白煙 原因を解決する方法
POINT
- マフラーからの白煙は「オイル上がり」「オイル下がり」が原因となることが多い
- 修理方法はオイル上がり
- オイル下がり添加剤の添加か、それで症状が改善されない場合はエンジンASSY交換、もしくはオーバーホールでの対応となる
- クランクシャフトからのオイル漏れが原因で白煙が上がった場合には、新品のクランクシャフトオイルシールに交換修理する
- ターボチャージャーの故障でマフラーから白煙が上がった場合はASSY交換となる。
【原因】マフラーから白煙はなぜ上がる?
マフラーから白煙が上がるのは、エンジン内部のピストンとピストンリング、ターボチャージャーの不具合が主な原因です(なお、寒い時期に始動直後に出る白煙はマフラー内の水蒸気によるものです。匂いを嗅いで油が燃える匂いがしていないかどうかで判断しましょう。またマフラーから黒煙が出る場合は燃料が濃すぎることが原因です)。
エンジン本体に原因があって白煙が上がる場合は、シリンダーブロック内にあるピストンやシリンダーをエンジンオイルがすり抜けて燃焼室に入る「オイル上がり」を起こしたか、シリンダーヘッド内にある吸気・排気バルブからエンジンオイルが燃焼室に入る「オイル下がり」を起こしたかのいずれかです。
オイル上がりもオイル下がりもエンジンオイルの漏れ出す経路が違うだけで、燃焼室内でオイルが燃えていることに変わりはありません。
ただしエンジン本体は比較的頑丈で、オイルなどの油脂類の定期的なメンテナンスを怠らなければ、10万km程度で故障することはあまりありません。
ターボチャージャーもオイル管理が悪いと白煙の原因となります。ターボチャージャー がブロー(焼き付き)を起こす前兆として、タービン内部でオイルが異常燃焼を起こしてマフラーから白煙が上がることもあります。
エンジンの構造を理解することで白煙の原因を探る
エンジンは、動力を発生させる重要なパーツで、乗用車に広く普及している4サイクルエンジンの本体は、吸排気バルブや混合気・排気ガスが流れるポートなどを備えたシリンダーヘッド、複数のピストンが収まるシリンダーブロック、クランクシャフト(ピストンの往復運動を回転運動に変える動力伝達用のシャフト)が収められたクランクケースで構成されています。
また、ピストンには燃焼室の気密維持と潤滑のためピストンリングと呼ばれる円環状のパーツがはめられています。
ターボチャージャーは、排気ガスの圧力でタービン内部の羽根車を回し、より多くの空気(酸素)を燃焼室に送り込むことで、同じ排気量の自然吸気エンジンに比べてより大きなパワーを得られる過給機のひとつです。
いずれもオイル交換を怠ると故障を引き起こす可能性が高まります。
【解決方法】白煙はオイルの異常燃焼によって発生する
マフラーからの白煙の原因がエンジンの「オイル上がり」や「オイル下がり」だった場合には、オイル上がり・オイル下がり用の添加剤をエンジンに入れることで問題が解決する場合があります。
添加剤を使っても白煙が止まらない場合は、ピストンやピストンリング、クランクシャフトのオイルシールの経年劣化が原因ですので、エンジン本体(ASSY=アッセンブリー:複数のパーツが一式組み上がった状態で交換するパーツ)交換、もしくはオーバーホールが必要となり、部品代と工賃を合わせて30〜100万円以上の修理費用がかかります。
ターボチャージャーの故障が原因で白煙が上がる場合には、新品もしくは程度の良い中古のターボチャージャーで本体(ASSY)交換することになります。
車種によっても異なりますが、部品代と工賃を合わせた修理代は10〜30万円ほどになります。
マフラーから白煙が出る場合、放置しているとシール類の交換だけでなくエンジン本体やターボチャージャーの交換など、修理に高額な費用がかかるケースもあります。自分で添加剤を用いても症状が改善しない場合は、早めに整備工場に持ち込むことをおすすめします。
(山崎 龍)
エンジンの不具合は重大事故の要因にも!?
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