割り出しています。同じ量(体積)の空気でも温度により密度が変化することは、学生時代の理科の授業で習っていますよね。吸入気の温度から密度を算出し、含まれる酸素の量を割り出すことで、ECUは最適量の燃料をエンジンに供給してくれています。
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アドブルー(AdBlue®)はディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を化学反応により無害化する高品位尿素水で、エキゾーストパイプの途中で噴射されます。アドブルーを噴射するインジェクターや尿素水をためておくタンクは、アドブルーポンプと連携しています。アドブルーポンプに不具合があると、アドブルーの減りが早くなり、エンジン警告灯やアドブルー警告灯が点灯します。時にはエンジンがかからなくなることもあります。アドブルーユニットにトラブルが起きると、白煙が上がったり、マフラーが白くなったりします。
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エアーポンプに不具合があるとエンジン系の警告灯が点灯することがあります。
エアーポンプとは、排気ガス浄化のためにガソリンエンジンの排出ガスに含まれる未燃焼の炭化水素(HC)を再びエンジンの燃焼室に戻して燃焼させるエアポンプ式の二次空気供給装置に備わる噴射ポンプのことです。エンジンの排気ポートやエキゾーストマニホールドなどの燃焼室に近い場所からインテークマニホールドのサージタンクへと噴射ポンプで送り込み、吸気と混ぜることでHCを燃焼させます。
エアーポンプの設置場所は車種によっても異なりますが、エアクリーナーボックスからシリンダーヘッドの間に備わることが多く、エアーポンプ本体は円筒形の筐体の中に回転することで空気を送り出すベーンが備わり、筐体の底部には駆動のための電気モーター、あるいはベルトプーリーが備わります。電動モーターで駆動するエアーポンプには、配管の途中にHCの逆流を防ぐためのチェックバルブが備わっています。
車種や運転環境によっても異なりますが、エアーポンプの寿命はおおよそ10年・10万kmは問題なく使用できるようです。
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EGRクーラーに不具合があると、エンジンの警告灯が点灯します。EGRクーラーは、エキゾーストパイプとインテークマニホールドの間に装着される箱形の部品で、排出ガスを再循環するEGRシステムの一部です。EGRクーラーの役割は、エンジンから排出される高温の排気ガスの温度を下げて、EGRシステムの働きを高めることです。また、窒素酸化物(NOx)の排出量を減らし、エンジンの抵抗損失(ポンピングロス)も軽減する役割があります。EGRクーラーの内部は、フィンや冷却システムで構成されています。排出ガスが通るEGRクーラーは、長期間にわたり使用していると、排出ガスに含まれるカーボンなどが付着し、性能が低下します。EGRクーラーの寿命は特に定められていませんが、EGRクーラーの不具合が発生する時期は、車種により異なるほか、車の使用環境によっても異なります。
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油圧センサーとは、ステップ式ATやCVT、DCTなどのAT本体の油圧系に備わるパーツで、ネジが切られたボルトにセンサーユニット本体が組み付けられた形状をしており、自動変速に必要な油圧を常時モニターする役割を持ちます。油圧センサーに不具合があると、シフトショックが大きくなったり、変速がスムーズにできなくなる、前進・行進ができなくなるなどの症状が現れ、トランスミッション系の警告灯が点灯することがあります。油圧センサーの寿命は使用環境やATのメンテナンス状況によっても異なりますが、おおよそ10年・10万kmは問題なく使用できるようです。
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電動ウォーターポンプとは冷却水を循環させるためのポンプ=ウォーターポンプのうち電動のものを指します。電動ウォーターポンプに不具合があると、警告灯が点灯したり、冷却水が漏れたり、冷却水がオーバーヒート、もしくはオーバークールするなどの不具合が生じます。冷却水を循環させるためのポンプ=ウォーターポンプは、これまでエンジンの動力を利用して作動させる、いわゆる機械式が一般的でしたが、昨今、それを電動化した電動ウォーターポンプを採用するメーカーも出てきています。電動化することでのメリットは、エンジンのパワーロスの低減や、緻密な冷却水温管理ができるようになるといったものがあります。
