走行時に異音がする(「ギーギー」という異音」 原因を解決する方法
POINT
- MT車が走行中に「ギーギー」という異音が発生したときは、ギア欠けによるミッションブローなどMT内部に致命的な故障が発生したと考えられる
- ミッションブローの原因は、エンジンを高回転で回していたときの無理なシフトダウンや高負荷なスポーツ走行の繰り返し、走行距離が伸びたことによる経年劣化などが考えられる
- ミッションブローを起こしたMTは原則として本体一式の載せ替えになるが、旧車や一部の輸入車のように載せ替え用のMTが用意できない車種はオーバーホールで対応することになる
- ATやCVTでもミッションブローによるトランスミッションの深刻な故障は発生することがある。その場合の対応はMTと同じになる。
トランスミッション内のギア欠けや内部パーツの破損によるミッションブロー
走行中にMT(マニュアル・トランスミッション)から「ギーギー」という異音(ギア鳴り)が発生したときは、ギア欠けなどの致命的な故障の発生が疑われます。
MTからの「ギーギー 」や「ガリガリ」という耳障りな異音は、鉄の焼けたような異臭や激しい振動を伴って発生することが多く、ギアやインプットシャフト、カウンターシャフト、シンクロナイザーなどのMTを構成するパーツに深刻なダメージを負い、ミッションブロー(MT本体が壊れてしまうこと)が発生したことを示しています。ミッションブローを放置していると最終的にギアが全く入らなくなってしまい、走行ができなくなってしまいます。
MTは速度や路面状況に応じてドライバーがシフトチェンジを行い、クルマを効率的に走らせるトランスミッションで、高負荷にも耐えられるよう頑丈な作りとなっていますが、エンジンが高回転で回っているときに強引に低いギアへとシフトダウンしたり、スポーツ走行時にクラッチペダルを蹴ることでドリフトのきっかけ作りをしたりということを繰り返していると寿命が短くなってしまいます。また、適切に扱えば30万km程度はトラブルフリーで使用できるMTですが、それ以上の長距離を走ると経年劣化で内部パーツが摩耗・劣化します。こうして使用限界に達したMT本体の致命的な故障を引き起こします。
ATやCVTについても同様で、高負荷を与える操作の繰り返しや、長期間の使用によるトランスミッションの摩耗・劣化により、ミッションブローという致命的な故障を招く恐れがあります。
トランスミッションの載せ替え
走行中にMTから「ギーギー」と異音が聞こえたときは、ギア欠けによるミッションブローなど致命的な故障の発生が予測されるため、早急に整備工場に入庫し、点検・修理を受ける必要があります。
点検の結果、MTがミッションブローを起こしていた場合は、変速を行っているギアの歯車が欠けや削れによって噛み合わせが悪くなり、インプットシャフト、カウンターシャフト、シンクロナイザーなどの内部パーツが破損によってスムーズなシフト操作ができなくなっています。そのため、部分的な修理で直すことが難しく、MT本体をバラバラにして傷んだすべてのパーツを交換するオーバーホールを行うか、新品もしくは状態の良い中古のMT本体一式(ASSYアッセンブリー:複数のパーツが組み上がった状態で交換するパーツ)に載せ替える必要があります。
MTのオーバーホールは整備工場に高い技術力と相応の作業時間が必要になることから、近年ではMT本体を載せ替えによる修理を行うことが一般的ですが、MT本体一式の供給が期待できない旧車や一部の輸入車はオーバーホールで対応せざるをえません。なお、ATやCVTがミッションブローを発生させた場合はオーバーホールが難しいため、原則としてトランスミッションの載せ替えとなります。
修理費用は車種によって異なりますが、オーバホールを行う場合は30万円以上、載せ替えの場合は20〜100万円ほど必要です(ATやCVTもほぼ同じ)。
(山崎龍)
トランスミッションの不具合は重大事故の要因にも!?
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