警告灯点灯(ブレーキ警告灯) 原因を解決する方法
POINT
- ブレーキキャリパー、マスターシリンダー 、バキュームポンプ 、ABSの構成パーツなどの不具合が原因となってブレーキ警告灯が点灯する。
- 警告灯には緊急度に応じて赤色と黄色があるが、ブレーキ警告灯は赤色の表示となる。点灯した場合は直ちに運転を中止し、至急、整備工場にて点検と修理を受けなければならない。
- ブレーキの故障箇所を修理することでブレーキ警告灯は消灯する。
ブレーキキャリパー、マスターシリンダー 、バキュームポンプ 、ABSのパーツの構成などの不具合
ブレーキ警告灯が点灯した場合、その原因は多岐に渡ります。ブレーキピストンを押し出すことでブレーキパッドをディスクローターに押し付けて制動力を得るブレーキキャリパー関連のパーツ、ブレーキペダルの踏力を油圧へと変換するマスターシリンダー関連のパーツ、負圧を生み出すことで小さな踏力でマスターシリンダーを動かすバキュームポンプ関連のパーツ、電子制御技術によりブレーキをかけた際にタイヤのロックを防ぐABS関連のパーツなどに不具合があると点灯します。なおABS系はブレーキ警告灯とは別にABS警告灯が装備されている車種もあります。
警告灯には赤色と黄色があり、赤色に点灯した場合、そのまま運転するのは危険ですので、ただちに走行を中止し、速やかな点検・修理が必要です。ブレーキ警告灯は赤色の表示となりますので、点灯した場合は直ちに運転を取りやめ、整備工場に修理に出す必要があります。
ブレーキ警告灯を点灯させる不具合の原因となるパーツは非常に多く、整備工場の診断機によるエラーコード分析などで故障原因を絞り込んでいきます。
ブレーキキャリパー関連のパーツで警告灯が点灯するのは、ブレーキキャリパーの経年劣化によるブレーキフルード漏れ、ブレーキピストンに装着されるブレーキピストンシールの経年劣化によるフルード漏れ、ブレーキパッドの残量を検知するブレーキパッドセンサーの経年劣化による破損や接触不良などが原因です。
ブレーキマスターシリンダー関連のパーツで不具合があると警告灯が点灯するのは、ブレーキマスターシリンダーの内部カップの劣化による液漏れ、マスターシリンダーを電動化したブレーキ電動マスターシリンダーの配線やモーター異常などの不具合、マスターシリンダーやブレーキキャリパーの作動油であるブレーキフルードの漏れなどが原因です。
バキューム関連のパーツで不具合があると警告灯が点灯するのは、ブレーキに必要な負圧が発生しないターボ車やディーゼル車に必要な負圧を供給するバキュームポンプの経年劣化によるオイル漏れ、負圧を利用してブレーキペダルの踏力をアシストするブレーキブースターの経年劣化による内部パーツの破損、ブレーキブースターを電動化した電動ブレーキブースターポンプの経年劣化による内部パーツの破損、ハイブリッド車や電気自動車のブレーキに必要な負圧を生み出すブースターポンプの経年劣化によるオイル漏れ、ブレーキの負圧を検知するブレーキ圧センサーの経年劣化による故障などが原因です。
パーキングブレーキ関連のパーツで不具合があると警告灯が点灯するのは、足踏み式のパーキングブレーキの操作ペダルであるパーキングブレーキペダルのリンク機構のガタつき、パーキングブレーキを締結・解除させるパーキングブレーキワイヤーの伸びなどが原因です。
ABSの作動機器で不具合があると警告灯が点灯するのは、実際の速度とタイヤ回転数の差をモニターし、油圧回路の減圧バルブを開くことで短時間のうちにブレーキの効きの強弱を繰り返すABSコントロールユニットの電気系や機械的な故障、ABSの作動状況によってブレーキフルードの液圧の増減・持続を行うABSアクチュエーターの経年劣化により内部機器の破損やオイルラインがひび割れ、電動パーキングブレーキのロックやリリースを制御する電動パーキングアクチュエーターの内部モーターの故障などが原因です。
ABSのセンサーで不具合があると警告灯が点灯するのは、車輪の回転状態をモニターして車輪の動きの際や滑りを検知してABS作動を指示することでブレーキをアシストするスピードセンサーのケーブルの断線や接続不良とセンサー部分の故障、走行速度の検出とともにABSやTCS(トラクションコントロール)ESC(横滑り防止装置)などの安全装置の制御に用いられる車輪速センサーの経年劣化による破損や汚損、ドライブ・バイ・ワイヤ方式のクルマのアクセルの踏み込み量を計測するストロークセンサーのセンサーユニットや内部基板の故障、ワイヤーハーネスの断線や接触不良などです。
ブレーキキャリパー、マスターシリンダー 、バキュームポンプ 、ABSの構成パーツなどを修理
ブレーキ警告灯が点灯した場合は、運転を直ちに中止して至急整備工場に入庫し、適切な点検と修理を受ける必要があります。故障箇所を修理すると自動的に警告灯は消えます(修理後に診断機でエラーコードを消すことで警告灯が消える場合もあります)。
修理費用は車種や修理内容によってまちまちです。以下、不具合箇所の修理内容と修理費用の概算を列記します。
ブレーキキャリパー関連のパーツは、ブレーキキャリパーはオーバーホールを行っておおよそ1万5000円〜8万円、ブレーキキャリパーのオーバーホール時に交換が必要になるブレーキピストンシールの交換費用はおおよそ1万5000円〜8万円(通常はオーバーホール料金に含まれます)、ブレーキパッドセンサーは新品に交換しておおよそ数千円〜2万円ほどです。
ブレーキマスターシリンダー関連のパーツは、ブレーキマスターシリンダーはオーバーホールもしくは本体一式(ASSYアッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ)に交換しておおよそ3〜30万円、ブレーキ電動マスターシリンダーは本体一式を交換しておおよそ10〜30万円、ブレーキフルードは新しいフルードに交換しておおよそ1万〜4万円ほどです。
バキューム関連のパーツは、バキュームポンプは新品に交換しておおよそ3〜13万円、ブレーキブースターは亀裂や穿孔のあるホースを交換、もしくは本体一式を交換しておおよそ数千円〜10万円、ブースターポンプは新品に交換しておおよそ3〜30万円、ブレーキ電動ブースターポンプは新品に交換しておおよそ10〜30万円、ブレーキ圧センサーは新品に交換しておおよそ1〜6万円ほどです。
パーキングブレーキ関連のパーツは、パーキングブレーキペダルはリンク機構のガタつきを調整もしくは本体一式を交換しておおよそ1〜12万円、パーキングブレーキワイヤーは調整もしくは新品に張り替えて1万5000円〜13万円ほどです。
ABSの作動機器は、ABSコントロールユニットは新品もしくは中古の本体一式への載せ替えでおおよそ3〜35万円、ABSアクチュエーターは本体一式の交換でおおよそ10〜30万円、電動パーキングアクチュエーターは新品もしくは中古品への載せ替えでおおよそ3〜15万円ほどです。
ABSのセンサーは、スピードセンサーは配線修理もしくは新品パーツの交換でおおよそ数千円〜15万円、車輪速センサーは新品パーツの交換でおおよそ数千円〜8万円、ストロークセンサーは新品への交換で数千円〜3万円、ワイヤーハーネスは配線修理もしくは新品への交換でおおよそ数千円〜3万円ほどです。
(山崎龍)
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