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高圧燃料ポンプに不具合があると、警告灯の点灯や、加速力の低下、エンジンのかかりが悪いなどといった不調が発生します。また、走行中の突然のエンストや燃料漏れ、ガソリン臭の発生も起こることがあります。高圧燃料ポンプはハイプレッシャーポンプとも呼ばれ、タンクから吸い上げられた燃料を高圧で噴射するパーツです。シリンダーヘッドの横に装着される高圧燃料ポンプの外観は円筒状で、燃料を供給するコネクターやパイプで構成されています。内部は、低圧の燃料を吸入する通路を開閉する電磁弁、燃料を加圧するポンププランジャー、高圧燃料を送り出すパイプやバルブで構成されています。寿命となる時期は特に定められていませんが、一般的に10万km〜15万kmといわれています。
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排気温センサーはエンジンが排出している排気ガスの温度をモニターしているセンサーです。排気温センサーに不具合があると、警告灯が点灯します。排気温センサーはエキゾーストマニホールド(エンジン直後についている排気管)や触媒付近に装着されています。もともと高温の排気ガスが想定温度以上になると、車両火災が発生したり、触媒が破損したりするといった大きなトラブルに発展します。そうなる前に警告灯を点灯させることで排気温が高くなっているのをドライバーに知らせてくれるのが排気温度センサーとなります。
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EGRパイプに不具合があるとエンジン系の警告灯が点灯することがあります。
EGRパイプとは、排気ガス中に含まれるブローバイ(不完全燃焼)ガスを低減させるとともに、排気ガスの排出量を減らすためのEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)システムを構成するためのパーツのひとつで、排気ガスの一部を吸気系に戻すためのパイプのことです。EGRパイプを介して吸気系へと戻された未燃焼ガスは、新鮮な吸気と混ぜあわせて再びエンジンの燃焼室で燃焼されます。
EGRパイプは金属製のパイプで、エキゾーストマニホールドからインテークマニホールドのサージタンクに備わるEGRバルブへと接続されます(最近のクルマでは未燃焼ガスの温度を下げるためにEGRパイプの経路にEGRクーラーが設置されることがほとんどです)。
EGRパイプは単なる金属製のパイプなので、寿命はクルマの耐用年数以上となります。
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カムシャフトに不具合があると、オイル漏れやにじみが発生したり、異音とともにエンストしたり、エンジン系統の警告灯が点灯したりすることがあります。カムシャフトとは、4サイクルエンジンの吸排気バルブを適切なバルブの開閉タイミングやリフト量で開閉させるための、プロファイルを持つカムロブ(カム山)と呼ばれる突起部を吸排気バルブの数だけ並べた金属製のシャフトのことです。
カムシャフトはクランクシャフトが2回転する間に1回転するようにタイミングチェーンやベルトで連動しており、カムシャフトが回転することでカムロブが直接、あるいはスイングアームやロッカーアムーを介してバルブを開きます。
カムシャフトはSOHCやDOHCの場合はシリンダーヘッド側に、OHVの場合はシリンダーブロック側(バルブの作動はロッカーアームを介して行います)に備わります。SOHCやOHVの場合は吸排気バルブの作動を1本のカムシャフトで行いますが、最近のエンジンの多くが採用するDOHCは吸気・排気用に振り分けた2本のカムシャフトで行います。
カムシャフトは車種や運転環境によっても異なりますが、一般的にクルマの耐用年数と同じくらいの寿命をもつようです。
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インジェクションパイプに不具合があると、エンストする、燃料臭い、エンジンが不調になる、エンジンから振動が発生する、警告灯が点灯するなどの症状が現れます。インジェクションを和訳すると注入、噴射を意味し、自動車の場合は燃料をエンジンに供給するシステム、フューエルインジェクションを意味します。各シリンダーに燃料供給する金属製パイプを示します。
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クランクシャフトはエンジンの核となる部品です。シリンダー内を上下に動くピストンの動きを回転運動に変換するのがクランクシャフトの役割となります。クランクシャフトに不具合があると、警告灯が点灯したり、マフラーから白煙が出たり、エンジンの回転数に連動した異音が発生するなどの症状が発生します。
クランクシャフトには、メインジャーナル(シリンダーブロックに据えられる主軸)とクランクピン(ピストンとクランクシャフトを結ぶコネクティングロッドのクランク側結合部)という2つの回転軸があります。
