エンジンがかからない(ディーゼル車のマフラーから白煙が出る) 原因を解決する方法
POINT
- クリーンディーゼル車のエンジンがかからない、かかってもマフラーから白煙が出るのは、アドブルーポンプの故障が疑われる。
- アドブルーインジェクターから排気ガスに噴射されたアドブルーは、尿素がNOxと反応するSCR触媒によって水と窒素に還元されマフラーから排出される。
- アドブルーポンプに不具合があると、ポンプが回りっぱなしになってアドブルーを必要以上に消費したり、ポンプが動かなくなって排気ガスが浄化されないまま素通しで排出される。
- アドブルーポンプの故障が特定された場合は新品に交換修理する(アドブルータンクやアドブルーインジェクターの故障も同様)
アドブルーポンプの不具合
クリーンディーゼル車でエンジンがかからない、かかってもマフラーから白煙が出るのは、アドブルーポンプの故障が疑われます。
アドブルー(AdBlue?)とは、クリーンディーゼル車の排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を化学反応により無害化する高品位尿素水のことです。
アドブルーは、アドブルータンクからアドブルーポンプによって汲み上げられ、コンピューター制御で適切な噴射コントロールを行う尿素水噴射インジェクターによって排気ガスに吹き付けられ、尿素がNOxと反応するSCR触媒を通り、アンモニアスリップ触媒で水と窒素に還元してマフラーから排出されます。
アドブルーポンプとは、アドブルータンクに溜めてあるアドブルーを吸い上げてアドブルーインジェクターへと送るポンプのことで、クルマによっては3つのパーツを一体化したユニット構造を採用していることもあります。
アドブルーポンプが故障すると、ポンプが回りっぱなしになってアドブルーを必要以上に消費したり、ポンプが動かなくなって排気ガスが浄化されないまま素通しで排出されたりします。その場合、有害な排気ガスが白煙となって大気へと排出されるだけでなく、触媒を痛めてしまうおそれがあります。
アドブルーポンプ本体が故障することもありますが、アドブルータンクに漏れが発生したり、高い圧力で噴射するアドブルーインジェクターが故障するとアドブルーポンプが必要な圧力を確保できなくなって不具合を生じることがあります。また、単にアドブルーがなくなってもエンジンがかからなくなります。
アドブルーポンプの交換
クリーンディーゼル車でエンジンがかからない、かかってもマフラーから白煙が出た場合や、タンク内のアドブルーの減りが異常に早い場合には、早急に自動車整備工場で点検・修理を受ける必要があります。
アドブルーポンプの修理は、部品交換または本体一式(ASSYアッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ)の交換となります。アドブルーポンプの修理をするときは、コンピューター診断機でエラーを確認し、尿素水の圧力が正常ではない場合に部品交換となります。また、車によっては、アドブルータンクやポンプなどが一体となっているケースもあることから、本体一式の交換になることもあります。
修理費用は車種によっても異なりますが、アドブルーポンプ(アドブルータンクやアドブルーインジェクターが一緒になったユニット構造担っているものを含む)の交換が6〜14万円、アドブルータンクの交換が数千〜5万円、アドブルーインジェクターの交換が4〜8万円ほどになるようです。
なお、アドブルーは温度変化に弱く、高温にさらされると劣化が進みます。気温が30度以下ならおよそ1年は品質を保ちますが、40度以上になるとおよそ4カ月で劣化して使用できなくなります。劣化したアドブルーを使用するとアドブルーポンプやアドブルーインジェクターの故障や「尿素品質エラー」を示す警告灯が点灯し、セーフティ機能が働いて車を動かすことができなくなることがありますので注意が必要です。
(山崎龍)
エンジンの不具合は重大事故の要因にも!?
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