ブレーキペダルが振動する（操作時、ペダルに反力が返る） 原因を解決する方法

ブレーキ操作時にブレーキペダルが振動し、ペダルに反力が返るのは、ディスクローターやABSアクチュエーターの不具合が疑われます。

ディスクブレーキとは、車輪とともに回転するディスクローターに、ブレーキキャリパーの中にあるブレーキピストンがブレーキパッドを押し付けることで制動力を発生させるブレーキシステムです。

金属もしくはカーボン製のディスクローターはブレーキを使用すると徐々に削摩耗して行きます。摩耗は必ずしも均一ではなく、走行中にブレーキパッドとディスクローターの間に砂やゴミが入り込み、使用していると徐々にディスク表面はレコード盤のような傷が入ります。そうなるとブレーキペダルを踏んだときにブレーキパッドがディスクに均一に当たらず、片減りや段付きを起こして振動を引き起こします。

ABSアクチュエーターとは、ABSの作動状況に応じて液圧の増減・持続を行う装置のことで、エンジンルーム のブレーキマスターシリンダーの近くにあり、電動モーター、油圧ポンプ、電磁弁、アキュームレーターで構成されています。

ABSアクチュエーターが故障すると、ブレーキペダルの操作時に振動が出るだけでなく、ペダルを踏んだときに反力が返るほか、「キーキー」という異音が発生することがあります。

ABSアクチュエーターの故障は、経年劣化により内部のコンピューターの破損、ポンプモーターやポンプリレーの故障などが原因になる場合と、高圧でブレーキフルードを圧送するオイルラインがひび割れする場合があります。

ディスクローターが振動の原因となったときは、整備工場に修理を依頼し、ディスクローターに十分な厚みがあるときは、ローター表面を研磨して均してもらい、摩耗限界が近いときは新品に交換してもらいます。また、ブレーキパッドも同様に摩耗していることが多く、ブレーキパッドも一緒に交換してもらうのが一般的です。

修理費用はディスクローターとブレーキパッドの研磨が1カ所につきおおよそ1〜2万円、新品のディスクローター に交換した場合は1カ所につきおおよそ1万5000円〜5万円程度、ブレーキパッドは左右2枚1組で1万円〜4万円ほどになります。

ABSアクチュエーターに原因がある場合は、分解修理ができないことから、新品もしくは程度の良い中古品を使った本体一式（ASSYアッセンブリー：複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ）することで対応します。修理費用は車種によってまちまちで、おおよそ10万円?30万円ほどです。

（山崎龍）