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DPFに不具合があると、警告灯が点灯(そうなる以前に点滅)するほか、エンジンから十分な力が出ず加速しないなどの症状が出ます。DPFは、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する装置のひとつで、ディーゼル微粒子捕集フィルター(=Diesel particulate filterの頭文字をとってDPF)で、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる煤などの有害物質を取り除く役割を果たしています。有害物質は、DPFで走行中に自動で燃焼除去される仕組みとなっていますが、様々な原因で詰まりが発生することがあります。
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タンブルコントロールバルブはインテークマニホールド(エンジンの吸気管)の中の空気の流れを制御するもの。燃焼効率を高めるために燃焼室内(シリンダー内)に流れこむ吸入気に渦を発生させています。TCVとも呼ばれるタンブルコントロールバルブに不具合があると、警告灯が点灯するという症状が発生します。タンブルコントロールバルブのタンブルとは渦の種類を示していて、燃焼室の中を上下に流れる渦がタンブル流となります。タンブルコントロールバルブを電子制御することで、吸入気が燃焼室内で安定的にタンブルの渦を作り出せているのです。
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NOxセンサーに不具合があると、警告灯が点灯します。NOxセンサーは排気管に装着されるセンサーで、その役割はNOx(窒素酸化物)の排出量を測定することとなります。NOxは排気ガスに含まれる有害物質のひとつで、特にディーゼルエンジンはNOxの排出量が多く、国が定める基準値以下に排出量を制御しなくてはなりません。NOxセンサーが機能しなくなると、触媒を通過する排気ガスに尿素水を噴射することでNOxを窒素と水に分解するというシステムが正常に機能せず、NOxが待機中に放出されてしまうことになります。
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チャコールキャニスターとは、燃料タンクから発生する有害物質を含んだ気化したガソリンの排出を抑えるための装置です。チャコールキャニスターに不具合があると、エンジン警告灯が点灯することがあります。
チャコールキャニスターは、その名の通り金属製もしくは樹脂製の缶状の容器(キャニスター)の中に2枚の多孔板と活性炭(チャコール)を利用したフィルターが入っています。チャコールキャニスターは、エンジンルーム内に備わり、ブリーザーパイプを介して燃料タンクからパイプが接続され、燃料タンク内の圧力が一定以上になるとブリーザーパイプの弁が開いて気化ガスをキャニスターに流し、圧力が低下すると逆方向に開いて空気をタンクへと戻します。
チャコールキャニスターにはタンクへ繋がるパイプ以外に、パージバルブを介してスロットルボディへと繋がるパイプと、ダイヤフラムを介して外気へと繋がっています。エンジンがアイドリング状態や低回転時には、エンジンの負圧を利用してキャニスターで浄化された気化ガスを吸引し、一部はスロットルボディへ導かれて混合気とともに燃焼され、燃焼で使われなかった浄化された気化ガスは大気へ放出されます。
チャコールキャニスターの本体は事故などで破損しなければ車両の寿命と同じくらい長期に渡って使用できますが、内部のフィルターは10年・10万kmを目処に点検し、必要に応じて交換します。
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ラムダセンサーは、排気ガス内の残留酸素濃度を測定するためのセンサーで、主にエンジンと排気ガスを浄化する触媒コンバーターの間に設置されています。ラムダセンサーに不具合があると、エンジン警告灯が点灯する、エンジン不調やアイドリング不良、燃費悪化といった症状が発生します。排気ガスの残留酸素濃度を測定するセンサーは、他にもO2センサーと呼称されるものもあります。O2=酸素を測定するセンサーなので、ラムダセンサーも大きなカテゴライズとしてはO2センサーとなります。ただし自動車部品としては、それぞれが役割ごとに区別されていて、O2センサーは残留酸素があるかないかの二択でセンシングしているのに対し、ラムダセンサーはどれだけの量の酸素が残留しているかをセンシングするセンサーとなります。
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オイルレベルセンサーはエンジンオイルが規定量入っているかをモニターするためのセンサーで、主にオイルパンに装着されています。オイルレベルセンサーが装着されている車種は少なく、多くのクルマはオイルレベルゲージでエンジンオイルの量を目で見て確認するというアナログな方法で採用されています。オイルレベルセンサーに不具合があると、エンジンオイルの量を正確に表示できない、オイル漏れやオイル滲みの発生、警告表示といった症状が発生します。